直木賞受賞の万城目学のデビュー作を舞台化!大群像劇コメディにしたい『鴨川ホルモー、ワンスモア』合同取材会レポート

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直木賞受賞の万城目学のデビュー作を舞台化!大群像劇コメディにしたい『鴨川ホルモー、ワンスモア』合同取材会レポート

2024年4月から5月にかけて、ニッポン放送と「ヨーロッパ企画」上田誠のタッグで上演するエンタメ舞台シリーズ第4弾『鴨川ホルモー、ワンスモア』。出演する中川大輔、八木莉可子、男性ブランコの浦井のりひろと平井まさあき、脚本・演出の上田誠、そして第 170 回直木賞を受賞したばかりの原作・万城目学が登壇した合同取材会の模様をお伝えする。

「鴨川ホルモー」(角川文庫刊)は、2006年に発表された万城目学のデビュー作となった小説。その外伝的続編「ホルモー六景」(角川文庫刊)もベストセラーとなった。日本古来の陰陽道を取り入れた奇想天外な設定を、緻密な構成と独創的なユーモアと個性豊かなキャラクターで描き、「第 4 回ボイルドエッグズ新人賞」受賞、「本の雑誌」エンターテインメントで 2006 年度の第 1 位、「2007 年本屋大賞」6位などに選ばれた。そんな2作を原作に、タイトルには“ワンスモア”と銘打ち、京都を代表する劇団「ヨーロッパ企画」が舞台化に挑む。

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合同取材会では、まず先日 「八月の御所グラウンド」で第 170 回直木賞を受賞した万城目にキャストを代表して中川から花束が贈られ、万城目は「ありがとうございます!」と満面の笑みを浮かべた。

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冒頭の挨拶では、「こんな(万城目先生が賞を取った)素敵なタイミングで演じられることが嬉しいです。良い流れに乗って、舞台も成功させたいです!」と意気込みを語る中川。また、初めての舞台出演となる八木も「とても緊張しています。ですが、上田さんから“楽しみながらやってほしいと言われたので、楽しみながら、精一杯しがみついて頑張りたいともいます!」と気合いを見せた。

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ヨーロッパ企画の舞台に初参加となる浦井は、「今から本当にワクワクしています。普段は相方と 2 人でコントをしているので、これだけの人数と一緒にやるというのはあまりないことなので、皆さんの顔を平井に置き替えて緊張しないようにします」とコメント。もともとヨーロッパ企画、そして原作のファンだという平井は「素晴らしいスタッフ・キャスト陣に囲まれて、こんな楽しそうな現場に呼んでいただいて、“最も高い”と書きまして“最高”です!」と、報道陣の笑いを誘った。

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そして万城目は、「原作を書いたのは18年前と、かなり昔。それが今こうやって若い皆さんに演じてもらえるのが嬉しいです」と舞台化に期待を寄せている様子。万城目が言った通り、原作は 18 年前に出版。それを何故、今このタイミングで舞台化するのか質問が飛ぶと、上田は「以前『たぶんこれ銀河鉄道の夜』という舞台をやった時に、万城目先生が観に来てくれたんです。その際、舞台化にオススメの原作を聞いたら『鴨川ホルモー』と即答されて。おそらく冗談で言われたと思うのですが、僕は“これ、あるな!”と思いました。それから“大群像劇コメディ”にしたいと構造を始めて、原作に描かれているのと別の、裏の物語も組み込んで仕上げていきたいと思っています」と思いを語った。

また、タイトルにある「ワンスモア」という部分については、「何をワンスモアにしようか、考えている最中」とのこと。まだ制作中という内容だが、「もともとワンスモア要素が入った作品なので、“これはワンスモアだな”と思ってもらえるような作品にしたい」という。

まだ台本がない状態ということだが、上田のコメントを聞いた中川は「僕も『たぶんこれ銀河鉄道の夜』を観て、原作のアップデート具合や物語の飛躍がすごいと思いました。今回もどれくらい原作がワンスモアされるのか、楽しみです」とますます期待が高まったよう。

八木も「奇想天外すぎて、どんな舞台になるのか全く想像がつきません(笑)。ですが、もともとヨーロッパ企画さんが本当に大好きで、まさか自分がヨーロッパ企画の舞台に参加できるなんて思ってもいませんでした。必死にしがみついていけたら」とやる気を見せた。

