坂本昌行、桐山照史をライバル認定「伝説作りたい」ミュージカル『キャメロット』製作発表レポート

当ページには広告が含まれています
坂本昌行、桐山照史をライバル認定「伝説作りたい」ミュージカル『キャメロット』製作発表レポート

2023年10月から11月にかけて上演される、ブロードウェイミュージカル『キャメロット』。その製作発表が、8月29日(火)に都内にて行われ、出演者より坂本昌行桐山照史(ジャニーズWEST)、唯月ふうか入野自由今井清隆、演出の宮田恵子が登壇した。

本作は、『マイ・フェア・レディ』の名コンビであるアメリカの脚本家アラン・ジェイ・ラーナーと作曲家フレデリック・ロウが作り上げた名作ミュージカル。1960年に初演されトニー賞4部門を受賞、1967年には同名映画も公開された。アーサー王に関する史実やエピソードには諸説あるが、着眼点を変えてT.H.ホワイトの「永遠の王」を原作に描かれており、日本ではこれが初上演となる。

物語の舞台は、中世イングランドの都キャメロット。アーサー王(坂本)は政略結婚を嫌がり逃げ出したグィネヴィア(唯月)と森の中で出会い、互いの素性を明かさないまま恋に落ちる。

グィネヴィアを王妃として迎えたアーサー王は、武力ではなく法による統治を目指し、皆が対等に話し合える円卓会議を発案。フランス人騎士ランスロット(桐山)は、王に直談判で志願し、その「円卓の騎士」の一員となる。

アーサー王は優れた騎士道精神を持つランスロットに惚れ込み、全幅の信頼を置くようになるが、その裏でランスロットと最愛の妻グィネヴィアが密かに愛し合っていることを知る。二人の幸せを願うものの、自身への裏切りを許すことができず、苦悩するアーサー王。そこに追い打ちをかけるように、隠し子のモルドレッド(入野)が現れ・・・。

坂本昌行、桐山照史をライバル認定「伝説作りたい」ミュージカル『キャメロット』製作発表レポート

会見の冒頭、演出の宮田は「アーサー王は王として見本となるような優れた王ですが、本作で描かれている姿はとっても人間くさいです。愛情と友情のはざまで苦しみ抜きます。素晴らしい理念を持ちながら、一番人間的なところで悩んで、泥くさくぶつかって解決しようとします。人間はなぜ戦うのか、殺し合うのかと問いかけるシーンも出てきます。現代の、今の世界に生きる人間にとっても心に沁みるメッセージが盛り込まれています」と作品の魅力を語った。

さらに「名コンビが生んだミュージカルなので、台詞も素晴らしいですし、なんといっても楽曲が美しいんです。(出演者の)みんなも『毎晩、頭の中でループして寝られない』なんて言っていました。壮大なドラマと美しい楽曲に彩られた、本当に素敵な作品です。そして、坂本さんには悩み狂う姿をたっぷり見せていただこうと、そんな楽しみを抱いています(笑)」と期待を寄せた。

主演を務める坂本は、「僕、王の役を演じるのは初めてなんです。ビジュアル撮影の時に初めて王の衣裳を着せていただいたんですが、『お座りください』と言われても容易に動けなくて。『王って大変なんだな・・・』と思いました」と、お茶目に切り出し、「アーサー王は、悩み、悲しみ、裏切りにもあい、自分の理想郷を求めるがゆえに苦しみます。苦しさもありますが、僕は台本を読んで素敵な終わり方であり、光が見えるような、悲しみや苦しみとは真逆のものも描かれている作品だなと感じました。王としてどれだけ魅力的な立ち居振る舞いができるか、そして人間くささが表現できるか、キャストの皆さんと一丸となって作り上げていきたいと思います」と意気込む。

そして、桐山はミュージカル作品には久しぶりの出演。稽古が始まり、「もうすでにいろいろ苦戦しています(笑)。慶子さんがおっしゃったように、ずっと頭の中で音楽が鳴っています」と言いながら、「ランスロットは、これまでにもいろんな方が演じ、ゲームのキャラクターになったりもしていますが、桐山が演じたランスロットもよかったなと思ってもらえるようにしたいと思います。先輩である坂本くんもいらっしゃいますし、大船に乗った気持ちで。『赤シャツ』でお世話になった慶子さんにいっぱい甘えながら、最後までがんばりたいと思います」と語った。

坂本に続き、「王妃役を演じるのははじめてで、ビジュアル撮影の時に久しぶりにドレスを身にまとうことができてすごくテンションが上がりました。本番でもいろいろな衣裳を着ることができると思うと、今からすごく楽しみです」と切り出した唯月。「お稽古を通して、新たな発見があり、もっとこうしたいという気持ちが芽生えているので、しっかりと役と向き合って、エネルギッシュにアーサーを支える妻として存在できるようにがんばります。感情の起伏が激しい役なんですが、私、私生活では“怒”がない人間なので、そこがちょっと大変かもしれないです・・・(宮田に)よろしくお願いします!」と笑顔を見せた。

