2023年2月8日(水)より、PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『笑の大学』の上演が決定した。本作は、三谷幸喜の傑作二人芝居。ファンの中でも特に人気の高い作品であるのにも関わらず、1998年以来1度も日本で公演が行われてこなかった伝説的舞台が、四半世紀ぶりに内野聖陽と瀬戸康史の組み合わせで蘇る。
PARCO劇場は、2023年に開場50周年を迎える。三谷は、1994年よりほぼ毎年PARCO劇場をホームグラウンドに数々の名作を発表してきた。40周年記念公演で『ホロヴィッツとの対話』『国民の映画』、2020年リニューアルオープン時の記念シリーズでは、三谷文楽『其礼成心中』、PARCO MUSIC STAGE『三谷幸喜のショーガール』、『大地(Social Distancing Version)』などを上演。PARCO劇場の節目を飾ってきた三谷が、今回選んだのが、この『笑の大学』だ。
1996年にパルコ・プロデュース公演として青山円形劇場で初演された本作は、第2回読売演劇大賞で「最優秀作品賞」を受賞し、1998年にPARCO劇場にてアンコール公演が行われた。ロシア語、韓国語、中国語、フランス語にも翻訳され、海外で上演され続けているが、日本では、1998年以来、1度も上演されていない。
物語の舞台は、戦争色が濃厚になる昭和15年。登場人物は、警視庁検閲係・向坂睦男(さきさかむつお)と劇団「笑の大学」座付作家・椿一(つばきはじめ)。非常時に喜劇など断じて許さないとする向坂は、上演中止に追い込もうと執拗なまでの注文を繰り返す。しかしなんとか上演許可をもらいたい椿は、向坂が要求する無理難題を逆手に取りながら、あくまで真正面からの書き直しに挑戦する。警視庁の取調室を舞台に、相対する男二人のドラマが繰り広げられる。
検閲官・向坂睦男役の内野は、NHK大河ドラマ『真田丸』、舞台『おのれナポレオン』などの三谷作品に出演。劇団「笑の大学」の座付作家・椿一役の瀬戸は、ミュージカル『日本の歴史』、そして現在放送されている大河ドラマ『鎌倉殿の13人』と三谷作品に出演中だ。
三谷が「『笑の大学』は大好きな作品。だからこそ、託したい俳優さんに出会うまで再演はしないと決めていました。内野さんの『向坂』が見たいと思った時から、今回のプロジェクトは始まりました。そして瀬戸さんは今の僕が最も頼りにしている俳優さんの一人。この二人で『笑の大学』を上演できるというのは、僕にとって最高の喜びです」と絶大な信頼を寄せる中、ついに傑作が再び日の目を見ることとなった。なお、本作を三谷自身の手で演出するのは、これが初となる。
PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『笑の大学』は、2023年2月8日(水)から3月5日(日)まで東京・PARCO劇場にて上演後、新潟・長野・大阪・福岡・宮城・兵庫・沖縄を巡演する。
なお、本作は映画化もされているほか、初演(出演:西村雅彦・近藤芳正)の舞台映像が2005年の上演時から10年を経てDVD化されている。気になる方は、ぜひこちらもチェックを。
コメント紹介
◆三谷幸喜(作・演出)
『笑の大学』は大好きな作品。だからこそ、託したい俳優さんに出会うまで再演はしないと決めていました。内野さんの「向坂」が見たいと思った時から、今回のプロジェクトは始まりました。そして瀬戸さんは今の僕が最も頼りにしている俳優さんの一人。この二人で『笑の大学』を上演できるというのは、僕にとって最高の喜びです。
今まで待った甲斐がありました。今回初めて観る方も、以前ご覧になった方も、新しく生まれ変わる『笑の大学』にきっと満足して頂けると思っています。この作品でPARCO劇場開場50周年記念シリーズに参加できることを、僕はとても嬉しく思っています。なんと言ってもこの劇場は、自分を育ててくれた大切な場所ですから。
◆内野聖陽
25年前の、脚本家三谷さんの素晴らしい戯曲と、25年後の、演出家三谷さんとのお仕事なんて、一度に2度美味しい思いができる、こんな素晴らしく贅沢なことはありません。
ボクがこの本で素敵だなって感じることがいっぱいあって、顔の筋肉が緩んでしまう瞬間もたくさんあって、声を出して笑ってしまうところもたくさんあって、涙腺が緩んでしまうときもあって、そんな素敵なものを、いっぱいいっぱい舞台の上に花開かせたいと思っています。気鋭の若手、瀬戸康史くんとのセッションもとても楽しみです。皆さんどうぞご期待して待っていてください。
お稽古励みます!
◆瀬戸康史
まず、舞台版と映画版を観た時に、演じる人物によってこんなに印象が違うのだと驚いたのを覚えています。それは、登場人物がほぼほぼ二人しかいないからでしょう。その二人の俳優が持つ性質が空間を支配して、ダイレクトに観客に伝わる感じ。でも、それが気持ちの悪い生々しさではなく、どこかクセになる生々しさなんですよね。ずっとこの二人の掛け合いを見ていたいと思わせる三谷幸喜さんの力・・・とんでもないです。内野さんとは今回初共演で、まだまだ謎だらけです。なので今は、優しい人かな?怖い人だったらどうしよう。と、まるで検閲官にどきどきしながら対峙する作家のような気持ちです(笑)。
二人芝居も初めてなので、とにかく新鮮さを大切に、相手からのエネルギーをいくらでも受け取れる心の余裕を持って、楽しんで演じられればと思います。
PARCO劇場開場50周年記念シリーズ
『笑の大学』公演情報
上演スケジュール・チケット
【東京公演】2023年2月8日(水)~3月5日(日) PARCO劇場
【新潟公演】2023年3月11日(土)・3月12日(日) りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場
【長野公演】2023年3月18日(土)・3月19日(日) まつもと市民芸術館主ホール
【大阪公演】2023年3月23日(木)~3月26日(日) サンケイホールブリーゼ
【福岡公演】2023年3月30日(木)~4月2日(日) キャナルシティ劇場
【宮城公演】2023年4月6日(木)~4月9日(日) 電力ホール
【兵庫公演】2023年4月13日(木)~4月16日(日) 県立芸術文化センター阪急 中ホール
【沖縄公演】2023年4月20日(木)・4月21日(金) 那覇文化芸術劇場なはーと
<チケット>
【東京公演一般発売】2023年1月7日(土)~
スタッフ・キャスト
【作・演出】三谷幸喜
【出演】
内野聖陽 瀬戸康史