直木賞受賞の万城目学のデビュー作を舞台化!大群像劇コメディにしたい『鴨川ホルモー、ワンスモア』合同取材会レポート

中川以外のメンバーは京都や滋賀出身者が集まっているという、今回のキャスティング。しかし、キャスティングの理由はそれだけではなく、上田は「主人公・安倍からにじみ出る人柄、繊細さが中川さんと重なって、原作に忠実なイメージでお願いしました。早良は、情熱家でサークル内を翻弄する悪い面も持っている。憎いけど憎み切れない芯の通ったイメージが八木さんにハマりました。三好弟と松永は原作に詳しく描かれているキャラクターではないものの、男性ブランコの 2 人なら『鴨川ホルモー』の世界に入ってくれるだろうと思いました」と明かした。

原作執筆時を振り返り、万城目は「まだデビュー前だったので、どうすれば世に出るのか試行錯誤しながら、結果や評価がわからないまま書きました。それが世に出て、映画や舞台になっていくとは。当時、技量が明らかに足りなくて、キャラクター一人ひとりに設定を与えられなかった悔いがありました」とのこと。今回の舞台化で「それを上田さんが引き継いで、今回全員に役割を与えて書いてくれたのが嬉しい」と喜びを語った。

多くの期待が寄せられる作品で主演を務めることについて、中川は「人が発しないような言葉“鬼語”を発する場面があるので、喉がもつのかが不安です。舞台のジャンルはコメディということですが、演じる安倍はもがき苦しむ役なので、僕自身も恥も外聞も捨ててやっていきたいと思います」と改めて意気込みを語った。

直木賞受賞の万城目学のデビュー作を舞台化!大群像劇コメディにしたい『鴨川ホルモー、ワンスモア』合同取材会レポート

また、せっかくキャスト4名が揃ったということで、上田が書いた寸劇風のラジオ CM 用の原稿を元に、役として演じてもらうという企画を実施。実際に CM としてニッポン放送でオンエアされるということで、上田の演出にも熱が入る。

「新歓コンパのシーンなので、男性ブランコの 2 人には 10 人分のガヤガヤを出してほしい」「中川さんと八木さんには繊細なやりとりをしてほしい」など細かい指示にしっかり答え、なんと 1 発で OK。しかし、報道陣から笑いが漏れてしまい、上田から「収録だという自覚を持ってもらわないと!」と記者席にも厳しい指導が飛んだ。

2パターン目は、中川が不安だと言っていた鬼語を練習する場面。「鬼語に照れが見える」という理由でリテイクとなったが、その反省を活かして 2 回目でしっかり照れを無くし、バッチリ息の合った掛け合いを見せていた。

ニッポン放送開局70周年記念公演『鴨川ホルモー、ワンスモア』は、4月12日(金)から4月29日(月・祝)まで東京・サンシャイン劇場、5月3日(金・祝)・5月4日(土)に大阪・サンケイホールブリーゼにて上演される。

目次

ニッポン放送開局70周年記念公演『鴨川ホルモー、ワンスモア』公演情報

上演スケジュール

【東京公演】2024年4月12日(金)~4月29日(月・祝) サンシャイン劇場
【大阪公演】2024年5月3日(金・祝)~5月4日(土) サンケイホールブリーゼ

スタッフ・キャスト

【原作】万城目学(「鴨川ホルモー」「ホルモー六景」/角川文庫刊)
【脚本・演出】上田誠(ヨーロッパ企画)

【出演】
中川大輔 八木莉可子 鳥越裕貴 清宮レイ(乃木坂46) 佐藤寛太/
石田剛太 酒井善史 角田貴志 土佐和成 中川晴樹(ヨーロッパ企画)
藤松祥子 片桐美穂 日下七海 ヒロシエリ/
浦井のりひろ(男性ブランコ) 平井まさあき(男性ブランコ) 槙尾ユウスケ(かもめんたる) 岩崎う大(かもめんたる)

あらすじ

2浪したのち京大に入学した安倍が、怪しい先輩の誘いと早良さんへの一目ぼれに任せて入った「京大青竜会」なるサークルは、千年の昔から脈々と続く謎の競技「ホルモー」をするサークルだった。当惑とときめき、疑いつつ練習、そしてこの世ならざる「奴ら」との邂逅。俺たちが開けたのはなんの扉だったろうか。世界の謎よりも魅惑的な彼女の鼻、そして押し寄せるリグレット。
すべては思い返せば喜劇。
鴨川ホルモー、叶うならワンスモア。

公式サイト

【公式サイト】https://event.1242.com/events/kh_oncemore/
【公式X(Twitter)】@2024kh_oncemore

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