これに、入野も「僕は初めての“隠し子”役です。みんなが積み上げてきたものをぶち壊していく役目なので、かき回して、最終的にキャストの皆さんにも、お客様にも、イヤな気持になって帰っていただきたいと思います(笑)」と乗っかり、一同大笑い。

また、坂本とは以前、声優として主演を務めたアニメの主題歌を担当してもらっていたという縁があり、「さっき、楽屋でその話をしていて。すごく嬉しかったです。役柄的には嫌われないといけないんですけど」と、密かに喜んでいた。

そして、辺境の騎士ぺリノア役の今井は「私は、もうずいぶん昔からこの作品のことは知っていました。なので、日本初演のオリジナルキャストに選んでいただて非常に嬉しく思っています」と喜びを露わに。一方で、「ぺリノアは、アーサー王の親友であり、最後まで重臣のように付き添っていく男ですが、台本を見るとかなりおじいさんなしゃべり方をしているんですね。宮田さんに『かなりのおじいさんっぽく作った方がいいんですかね?』とお聞きしたら、『そのままで結構です』と言われたのがちょっとショックでした(笑)。若い方々に介護されながら、心に残る素敵な作品を作っていきたいです」と笑いを取っていった(宮田は大爆笑)。

古典の名作ミュージカルの一つということで、一同、オファーを受けた時は「日本初演」であることに驚いたようだ。また、坂本は「演出に“宮田慶子”の名前があったので、台本を読む前にそれでOKだなと思いました」と振り返った。桐山も「ちょうどお話をいただいたのが、慶子さんとご一緒していた『赤シャツ』の時だったんです。演出が慶子さんで主演が坂本くんであると聞いて、その場ですぐにやりたいと言ったことを覚えています。台本を読んで、キャラクター一人一人が際立っていてすぐイメージが浮かんだので、早く稽古したいなと思っていました」と、これまでの経験が繋がっていることを明かした。

一方で、桐山は「周りがミュージカルに出まくられている方々なので、苦労しています。本読みも、歌唱ありでやったんですよ。もう記憶がないんです。坂本くんが横にいるし、すごく萎縮してしまいました」と恐縮していた。しかし、坂本は「ハードル下げていますけど、皆さん、大丈夫ですよ」とニヤニヤ。

以前、ラジオで「ライバルは誰か?」というトークの中で、坂本はデビュー前の桐山の名前を挙げていたという。それをたまたま聞いていたという桐山は「覚えてくださっているだけでも嬉しかったのに、ライバルに名前を挙げていただけたことが嬉しくて。いつか共演したいとずっと思っていたので、念願叶いました」とコメントした。

これに対し、坂本は「ちょっと盛った」と茶化しながら、「舞台で観た時に、素晴らしい後輩だなと思ったんですよ。当時はまだそんなに経験もなかったと思うけど、のちのちライバルになってほしい、なるであろうという意味で、名前を出させてもらいました。ライバルは絶対に必要ですし、特に後輩が同じ場所に立ってくれることはいい意味でプレッシャーになり、僕も成長できるなと思うので。これからもいろんな後輩に、舞台に出ていただいて共演したいなと思っています」とその想いを吐露した。

二人の念願の共演は、「円卓の騎士」であり、一人の女性を挟んだ恋敵という役柄。その間に立つ唯月は「坂本さんは何度か舞台を拝見していたのですが、いつも発光しているみたいにキラキラしていて・・・。隣にいて恥ずかしくないようにしっかりお芝居しますので、甘えられるところは甘えさせてください」、「桐山さんは、ある番組収録の時に廊下ですれ違った時に、すごく明るく『よろしくね!』って声をかけてくださったんです。作品の中では恋をしていく相手なので・・・よろしくお願いします!」とそれぞれに語り掛けた。

最後に、坂本は「日本初演を任されたことは、大きなものを課されたと思っております。公演を成功させて、我々の伝説も作っていきたいと思います」と大きな目標を掲げ、会見を締めくくった。

ブロードウェイミュージカル『キャメロット』は、10月7日(土)から10月28日(土)まで東京・日生劇場、11月4日(土)から11月20日(月)まで大阪・大阪松竹座にて上演される。チケットは、9月3日(日)10:00より一般発売開始。

CAMELOT is presented through special arrangement with Music Theatre International (MTI), New York, NY, USA.
All authorized performance

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)







坂本昌行、桐山照史をライバル認定「伝説作りたい」ミュージカル『キャメロット』製作発表レポート

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ひょんなことから演劇にハマり、いろんな方の芝居・演出を見たくてただだた客席に座り続けて〇年。年間250本ペースで観劇を続けていた結果、気がついたら「エンタステージ」に拾われていた成り上がり系編集部員です。舞台を作るすべての方にリスペクトを持って、いつまでも究極の観客であり続けたい。

目次