「美しく世代交代を」古田新太、天海祐希ら集結!劇団☆新感線『薔薇とサムライ2』製作発表レポート


2022年9月から11月にかけて上演される、2022年劇団☆新感線42周年興行・秋公演SHINKANSEN☆RX『薔薇とサムライ2―海賊女王の帰還―』。その製作発表が7月18日(月・祝)に行われ、古田新太、天海祐希、石田ニコル、神尾楓珠、高田聖子、粟根まこと、森奈みはる、早乙女友貴、西垣匠、生瀬勝久、作の中島かずき、演出のいのうえひでのりが登壇した。

本作は、2010年に上演された『薔薇とサムライ~GoemonRock OverDrive~』(以下、薔薇サム)の続編であり、新感線の大人気シリーズ『五右衛門ロック』のスピンオフ作品。4年ぶりの生バンドを入れた“音モノ”Rシリーズとして、五右衛門とアンヌの冒険譚を再び描く。

劇団☆新感線の座付き作家である中島は「薔薇サムの2が企画として成立するのも、新感線の長い歴史の中でキャラクターが生き続けているからなんだなと、ありがたく思っています。賑やかで元気の出る舞台になれば」。約12年、寝かせた形となった薔薇サム2が実現したのは「プロデューサーから『私が見たい』という強権が発動されたから(笑)」と笑いながら、「続編となっていますが、これ一本でみても楽しめるようになっています」と説明した。

演出を手掛ける主宰・いのうえは「天海姉さんは、だいたい4年ぐらいのローテーションで新感線に出てくれているんですよね。前回は髑髏城(『修羅天魔~髑髏城の七人 Season極』)だったので、次は明るく楽しいものがいい、じゃあ薔薇サム2がいい、となりました。新感線としても、久しぶりに生のバンドが入る音楽劇なので、スカッとした楽しいものになると思います。そして、お話の縦軸には“世代交代”が流れているので、フレッシュな俳優陣の活躍が楽しみです」と語った。

新感線の看板俳優・古田は、おなじみのキャラクターとなった五右衛門について「もう5回目なんですね、すっかり飽きています」と言いながら、「今回の楽しみは、初共演の若い衆とやれること。そして生バンドでやれること。ダイブとかモッシュとか、客いじりもやっていきたいと今は思っています」と古田節で挨拶。

そして、天海は「声をかけていただいた時、本当は毛色の違うものを・・・と思ったんですが、こういうご時世ですから、パッと明るく元気になれるものがいいと。薔薇サム2と聞いた時は、そりゃそうですよね、となりました(笑)。私もアンヌに会えることが楽しみで、ワクワクしています」と心境を言葉にした。

初参加の石田は「お話をいただいたのは突然のことでもありましたし、びっくりはしたのですが、とても楽しみにしていました。台本をいただいたら分厚くて!どうしようと思いつつ、天海さんとご一緒できることが嬉しくて・・・本読みではマスクの下でニヤニヤしてしまいました」と告白。これを聞いた天海は「・・・ちゃんとします!」と背筋を伸ばしていた。

同じく、初参加の神尾は「僕はこれまで映像のお仕事が多く、舞台は3年前に一度やらせていただいただけだったので、まさか2回目で新感線に参加させていただけるとは思っていませんでした。縁がないだろうと思っていたので、お話をいただいた時は驚きました。嬉しかったんですが不安の方が大きくて、まだ不安しかないんですが、大先輩方の背中を見てがんばっていけたら。普段ロックがすごく好きなので、本番でどういう気持ちになるのかは楽しみです」とコメント。

新感線初参加だけでなく、初舞台となるのは西垣。「そうそうたる先輩方とご一緒できることが光栄で、観客として楽しませていただいていた新感線が初舞台というのはこの上ない幸せです。右も左も分からないのですが、がむしゃらに先輩についていきたいと思います。僕は学生時代にずっとフェンシングをやっていたので、この作品で活かせるんじゃないかと」と挨拶した。

初舞台が新感線ということについて、古田から「初めての人とか、あまり舞台の経験がない人は非常にやりやすいと思いますよ。演出家が、動きから声のトーンまで全部つけてくれるので、それを真似してやるだけで成立できる。あとはそこに、どれだけ自分の気持ちを乗せられるか。指導がいっぱい入るから、非常に楽しいと思いますよ」と告げられたことで、西垣の顔からはほっと笑みがこぼれた。

若手の中でも新感線出演回数が多く、準劇団員化しつつある早乙女は、「ありがたいことに新感線4作目で、まさかの4年連続です。お話をいただいた時は、逆にいいんですか?と言ってしまったんですが、とてもありがたいことで。念願だった古田先輩と共演できること、17歳の時に初共演させていただいた天海さんとまた一緒に板の上に立てることを楽しみにしております」と喜びをあらわに。

一方、劇団員の高田は「薔薇サムですから、歌あり、踊りあり、アクションあり、ポロリも・・・あるかもしれません(笑)。いつもの皆さんとは『ああ、これこれ!』となり、初めて参加される方は新しい風は吹きこんでくれそうです」とニヤリ。

