『ワールドトリガー The Stage』大規模侵攻編の東京公演は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け途中中止となりました。
今後の京都公演に関しては、公式HPにて最新情報をご確認ください。
https://www.marv.jp/special/s-wt/
2022年8月5日(金)に満を持して開幕した『ワールドトリガー the Stage』大規模侵攻編。さらに進化した“フィジカライブ”を目指すワーステ第2弾について、空閑遊真 役の植田圭輔と三雲 修 役の溝口琢矢に話を聞いた。第1弾からW主演を務める2人が語る、演出を手掛ける中屋敷法仁とのセッション、第2弾ならではの見どころとは?
(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)
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▶2022年8月21日(日)12:30 公演(前楽)
▶2022年8月21日(日)17:30公演(大千秋楽)
▶2022年8月21日(日)2公演FULLセット
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――ワーステ第2弾ということで、続編への出演が決まった時のことを振り返っていただけますか?
溝口:原作が長く続いている作品ですから、初演から続編を見越していた部分もありました。だからといって「次があるから」といった気持ちで第1弾をやっていたわけではないので、第1弾が成功して、改めて「続編やります」とお知らせをいただいた時は嬉しかったですね。考えるまでもなく二つ返事で「やりましょう!」だったんですが、一応「(W主演の)お相手は圭輔くんですよね?」って確認はしました(笑)。
植田:わざわざ確認したの(笑)。
溝口:大前提であり、最重要事項だったので(笑)。そこがぶれなければワーステは続く!と思っているので、何も気にせず、原作を改めてしっかり読み直して準備をしていました。
植田:僕は、まず嬉しかったということと・・・次に、人数増えたなって思いました(笑)。
溝口:確かに(笑)。
植田:僕、この「大規模侵攻編」が原作の中でも特に好きなエピソードなんですよ。役者としてもですけど、単純に男子としてたまらない話なので。失敗も成長も、涙も、仲間との絆も、心を揺さぶる要素が全部詰まっているから。 読みながら普通に泣いちゃったこともあったので。だから、それを僕たちで演劇としてやるとどうなるんだろうって、みんなのことを思いながら想像する時間がすごく楽しかったです。
――第1弾を終えて、改めて原作を読む時、少し印象が変わったりしましたか?
溝口:第1弾をやる前は、舞台でどう表現するんだろう?って思う気持ちが強かったです。僕は2.5次元舞台にもまだ不慣れな部分が多かったので、中屋敷さんはこれをどうやって演出なさるんだろうとか、例えば「ベイルアウト」はどうやって表現するんだろう?とか、いらぬ不安と期待を抱えて読んでいました。第1弾を経験した今は、余計なことは考えずに読むことができましたね。
植田:僕は何にも変わりないです。ポイントごとに「どういう仕草をしてるかな」とかは、気にして見たりしますけど。それはほんとに勉強のためなので。読む時は、改めて作品を楽しむだけです。
――では、それぞれ演じるキャラクターと共通点を感じるところはありますか?
溝口:僕と三雲修の共通点は・・・頑固さですかね。最近、僕も大概頑固だなあって特に思うようになったんですけど。でも、譲れない部分では頑固であっていいんだなということを、『ワールドトリガー』を読んでいて改めて思いました。
植田:より頑固になったかもしれないね。
溝口:一時期、頑固なのは良くないかなと思う部分もあったんですけど、でも、自分の中で確固たる言葉にできるものがあって、それを相手に伝えられるのであれば、そういう頑固さは大事にしていいのかなと思いました。
植田:遊真のサイドエフェクトは「嘘を見抜く」ですけど、僕も結構人の嘘を見抜く能力には長けているかなと思います。でも、こんなかわいくは生きられない(笑)。遊真に共感するところであり、尊敬しています。
――では、第1弾を経て、お互いの印象に変化はありましたか?
溝口:前回は、初共演ではないけれど、がっつり共演は初めて、という状態で。そうだなあ・・・いい意味で、初めてお会いした時と全然変わっていないかも。
植田:初めて会ったのって、ゲストで出た時だよね?
