2023年3月にミュージカル『ジキル&ハイド』が再演されることが発表された。今回は、石丸幹二と柿澤勇人がWキャストで主演を務めることも決まっている。2012年から10年にわたり本作を率いてきた石丸幹二は今回が“最後の変身”になるという。
本作は、イギリスの冒険小説家R・L・スティーブンソンが手がけた不朽の名作「ジキル博士とハイド氏」をベースに、人間が持つ内面の「表と裏」「光と影」を描いた人気ミュージカル。レスリー・ブリカッスが脚本と作詞を、フランク・ワイルドホーンが作曲を手がけている。日本では2001年に初演。時代によってキャストを変えながら17年目に渡り愛されてきた人気作品だ。
石丸は、初代の鹿賀丈史(2001年の日本初演から2007年まで4回にわたって主演)の跡を継ぎ、2代目として新演出でミュージカル界屈指の難役に臨んだ。その後、2016年、2018年の再演を経て、唯一無二のジキル/ハイド像を構築、高い評価を得てきたが、4度目の今回、“最後の変身”に臨む。そして、新たに3代目として柿澤勇人がWキャストとして大作に挑むことになった。
苦悩するジキル、凶暴なハイド相反する二つの人格を歌唱と演技で見事に体現してきた石丸の集大成と、ダイナミックなエネルギーと繊細さな演技で観客を魅了してきた柿澤がどのような『ジキル&ハイド』を作り上げていくのかに注目だ。
あらすじ
19世紀のロンドン。医師であり科学者であるヘンリー・ジキル(石丸幹二/柿澤勇人)は、「人間の善と悪の両極端の性格を分離できれば、人間のあらゆる悪を制御し、最終的には消し去ることが出来る」という仮説を立て、研究は作り上げた薬を生きた人間で試してみる段階にまで到達した。ジキルはこの研究に対して病院の理事会で人体実験の承諾を得ようとするが、理事たちはこれを神への冒涜だと拒絶する。ジキルの婚約者エマの父親であるダンヴァース卿のとりなしもむなしく、理事会はジキルの要請を却下。ジキルは親友の弁護士アターソンに怒りをぶつける。理事会の連中はみんな偽善者だと。
上流階級の社交場からジキルとアターソンは抜け出し、たどり着いたのは場末の売春宿「どん底」。男どもの歓声の中から、娼婦ルーシーが現れる。「(私を)自分で試してみれば?」というルーシーの言葉に天啓を受けたジキルは、アターソンの再三にわたる忠告にもかかわらず、薬の調合を始める。赤くきらめく調合液。ジキルはひとり乾杯し、飲み干した。全身を貫く激しい痛み―息も絶え絶え、苦痛に悶えるジキル。腰が曲がり、声はかすれ、まるで獣―この反応は一体何なのか!そしてとうとう、ハイドが現れる。
その頃、街では、次々とむごたらしい殺人が発生。謎に満ちた、恐怖の連続殺人事件にロンドン中が凍りつく。犯人は、ハイドなのか。果たしてジキルの運命はいかに。
ひとつの体に宿った二つの魂“ジキル”と“ハイド”の死闘は、破滅へ向けて驚くべき速さで転げ落ちて行く・・・
ミュージカル『ジキル&ハイド』公演情報
スケジュール
2023年3月上演予定
スタッフ・キャスト
【音楽】フランク・ワイルドホーン
【脚本・詞】レスリー・ブリカッス
【演出】山田和也
【上演台本・詞】高平哲郎
【キャスト】
ヘンリー・ジキル/エドワード・ハイド:石丸幹二柿澤勇人(Wキャスト)
ほか