配信中の劇中歌で公演を振り返り!舞台「銀牙 -流れ星 銀-」DVD発売は「愛犬の日」に


昨年秋に上演された舞台「銀牙 -流れ星 銀-」~牙城決戦編~。その劇中で使用された楽曲のダウンロードが、主要音楽配信サイトで行われている。2作に渡り描かれた舞台「銀牙」の公演について、昨年末「ジャンプフェスタ2021 ONLINE」内で行われたネルケプランニングトークステージの模様を交えながら紹介する。

なお、舞台『銀牙』ステージは2日間行われ、1日目(12月19日)には⾚澤遼太郎(⾚虎役)、鮎川太陽(スナイパー役)、田鶴翔吾(ビル役)、川﨑優作(武蔵役)、輝馬(クロス役)、2日目(12月20日)には佐奈宏紀(銀役)、北代高士(紅桜役)、spi(⾚カブト役)、坂元健児(リキ役)が登壇した。

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1日目は、川崎がMCのマイクを握りトークを進行。「おすわり!」という銀牙らしい掛け声で着席すると、まずはそれぞれの好きな楽曲歌唱シーンを振り返ることに。トップバッターの赤澤が選んだのは、「十三人の決死隊」。「何と言っても、とにかくかっこいい!大迫力。なんですけど、振付がとにかく大変だったんです」という赤澤に、一緒に踊っていた田鶴と川崎﨑は激しく同意。最初は「意味が分からなかった」ほど複雑だったそうだ。

その難しさは、田鶴は「最初振りをもらった時、舞台上で踊れている自分が想像できなかった」と告白するほど。しかも、本番直前まで「いいものにしよう」少しずつ変更が加えられていたそうで、シーンに登場するメンバーはパズルゲームに取り組んでいるような気持ちで稽古していたと振り返った。

そんな彼らを、一筋の汗も流さずに見守っていたという輝馬は「欠けた月-ベンとクロスの別れ-」を選んだ。「欠けた月」は輝馬演じるクロスのソロバージョンもあるのだが、「作品の中で、2人でハモっている楽曲という意味でも印象的だった」と、あえてデュエットバージョンをプッシュ。

クロスの夫・ベン役を演じる郷本直也は以前から仲が良かったこともあり、「初めて出演のお話をいただいた時、(旦那さんが)郷本さんか~!ってなった(笑)」と輝馬(クロスは雌犬)。しかし、2人でシーンを作るのは「郷本さんが引っ張ってくれるから、とっても楽だった」と稽古がスムーズだったと語った。稽古後も一緒に帰っていく姿が目撃されていたりと、終始、自他共に認める仲良しぶりが発揮されていたそうだ。

続いて、田鶴が選んだのは「満月-feat.ビル-」。最終決戦ということで、全体的に重い楽曲が多かった第2弾だったが、この楽曲は唯一かわいらしいダンスと共に歌われた。ここで田鶴は「実はあの振り、銀役の佐奈ちゃんが日替わりにしていたんですよ。演出としてついているのは、佐奈ちゃんの“真似をする”ということだけ。しかも、僕らはどういう振りをやるのか舞台上で知るんです」と、驚きの舞台裏を明かした。ちなみに、川崎﨑は「個人的に、赤目役の荒木(宏文)さんが、満面の笑みであのかわいい振りを踊っているのがかわいくて・・・」とツボだったらしい。

そんな川崎のお気に入りは「闘犬魂」。武蔵の動きは、赤カブト役のspiに相談に乗ってもらい歌舞伎の要素を取り入れたり、勉強しながら工夫をしたそうだ。「初日と千秋楽で、歌い方が全然違ってた!」と感じた驚きを口にした赤澤。本番に入ってからの川崎﨑の変貌ぶりは、輝馬やspiにも誉められるほどだったそうで、「すごく嬉しかった。ミュージカル、もっとやってみたいです」と、川崎﨑はさらなる意欲を燃やしていた。

最後、鮎川はあえて歌唱シーンではなく、スナイパーが銀を痛めつけ、踏みにじる場面を選択した。俺がスナイパーというキャラクターを強く魅せるため、動く佐奈に足を取られ、ぶれないように身体をコントロールすることに注力していたと語った。「結局、木の枝に引っかかるんですけどね(笑)」とスナイパーの行末を笑いながらも、「強いキャラだから、ブレてはいけない」と細部にまで神経を行き届かせることで、一つ一つのシーンにリアリティが生まれることがよく分かる話だった。

2日目は、鎌苅健太のMCのもと、佐奈、北代、spi、坂元が登壇。公演を振り返って、佐奈は「公演を始められることも奇跡でしたし、無事に終えられることも奇跡だったなと思います。舞台『銀牙』は僕にとっても大事な作品になっていて、なんとしても完結させたかったので。千秋楽の景色を見て、僕らはこれを見るためにこの仕事をやっているし、皆さんもきっとこの瞬間を待っていてくれている人がいるということに救われるし、幸せなことだなと思いました」としみじみ振り返った。

“犬”を表現する本作に臨む本作について、改めて役作りについて振り返った面々。坂元が「僕は、猫、ライオン、てんとう虫も演じたことがあったので、専門分野だなと思ったんですよ」と言うと、一同は「てんとう虫」の役作りに興味津々に・・・(犬は「ワン!」という発声があるが、てんとう虫はそれもないので創意工夫が必要だったそう)。

北代は、第1弾では黒邪鬼役で出演していたため「犬種の違いを強く意識しましたね」と、舞台『銀牙』ならではの役作りのポイントを挙げた。そして、spiは「ハチミツをめちゃめちゃ食べましたね(笑)」と冗談(?)を飛ばしながら、「共感を呼ばない動きの方がよいのかなと思って、能の動きなどを勉強して取り入れてみたりしました」と自らプランを練って、“熊”の表現を向き合ったことを明かした。

