本多真弓一人芝居『ほどける双子2024』稽古場レポート!「私はこの女の人が愛しくてたまらないんです」

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本多真弓一人芝居『ほどける双子2024』稽古場レポート!「私はこの女の人が愛しくてたまらないんです」

2024年1月11日(木)より東京・小劇場楽園にて、クレネリZERO FACTORY 本多真弓一人芝居『ほどける双子2024』が開幕する。本作は大岩真理の戯曲で、育児ノイローゼからはい上がれない、出産後の女性を描いたもの。初日を間近に控えた稽古場を取材した。

本多真弓一人芝居『ほどける双子2024』稽古場レポート!「私はこの女の人が愛しくてたまらないんです」

「グッドディスタンス」などで演劇プロデューサーを務めている本多。クレネリZERO FACTORYは、本多と大岩が2001年に立ち上げた演劇ユニットだ。2006年、本多の出産を機に一時活動を休止していたが、2012年に再開し、これまでに11作品を上演してきた。

『ほどける双子』は、大岩が約20年前に日本劇作家協会新人戯曲賞佳作受賞した作品で、2022年に一度、本多が一人芝居として上演している。今回は、演出を劇団道学先生の青山勝が手掛け、気持ち新たに同戯曲にアプローチしている。

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物語は、ある家のリビングの一室で繰り広げられる。育児疲れの妻の機嫌をとるために、オペラを観に行こうと外出の予定を立てる夫。別室で寝ている子どもは、夫婦が病むほど手がかからない。子どもを任されたベビーシッターは、夫婦が出かけたあと、くつろぎながら言いたい放題だ。

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独り言の多いベビーシッターだが、徐々に妙な言動が目立ち始める。何気ない日常に生じる、ちょっとしたズレ。彼女が内包する問題が、物語が進むにつれて増幅していく。果たして、私たちが目にしている物語の真実はどこに――。

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公演に向け、本多は「一人芝居って役者として、とっても贅沢な時間だなぁといつも思います。演出家さんを独占して。稽古時間いっぱいいっぱい自分の稽古ができるなんて。その貴重な時間をぎゅーっと、濃密な時間にするために演出の思考を読み取りこたえていく作業が大好きです。どれくらいこたえることができるかの挑戦。そんな時間を今楽しんでいます」と語る。

本多真弓一人芝居『ほどける双子2024』稽古場レポート!「私はこの女の人が愛しくてたまらないんです」

すでに一人芝居として向き合ったことのある作品だが、本多はとてもフレッシュな気持ちで本作と向き合っているという。長年の演劇仲間であった青山は、そんな役者・本多真弓に興味津々。「一人芝居だけでなく、一度やったことのある芝居にはどうしても過去の色が残ってしまうものなんだけど、彼女の場合はそれがないんですよ。短時間での制作だったので、演出面ではいろいろ注文をして、それに応えてもらっている状態ですが、それだけに彼女の新しい一面が見られる気がします」と、本多のナチュラルボーンぶりを楽しんでいるようだ。

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1時間弱という上演時間の中に、様々な要素がぎゅっと詰め込まれている。人によっては、ミステリー要素やホラー要素も感じられるかもしれない。女性、男性、子どもの有無など、それぞれが置かれている立場によっても、見え方が変わりそうだし、演出家の解釈によっても多様な見せ方ができそうな、不思議な戯曲だ。

戯曲を書いた大岩は、戯曲の選考会で「女の人が普通は書かない、書いちゃいけないような台詞がある、という評をいただいた」そうだが、ギクッとするようなセンシティブな言葉も飛び出す。でも、本当にそれは言ってはいけない、思ってはいけないことなんだろうか。

本多真弓一人芝居『ほどける双子2024』稽古場レポート!「私はこの女の人が愛しくてたまらないんです」

本多は「私はこの女の人が愛しくてたまらないんです」とつぶやいた。出産、育児というブラックボックスの中でもがく女性を観て、導き出される答えはきっと一つじゃない。演劇という時間を共有し、脳のしびれを感じながら地続きの日常へ帰る時間も沁みる作品だ。

クレネリZERO FACTORY 本多真弓一人芝居『ほどける双子2024』は、1月11日(木)から1月14日(日)まで東京・小劇場楽園にて上演される。

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)

目次

クレネリZERO FACTORY 本多真弓一人芝居『ほどける双子2024』公演情報

上演スケジュール

2024年1月11日(木)~14日(日) 東京・小劇場楽園

スタッフ・キャスト

【作】大岩真理
【演出】青山勝
【出演】本多真弓

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この記事を書いた人

ひょんなことから演劇にハマり、いろんな方の芝居・演出を見たくてただだた客席に座り続けて〇年。年間250本ペースで観劇を続けていた結果、気がついたら「エンタステージ」に拾われていた成り上がり系編集部員です。舞台を作るすべての方にリスペクトを持って、いつまでも究極の観客であり続けたい。

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