粟根も「年齢格差がありすぎるカンパニーですが、にぎやかな人たちが多いですし、4年ぶりの生バンド芝居でもあるので、明るくできればいいなと思っています」と語った。

古田・高田・粟根が揃うのは3年ぶりとなり、粟根が「五右衛門と再会するというか、古田と会うのも久しぶりで、相変わらずの距離感だったり、温度感だったり。世代交代という話が出てきましたが、戦うシーンでも世代交代が起こっています。我々は・・・戦わない(笑)」と明かすと、高田も「逃げる係です」と同調。

新感線にはお久しぶりの登場となる森奈は、第1弾にも出演しており、役どころはアンヌの教育係から内務大臣へ。「かなりえらくなりました(笑)。息子もおりまして、立派に成長しております。そのあたりもお楽しみにいただけたらと思います」とコメント。そして「新感線では毎日いただく課題を『その日のうちにやれ』と言われるのが、大変でもあり楽しくもあります。台本を忘れたり、舞台上で何かやらかしてしまうと、罰ゲームもあるんですよ。皆さんお気をつけて・・・」と初参加の面々に忠告していた(罰ゲームの内容については「ご想像にお任せします」とのこと)。

そして、新感線2度目の参加となる生瀬は「この2年間、一度中止になってしまった舞台以外、舞台に出ることがなかったんです。天海さんとは映像では何度もご一緒していますが舞台は初めて。一生懸命やります」と言いつつ、「古田くんとは・・・ちょっとやりたくないんですけど(笑)」と冗談を飛ばす。これに、古田も「私もです」と応戦していた。ベテラン勢の競演が楽しみだ。

製作発表の前には本読みも行われていたようで、天海は「12年ぶりで、読み合わせも楽しかったです。あ~、これこれ!っという感じで、帰ってきた感じがしました」と言いながら、「あの、今回も衣裳替え結構あります?疲れるんですよ・・・」と訴え。これに、中島は「すみません、いろいろ用意しています」と答えていた。

「本読みのテンポがドラマとは全然違った」という神尾は「いきなり台詞を間違えちゃいました。トントントンッと積み上げていくのがまるで波が押し寄せてくるようで、完全に飲まれちゃいましたね」と新鮮な感覚を得たようだ。

一方、生瀬は「僕、初見(本読み)が一番おもしろいんですよ・・・。ここから緩やかにおもしろくなくなっていきます」と告白。すると、古田は「生瀬さんは自分の芝居にどんどん飽きていくんですよ(笑)」、いのうえも「そうなるのは、うちの橋本じゅんか、生瀬さんか(笑)」と笑っていた。

最後に、天海が「新感線は“戻れる場所”のように思っています。気心知れた皆さんと一緒の方向に向かっていける、暖かく迎えてくれる、とても大事な存在です。自分にできることをしっかりやって、美しく世代交代したいですね!(新感線への出演は)最後になるかもしれませんので(笑)。ぜひ足をお運びください!劇場で待ってるよ!」と呼びかけ、古田は「これだけ観てもおもしろいと思いますが、前作のDVDも出てます!予習してくるともっとおもしろいと思うなあ!」と劇団員としてしっかりアピールし、会見を締めくくった。

なお、前作はAmazon Primeにて配信も行われている。レンタルHD(高画質)500円。

2022年劇団☆新感線42周年興行・秋公演SHINKANSEN☆RX『薔薇とサムライ2―海賊女王の帰還―』は、9月9日(金)から9月11日(日)まで富山・オーバード・ホール、9月22日(木)から9月25日(日)まで新潟・新潟県民会館 大ホール、10月5日(水)から10月20日(木)まで大阪・フェスティバルホール、そして11月1日(火)から12月6日(火)まで東京・新橋演舞場にて上演される。

(取材・文/エンタステージ編集部 1号、撮影/田中亜紀)

2022年劇団☆新感線42周年興行・秋公演SHINKANSEN☆RX『薔薇とサムライ2―海賊女王の帰還―』公演情報

上演スケジュール・チケット

【富山公演】2022年9月9日(金)~9月11日(日) オーバード・ホール
【新潟公演】2022年9月22日(木)~9月25日(日) 新潟県民会館 大ホール
【大阪公演】2022年10月5日(水)~9月20日(木) フェスティバルホール
【東京公演】2022年11月1日(火)~12月6日(火) 新橋演舞場

スタッフ・キャスト

【作】中島かずき
【作詞】森雪之丞
【音楽】岡崎司
【振付・ステージング】川崎悦子
【演出】いのうえひでのり

【出演】
古田新太 天海祐希 石田ニコル 神尾楓珠 高田聖子 粟根まこと 森奈みはる
早乙女友貴 西垣匠 生瀬勝久
右近健一 河野まさと 逆木圭一郎 村木よし子 インディ高橋 山本カナコ
礒野慎吾 吉田メタル 中谷さとみ 保坂エマ
村木仁 川原正嗣 武田浩二 冠徹弥 教祖イコマノリユキ
藤家剛 川島弘之 菊地雄人 あきつ来野良 藤田修平 北川裕貴 紀國谷亮輔 下島一成
米花剛史 駒田圭佑 前原雅樹 津曲希昌 上田亜希子 森加織 島田風香 髙橋優香

【公式サイト】http://www.vi-shinkansen.co.jp/
【公式Twitter】@SHINKANSENinfo




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