すっかり大晦日恒例となった、ヨーロッパ企画のカウントダウンイベントが京都で開催された。今回は「劇団ハイタウン新春興行『石田剛太のマトリョーシカ大作戦!』」と題して、京都の若手劇団たちと共に、例年になく演劇色の強いステージを見せてくれた。その様子を、大量の写真と共にレポート!
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まず始めは例年通り、ヨーロッパ企画の一年を振り返る映像→劇団の10大ニュース発表→出演者全員集合&2015年へのカウントダウンという流れ。ちなみに今年の10大ニュースは、酒井善史の長女誕生などの出来事を抑えて「中川(晴樹)、不運」(でん部骨折、女性との密会を他のメンバーに見られる等)というトピックが1位に輝いた。
続けて、中川晴樹による「ナカリョーシカ」というゲームが行われたが、その最中に石田剛太が突然キレて退場。実は石田は自宅にあるマトリョーシカが自慢のアイテムで、そのプライドを傷つけられたように感じたために怒ってしまったらしい。そんな彼の機嫌を直すために、全員があの手この手で“石田剛太のマトリョーシカ”をヨイショする…というのが、この舞台のコンセプトだ。
皆が考えたそのヨイショの内容は、さすがヨーロッパ企画選りすぐりのゲストたちだけあり、どれも飛び切り個性的。吉川莉早&黒木正浩(黒木組)は一筋縄ではいかないオリジナルゲームで場を温め、THE ROB CARLTONは風格あるミュージカルを披露。
KIKIKIKIKIKIの二人がキュートなダンスを見せたかと思えば、努力クラブは暗黒風味のコントで会場を震撼させた。
夕暮れ社 弱男ユニットは土嚢(どのう)を使ったアクティブな短編で場を沸かせ、さらに男肉 du Soleilはアッパーな小芝居とダンスで客席を最高潮まで盛り上げた。かつてヨーロッパ企画から男肉の舞台に客演した、中川&酒井も一緒に踊り出すというサプライズも!
さらに最後には、石田のマトリョーシカジョークに合わせて全員がよしもと新喜劇のようにずっこけるという、普段のヨーロッパの舞台ではまず見られないベタな落ちが。その直後に、一番小さなマトリョーシカが舞台から飛んでいき、酒井お手製のピタゴラ装置を起動させるというオマケも付き、最後の最後まで楽しませてくれた。
イベント終演後には、会場から歩いて1分の所にある護王神社まで、出演者も観客も一緒になって初詣。その帰りには、ヨーロッパ企画グッズを詰めあわせた福袋が当たるじゃんけん大会も催された。
今年のカウントダウンについて、主宰の上田誠は「面白い劇団にそれぞれの得意技を持ち寄ってもらい、合同公演みたいな感じでやれたのが良かったです。12回目にして、劇団らしいカウントダウンがようやくできたと思う」とコメント。
ヨーロッパ企画の2015年の抱負も聞いてみると「結成から16年も経つと、自分たちの得意技が良くも悪くも見えてしまう。どうなるかわからない珍しい仕事を積極的に受け、自分たちからもそのきっかけを作っていける一年にしたいです」とのこと。新年早々「劇団ならではのカウントダウン」という挑戦を見事にクリアしたこの勢いのままに、いつもよりもチャレンジャーなスタンスで突っ走って行きそうなヨーロッパ企画に、今年も注目だ。
撮影:吉永美和子