溝口:そうです。僕が出演していた舞台(『劇団アニメ座ハイブリット―舞台俳優は伊達じゃない!―』)に、圭輔くんがゲストのお一人として来てくださったんですよ。ゲストだったんですけど、ゲストがしゃべる分量じゃない台詞を与えられていて・・・しかも、リハーサルもなしっていう(笑)。
カンペを持っていただいてもいいです、と言われているところを、「あ、そういう感じですか。じゃあ覚えてやります」って、さらっと対応されていて。普通、そんなことできないんですよ。(台本を)渡されてすぐ覚えてください、はい本番!なんて。それを見て「この人はめちゃくちゃ裏でやってきている人だ・・・!」って思ったのが強く印象に残っています。
前回も今回も、あんまり見たことないですもん。稽古場で、一生懸命台本見て台詞を覚えている姿。もちろん、稽古場で台本見て覚えることがダメなわけじゃないですよ!でも、圭輔くんはもう全部入れてきてから稽古場に来るから、背中でどんどん見せていくんです。その背中がすごくかっこよかったし、今もまったくイメージは変わっていません。・・・これ、本人の前で言うのちょっと恥ずかしいですね(笑)。
植田:(笑)。僕はね、逆転したかも。今はね、琢矢はすげぇうるさいヤツだなと思っているんですよ。最初の頃は、賢いイメージで、プレイヤーとしてもそうなのかなって勝手に想像していたんですけど、全然逆だった。ともすれば、結構自分に近い感性で芝居をするヤツだなと。多分、頭では簡単にたどり着けないようなところで芝居を求めてる役者なんだなと、一緒にがっつりやってみて印象が変わりました。でも、うるさいっす(笑)。
溝口:そんなこと言わないでくださいよ(笑)!
植田:今回、鯨井くん(鯨井康介)がいないから、琢矢の相手をする人がいないんですよ。話し出すと長いし(笑)。何回うるさいって言ったかな~。
溝口:健介くん(高橋健介)はもう何も言ってくれないです。
植田:アイツは一緒にいすぎて諦めたんだよ(笑)。
溝口:感覚が麻痺してきてるんですよ。もう僕に毒されてる(笑)。あ~、誰かツッコんでくれないかな・・・。
植田:多分無理よ(笑)。
――今回は声の出演ですけど、求:鯨井さん、ですね(笑)。
溝口:そうですね~!僕、鯨井さんにLINE送りましたよ。「いつ来てくれますか~?」「来ないですか?」「いいんですよ、声だけの出演だけじゃなくても」って。そうしたら、「それどころじゃないんだよ!」って返事がきました。
植田:あの人も忙しいんだよ(笑)!
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――本作は、フィジカライブと掲げていますが、現場ではどんなセッションが行われていますか?
溝口:振り入れと殺陣の確認をひたすら繰り返しています。同時並行でお芝居をやっているから、きつい(笑)。僕、ずっとワープとかかっこいいなとか思ってたんですよ。でも、これを現実世界で表現しようとすると・・・(笑)。
植田:公演期間通して体力持つんかな・・・って正直心配してる(笑)。
溝口:でも、公演数が多いってことはそれぐらい多くの人に観てもらいたいって制作陣の皆さんが動いてくださっているってことですもんね。誰もが自信持って観ていただきたいって思っているので。
植田:人のシーン観てるとおもしろいよね。
溝口:「アフトクラトル」の登場シーンとか、しびれますよ!玉狛支部も、もちろん玉狛第2の成長もそうですが、新キャストの方々が持ってくる圧!これは楽しみにしていただきたいです。
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――溝口さんは、前回が初めての中屋敷さん演出でしたがいかがでしたか?
