『陰陽師 生成り姫』開幕!三宅健「人間味溢れる安倍晴明になっていたら嬉しい」


2022年2月22日(火)に東京・新橋演舞場にて『陰陽師 生成り姫』が開幕した。初日前にはフォトコール&初日前会見が行われ、出演する三宅健、音月桂、林翔太、木場勝己が出席した。

本作は、全世界で発行部数が800万部を超える夢枕獏の小説「陰陽師」を原作とした舞台。陰陽寮の陰陽師を生業とする安倍晴明と、その唯一無二の友である源博雅を中心に、心の奥底に潜む鬼に蝕まれてしまった徳子姫を救い出すために奮闘する2人の姿や博雅と徳子姫の切ない恋を描く。主人公の安倍晴明を三宅、博雅を林、徳子姫を音月が演じ、脚本はマキノノゾミ、演出は鈴木裕美が担当。

『陰陽師 生成り姫』開幕!三宅健「人間味溢れる安倍晴明になっていたら嬉しい」

『陰陽師 生成り姫』開幕!三宅健「人間味溢れる安倍晴明になっていたら嬉しい」

フォトコールでは、晴明と博雅が徳子と出会う第1幕の6場、蘆屋道満(木場)が自害をしようとする火丸(佐藤祐基)を止める第2幕の3場、鬼になった徳子が済時(姜暢雄)を襲いに来る第2幕の4場が公開された。

『陰陽師 生成り姫』開幕!三宅健「人間味溢れる安倍晴明になっていたら嬉しい」

幕が上がると、ステージ中央に橋を配し、その後方には満月が輝く壮大なセットが目を引く。ダンサーたちの華やかな動き、そして美しい音色を奏でるリコーダーやリュートなどの生演奏が平安の時代の妖しく美しい世界を紡ぎ出す。

『陰陽師 生成り姫』開幕!三宅健「人間味溢れる安倍晴明になっていたら嬉しい」

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淑やかさが印象的な徳子が、第2幕の4場で鬼となって登場するシーンは圧巻。生首を抱え、怪しげに踊りながら済時を探す姿はひたすら恐ろしく、思わず息を呑む。また、晴明の術を光と芝居で表現する演出も見事だ。フォトコールは30分ほどだったが、それでも見応えのある作品に仕上がっていることがうかがえた。

『陰陽師 生成り姫』開幕!三宅健「人間味溢れる安倍晴明になっていたら嬉しい」

会見では、まず三宅が「何事もなく千秋楽を迎えられるように、引き続き、皆様と一緒に努力をしながら過ごしていきたいと思います」と挨拶。そして、「(コロナ禍のため)稽古場では私語も多くなく、最低限のコミュニケーションしか取っていませんでした。稽古漬けの毎日でした」と感染対策についても言及した。また、安倍晴明という役どころについては「今までにない、人間味溢れる安倍晴明になっていたら嬉しいなと思います」と思いを述べた。

『陰陽師 生成り姫』開幕!三宅健「人間味溢れる安倍晴明になっていたら嬉しい」

V6に憧れてジャニーズ事務所に入ったという林は、三宅とは2018年の『滝沢歌舞伎』以来の共演。事務所外の公演では初共演とあって「幸せな日々を過ごさせていただきました。僕にとっても思い出のある新橋演舞場で、こうして一緒にステージに立てるのは奇跡のような出来事です」と笑顔を見せた。

昨年11月に行われた、本作の製作発表時には三宅の烏帽子姿の美しさが話題となっていたが、この日も改めて音月は「(三宅は)女性から見てもすごく妖艶で、“雅”という言葉がすごく合う晴明さん」と話し、「そのエネルギーをお借りしてがんばりたい。私も美しさを磨きたいと思います」と意気込んだ。

『陰陽師 生成り姫』開幕!三宅健「人間味溢れる安倍晴明になっていたら嬉しい」

また、同じく製作発表時に演出の鈴木から「さまざまな表現を人力でやっていきたい」という言葉があったことを受けて、実際の演出について、三宅は「(第2幕の3場では)精霊たちが剣を縦横無尽に動かすシーンがありますが、ダンサーのお力をお借りして、素敵な音楽を奏でてくださる皆様と一緒に作っています。それが“人力”の一つの力。セッションをしているように、芝居とダンス、音楽が混ざり合ってできている作品になっていると思います」と説明した。

『陰陽師 生成り姫』開幕!三宅健「人間味溢れる安倍晴明になっていたら嬉しい」

さらに音月は、フォトコールでも迫真の演技で魅せた鬼役について「(鬼を演じるのは)初体験なので、鬼として立居振る舞いも殺陣も、ゼロからだったんですが、周りのダンサーの皆さんが支えてくださり、自分1人の力では絶対に出せない迫力や熱量を作り上げてくださるので、背中を押していただけます」と思いを明かした。

『陰陽師 生成り姫』開幕!三宅健「人間味溢れる安倍晴明になっていたら嬉しい」

会見の最後、木場は「(本作にちなんで)僕が祓いたいと思っているのは、コロナです。千秋楽まで無事に完走できることを祈っています」とコメント。

『陰陽師 生成り姫』開幕!三宅健「人間味溢れる安倍晴明になっていたら嬉しい」

さらに、三宅は「お客様も安全対策をしながらの観劇になると思いますが、僕たちも気を引き締めて感染対策も行っていきたいと思います。お芝居が上演されている間は、嫌なことを全て忘れて、平安の世に誘えるように、私たちも準備をしていますので、ぜひ、お越しください」と呼びかけ、会見を締めくくった。

『陰陽師 生成り姫』開幕!三宅健「人間味溢れる安倍晴明になっていたら嬉しい」

『陰陽師 生成り姫』は、3月12日(土)まで東京・新橋演舞場、3月18日(金)から3月24日(木)まで京都・南座にて上演。上演時間は第1幕75分、休憩25分、第二幕55分、休憩10分、第三幕30分の計3時間15分を予定。

(取材・文・撮影/嶋田真己)

『陰陽師 生成り姫』公演情報

上演スケジュール

【東京公演】2022年2月22日(火)~3月12日(土) 新橋演舞場
【京都公演】2022年3月18日(金)~3月24日(木) 南座

スタッフ・キャスト

【原作】夢枕お獏(文春文庫『陰陽師 生成り姫』)
【脚本】マキノノゾミ
【演出】鈴木裕美

【出演】
安倍晴明:三宅健

徳子姫:音月桂
源博雅:林翔太
藤原済時:姜暢雄
綾子姫:太田夢莉
火丸:佐藤祐基
知然法師:市川しんぺー
蜜虫:岡本玲
蝉丸:佐藤正宏
蘆屋道満:木場勝己

【松竹公式サイト】https://shochiku.co.jp
【公式サイト】https://www.onmyoji-stage.jp
【公式Twitter】@onmyojistage

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