なお、公演初日には、原作者である高橋先生が来てくれていたそうで、キャストたちは少人数で挨拶に行ったという。ちなみに、高橋先生は北代が演じた紅桜がお気に入りキャラ。それを聞いた時、北代はかなり緊張したそうだが、「お会いした時、先生が感動した、紅桜もすごくよかったと言ってくださって。ソーシャルディスタンスを保ちながらも、感動を伝えてくださったのがすごく嬉しかったです」と喜びを語った。

続いて、それぞれのお気に入りシーンのピックアップへ。佐奈が選んだのは、銀と紅桜が歌う「鏡の虎」のシーン。「個人的に、一番練習したんじゃないかなっていうぐらい、精力を注いだ一場面です」と語る佐奈に、同じシーンに出ていた北代は「誰よりも出ずっぱりなのに、佐奈ちゃんは稽古後に居残り練習したりしてたんですよ。その姿に俺も気持ちを高ぶらせてもらったというか。最終稽古後の休みの日にも、個人的にスタジオを取って練習するって言うから、松井遙己も加えて3人で一緒にやったりしてね」と加えた。

そんな北代が選んだのは、「正義のため」の中でリキと赤カブトが歌で対峙するシーン。坂元とspiの強いハモりが印象的な場面だ。「歌合戦が始まったのかなと(笑)。この舞台『銀牙』の中では、歌の上手さ=強さなのかなと思うぐらい、説得力があるじゃないですか。稽古場で初めてお2人の歌を聞いた時、マイク着けているのかな?と思うぐらい、地声でもすごくて」と北代。

佐奈曰く、あのハモりはもともとはユニゾンで、稽古の中で坂元とspiが話し合った結果、即興でspiが下のハモりを入れ、振付もなしにして本番の形にしたそうだ。spiは「サカケンさんと歌でバトルできるなんて、役者冥利に尽きるじゃないですか。だから、歌だけで戦いたい!ってなったんですよね」と、その理由を力説した。

いい場面にしたいというspiの熱い想いは、自身の選んだ「十三人の決死隊」の場面にも現れていた。「みんなが歌っている裏で、俺、オオオオオ~♪って歌っているんですけど、あれも付け足させてもらったヤツで。何でかというと、十三人がすごい熱量で歌っている場面に一緒にいるのに、自分は何も歌っていないことがすごく気持ち悪かったんです。滝澤 諒くんとかもバキバキに踊ってるし、佐奈くんもダンスの中にアドリブ入れてくるようになっていって、どんどん熱量が上がっていくから。だから俺も負けていられないなと思って、アドリブで何か入れてみてもいいですか?と相談して、あの形になりました」と明かされた。

決死隊を演じる面々も、「赤カブトのあの声があるから、対抗するものが目に見えて感じられたので、その分、さらに僕らも熱量が上がっていました」と相乗効果を語った佐奈。稽古場で日々模索し、演出家に言われたことだけをやるのではなく、自ら考え、提案し、セッションすることで、より良い作品作りが生まれていることが実感できるエピソードだった。

最後は、坂元の選んだシーン。犬(おとこ)たちが揃い、打倒赤カブトの想いを込める「TOMORROW」・・・かと思いきや、坂元が観てほしいと言うのは、その後、ベン役の郷本がアドリブでぶち壊すところ。坂元は「僕は彼をなおやんと呼んでいるんですが、あのシーンはベンというよりなおやん(笑)。千秋楽なんて、お客さんに『こんな大変な時に来てくれてありがとうございます』って言ってたからね。アドリブとしてはダメなんだけど、なおやんの人柄が伝わる場面だなと・・・ただ、ベンとしては最低のアドリブです(笑)」と笑った。

劇中の楽曲と共に、それぞれ作品を振り返った出演者たちは、一様に、コロナ禍の中で無事公演をやり遂げられたことに感謝。佐奈は、「公演が終わってから、改めて舞台『銀牙』の話ができたのは本当に楽しい時間でした。これからも、舞台はいろんなガイドラインを守りつつやっていくと思いますので、(それぞれの次なる舞台を)ぜひ楽しみに待っていてください」と、舞台『銀牙』の話を締めくくった。

舞台『銀牙 -流れ星 銀-』~牙城決戦編~の楽曲は、現在iTunes Store、Amazon デジタルミュージック、mora、レコチョクで配信中。

また、2021年5月13日(木)・・・「愛犬の日」にはDVDの発売も決定している。価格は9,000円+税。アニメイト、アニメイト通販にて取扱中(アニメイト限定特典ポストカード2枚組付き)。

楽曲配信

舞台「銀牙 -流れ星 銀-」~牙城決戦編~ オリジナルサウンドトラック

【配信開始日】2021年1月11日(月・祝)
【配信曲】
1.戦いの物語~牙城決戦編~
2.流れ星 銀
3.闘犬魂
4.浮浪山賊
5.満月-feat.武蔵-
6.高く飛べ
7.満月-feat.ビル-
8.欠けた月
9.欠けた月-ベンとクロスの別れ-
10.守るべきもの
11.鏡の虎
12.レクイエム
13.TOMORROW
14.十三人の決死隊
15.魔王
16.正義のため
17.TOMORROW/勝利の詩

【希望小売価格】
1曲:250円(税込)
アルバム1(楽曲1~8):1,800円(税込)
アルバム2(楽曲9~17):1,800円(税込)
アルバム1・2合計:3,600円(税込)

【配信サイト】
・iTunes Store/Amazon デジタルミュージック/mora/レコチョク

(C) 高橋よしひろ/集英社・舞台「銀牙 -流れ星 銀-」

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