溝口:驚きの連続でした。映像とお芝居をリンクさせるというのも初めての経験だったので。「ここはふわっと跳ぶだけでこの映像とリンクするから問題ない」と言われても、僕はそれが感覚としてなかなか掴めなくて。中屋敷さんに「大丈夫でしょうか?」って聞くんですけど、「大丈夫、大丈夫」としか言われなくて・・・「大丈夫」という言葉が一番不安でした(笑)。
植田:やしきさん、基本的に何か思ってもすぐに口に出したりはしないんだよね。
溝口:大人の言う「大丈夫」って、基本的に大丈夫じゃないじゃないですか。圭輔くんは中屋敷さんのやり方を全部分かってるから「屋敷さん。これってこうですか?」「そうそう、そんな感じで」「わかりました」ぐらいの軽い感じでやり取りをしていたので、「今ので分かるの?!」「そのやり取りだけでいいの?!」って驚きつつ、だんだんと「中屋敷さんのおっしゃる“大丈夫”は本当に大丈夫なんだ」「この『ちょっと確認しようか』は、結構ちゃんと確認した方がいいことなんだな」とか、少しずつ学んでいきましたね。初めてご一緒したので、僕も手探りでしたが、中屋敷さんも溝口琢矢がどんな人間なのか分からずだったと思うので、お互いに手探りしながら慣れてきたと思います。
溝口:今はそうですね、映像で見て、あ、こうなってたんだ、とかは。もちろん、あらかじめ自分の映像はもちろん見てますけど、本番は見られないので。でも、今は中屋敷さんが自信もって大丈夫だっておっしゃることに対しては、僕も自信もって、あ、大丈夫なんだって、安心できるようにはなってると思います。
――植田さんは、中屋敷さんとはもうよくご存知の間柄だと思いますが・・・。
植田:琢矢が最初に思ったことって、ほんとに当たり前のことなんだよね。でも、何か忘れていたり、“大丈夫”じゃない時は絶対に「大丈夫」とは言わない。大丈夫なことしか大丈夫って言わない人だから、という信頼はありますね。
中屋敷さんって、多分、生きてる時間の流れが早い人なんだと思う。しゃべる時もスピードが早くて、大概の人は最初聞き取れないぐらいですから(笑)。僕はその辺りももう分かってしまうので「今、こういうことを言っていたよ」って中継したりするんですけど。
――稽古場での中屋敷さんを拝見したことがあるのですが、ご自身の中にきちんと積み上がっていくものがあるんだなと思いました。
溝口:中屋敷さん、いくつ目を持っているのかな?と思うんですが、稽古場全体と、目の前に置いたパソコンに映した映像と、セットの模型を並べて見ているんですよ。僕らが今やってる芝居に、どういう映像が流れて、セットのどこにいて、どうリンクするのか。それが合致した瞬間なのか、時々「よっしゃ!よっしゃ!」みたいな感じで子どもみたいにテンションを上げていて、それを見た時「この人最高だな!」って思いましたね。
植田:『ワーステ』は、どういうテンポで、どういう台詞運びをしてほしいのか、それが中屋敷さんのイメージにハマった時、今、琢矢が言ったような行動が出ますね。あの人、稽古を見ながら自分でも台詞も心の中で言ってるんですよ。それもだいぶ早いテンポで。そこで間を取ってほしい!と思っている瞬間は、結構大きめの指パッチンが鳴ります。その指パッチンのタイミングを外した時は「今の間はやしきさんの思うタイミングじゃないんだ」って思うんですよね。
溝口:確かに!やってる!
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――中屋敷さんと皆さんの言葉のないセッションの結果が、楽しみです(笑)。ぜひ、お2人が個人的に本作の見どころだと感じていることを教えていただけますか?
溝口:三雲は、最後の方にすごい見せ場があります!これだけはどうしても伝えておきたかった(笑)。でも全員にめちゃくちゃ見せ場があります。第1弾に出ていた人も、新たなチャレンジをたくさんしているので。前回出し尽くしたでしょって自分に対して思ってたんですけど、全然まだまだでした。まだまだできるって思うから、自分に対しても期待してますし、ぜひ全体的なグレードアップを期待してもらえたら嬉しいです。
植田:戦いはやっぱり「数が多い方が基本的に有利」って、遊真が言ってるんですが、まさしくそうです。絶対的強者の“個”に対して“総合力”で上回るには、いろんな条件が重ならないと実現しませんが、ボーダーにはそういう集団力があるので、楽しみにしていてほしいです。それから、戦い以外の心の動きも色濃く出ていると思います。アクションやダンスといった華やかさも目を引くと思いますけど“総合力”で勝る作品になったらいいなと思っています。
個人的には、今回は結構ガチモードな時間が長いです。前回は割とポヤポヤしている遊真の余裕を見せる部分も多かったんですが、ここからはキリッとした部分が増えていくんですよ。アニメを見ていて、声優さんも演じ方を変えていらっしゃるのかなと思ったし、原作の絵の目のつり上がり方も変わってきたなと思いましたし。そういう変化を大事にしつつ、遊真も三雲も「ジャンプ作品の主人公です!」感を大事に見せれたらなと思います。
――第2弾からご覧になる方も、配信でご覧になる方もいらっしゃると思うので、それぞれメッセージをお願いします。
溝口:ワーステは、原作を知らなくても、本能的に絶対おもしろいと思っていただける舞台だと思います!
植田:おお、哲学的だね。
溝口:例え言葉が理解できなくても、おもしろく感じてもらえると思います。いい意味で裏切ることはあっても、悪い風に裏切ることは絶対にない。ぜひ、楽しみにしていただけたらと思います!
植田:最近の配信映像って、本当にすごくて。撮影スタッフの皆さんもめちゃくちゃ作品のことを勉強して来てくれるんですよ。きっと、今回も何をどう表現してるのか汲んでくれた上での映像になっていると思うし、細かな表情やフォーメーションなど、芝居の良いところをさらにクローズアップしていただけると思うので、それぞれの場所でお楽しみください!
『ワールドトリガー the Stage』大規模侵攻編
上演スケジュール
【東京公演】2022年8月5日(金)~8月14日(日) 品川プリンスホテル ステラボール
※8月7日(日)17:30公演~8月14日(日)の公演は中止となりました
【京都公演】2022年8月19日(金)~8月21日(日) 京都劇場
スタッフ・キャスト
【原作】「ワールドトリガー」葦原大介(集英社「ジャンプSQ.」連載/ジャンプ コミックス刊)
【脚本・演出】中屋敷法仁
【音楽】GIRA MUNDO
【振付】天野一輝/野田裕貴(梅棒)、泰智(KoRocK)
【出演】
空閑遊真役:植田圭輔 三雲 修役:溝口琢矢
雨取千佳役:其原有沙 迅 悠一役:高橋健介 木崎レイジ役:田鶴翔吾 小南桐絵役:浜浦彩乃 烏丸京介役:田村心
太刀川 慶役:近藤頌利 出水公平役:飯山裕太 風間蒼也役:廣野凌大 歌川遼役:奥野 翼 菊地原士郎役:宮尾 颯
緑川 駿役:高橋陸人 嵐山 准役:小南光司 木虎 藍役:河内美里 三輪秀次役:櫻井圭登 米屋陽介役:鐘ヶ江 洸
奈良坂 透役:結城伽寿也 古寺章平役:佐藤志有 城戸正宗役:早乙女じょうじ
ハイレイン役:中村誠治郎 エネドラ役:丸山龍星 ランバネイン役:新井 將
ヴィザ役:根本正勝 ヒュース役:阪本奨悟 ミラ役:松葉朋実
<声の出演>
宇佐美 栞役:茜屋日海夏 レプリカ・林藤 匠役:鯨井康介
ライブ配信
東京公演2日目、京都大千秋楽公演ライブ配信実施決定!
【対象公演】
東京:8月6日(土)12:30公演(全景映像)/8月6日(土)17:30公演(スイッチング映像)
京都:8月21日(日)12:30公演(全景映像)/8月21日(日)17:30公演(スイッチング映像)
<8月6日(土)東京2日目>
【公式サイト】https://www.marv.jp/special/s-wt/
【公式Twitter】@W_Trigger_Stage
(C) 葦原大介/集英社 (C)『ワールドトリガー the Stage』製作委員会