葵わかな、三吉彩花らがパワフルに楽曲披露!ミュージカル『The PROM』製作発表レポート


2021年3月より上演される日本初上演されるブロードウェイミュージカル『The PROM』の製作発表が2月16日(火)に実施され、葵わかな、三吉彩花、岸谷五朗、寺脇康文らが登壇。楽曲の披露のほか、キャスト陣から本作への思い入れや意気込みなどが語られた。

本作の舞台はアメリカの高校、卒業生のために開かれるダンスパーティ“プロム”。レズビアンの主人公エマが、様々な人たちとの触れ合いにより、“自分らしく生きる”ことを貫こうと奮闘する姿が描かれる。

主人公エマを演じるのは葵わかな、エマの恋人アリッサを演じるのは三吉彩花。ブロードウェイスターのD.D.アレンを、大黒摩季、草刈民代、保坂知寿がトリプルキャストで。夢をあきらめたばかりのミュージカル女優アンジー・ディクソンを霧矢大夢。エマとアリッサの通う高校のホーキンス校長をLE VELVETSの佐賀龍彦と、Skoop on SomebodyのTAKEがダブルキャストで演じる。

そして、自身もプロムに行けなかった過去をもつブロードウェイの俳優バリー・グリックマンに岸谷五朗が、鳴かず飛ばずのミュージカル役者トレント・オリバーに寺脇康文が決定している。

1曲目に披露されたのは葵と霧矢による「Zazz」。ハットを被り、黒い衣装に身を包んだ霧矢が歌い出し、それに応えるように、青いジャケットの葵が伸びやかな歌声を響かせた。

2曲目は大黒、草刈、保坂による「It’s Not About Me(目立ちたくないのよ、私)」。煌びやかな衣装が眩しい3人が声を張り上げた。それぞれの声質の違いが楽しく、大人の女性の魅力を見せつけるような重厚なナンバーとなっていた。

最後はパワー溢れつつ、包むような優しさを持った「It’s Time to Dance」。出演者が飛び跳ね、大きな身振りで自由に歌う姿に会場は一体感に包まれた。以下、会見でのキャストコメントを掲載。

コメント紹介

◆岸谷五朗(バリー・グリックマン役・日本版脚本・訳詞・演出)
すごいミュージカルなので、楽曲の難しさに苦しみ、そして激しいダンスシーン、2幕までやっといきました。気合十分。必死で皆でがんばっています。チームワークには自信がありますね。素晴らしい作品にして、勇気を出して劇場に来てくれたお客様に「やっぱりエンターテイメントは滅びちゃだめだ」と思っていただけるようなものにしていきたいです。

――作品を選んだ理由
ニューヨークでトニー賞の作品を見る機会があったのですが、素晴らしい作品がラインナップされる中、カーテンコールが終わって劇場を去るときに、お客さんが1番幸せな顔をしていたのが『The PROM』だったんです。コロナ禍においても、皆さんの心に元気を与えられる作品だと思っています。この作品は日本初初演ですが、この作品を日本で成功させることが、僕に刺激を与え続けてくれたブロードウェイへの恩返しだと思っています。

――エマ役に葵をキャスティングした理由
エマとアリッサには絶妙な2人のバランスが必要で。エマ役はかわいらしいけれども、最後までアリッサを引っ張っていく強さがある。その演技が難しいところではあるのですが、わかなちゃんはおまんじゅうみたいにかわいいのに(笑)、すごく芯が強いんです。ポスター撮影で衣装を着た2人を見た時「これは日本版のエマとアリッサだ」と本当にガッツポーズしました。

――アリッサ役に三吉をキャスティングした理由
アミューズの後輩で、ドラマや映画をほいほいやったり、モデルですらすら歩いているのを知っていたので、いつか演劇界に引っ張り込んでやると思っていたんです。そして今回、これは彩花の役かな、と。稽古場では水をもらって成長する木のようにぐいぐい成長していっています。2人のバランスは最高ですね。

――D.D.アレンに大黒、草刈、保坂をキャスティングした理由
まあ、おそろしい3人が揃いました(笑)。D.D.アレンはミュージカル界のトップスターで、トニー賞を受賞している、高飛車な女性。でも持っているものは、過去に場ミリゼロで、舞台のセンターで活躍していた人だからこその精神なんです。3人とも、まったくちがうD.D.アレンになったので、ぜひトリプルキャスト全員見ていただきたいですね。

◆寺脇康文(トレント・オリバー)
この作品で日本中を元気にしたいと思います。五朗ちゃんと(地球ゴージャス25周年で)銀婚式も終えまして、どうなっていくのかな、という話をしていたのですが、今までにない新しい風が吹く予感がしています。地球ゴージャスにとっても新しい道が開かれるんじゃないかと思います。

――製作発表での楽曲披露について
稽古場ではマスクなので、久々に皆さんの顔を見たのですが、やっぱり嬉しいものがありました。皆さん、こんな顔をして歌っていたんですね。

◆葵わかな(エマ役)
数曲ではありましたが、今日は歌を皆さんに届けることができて、とても嬉しかったです。がんばって作品を成功させたいと思っています。

――カップル役について
エマは物語の間中、複雑な環境に身を置いている役です。エマが当たり前だと思うことを周りに伝えることにすごく苦労していまい、インディアナ州の女子高校生が自分の当たり前を貫くためにどうしたらいいか成長する部分があります。そのエマの強さも表現していきたいですし、アリッサとの恋路のキラキラした部分もあり・・・。2人のかわいらしい恋が、プロムという目標を目指して見えていけたらと思います。

――もしも過去にプロムがあったら?
行ってないと思います。私は地味なタイプの学生で、華やかな場所が得意ではなく・・・誰かに誘われてたら行ったかもです。

◆三吉彩花(アリッサ役)
やっと皆様にお披露目できてうれしく思っています。

――カップル役について
わかなちゃんとは初めての共演となりますが、稽古場でお会いしたときからリアクションや醸し出す雰囲気が似ていると思っていて。周りの方にも「似てるよね」と言っていただけることも増え、だんだんエマとアリッサのカップルぽさが出てきているのかな?と思います。なんと言っても女子高生なので、フレッシュさを2人でがんばって元気ハツラツに出していければと思います(笑)

――もしも過去にプロムがあったら?
友達同士で行っても盛り上がりそう!仲がいい友達同士でいくの楽しそうですよね。

◆大黒摩季(D.D.アレン役)
この場に立てて、とってもエキサイティングです。岸谷の一言で連れてこられ、ミュージカル初体験、女優初体験、51歳になってこんなに踊りで落ちこぼれるとは思ってもみませんでした(笑)。すごくがんばりますので、大黒摩季の成長をぜひ追っていただければと思います。

――出演を決めた際の心境
ミュージカルは見るの専門で、よもや自分が誘われると思っていなかったので、晴天の霹靂と言うか…。やんわりお断りをしていたのですが、話を聞いたら見事に飲み込まれて(笑)。すべてが未知との遭遇だったのでした。

でも、挑戦するっていいもんです。51歳でこんなことになるとは予想していませんでしたが、自分を使い切って終わりたいですね。私に、もっと能力がある!と信じてくれている地球ゴージャスに賭けてみたいと思っています。

――もしも過去にプロムがあったら?
初代肉食系女子ですもん。そりゃ行きますよ。本命に「嘘でいいから来て!」って引っ張っていきます。

◆草刈民代(D.D.アレン役)
――出演を決めた際の心境
ミュージカルは3本目なのですが、作品を調べていくうちに、おもしろそうだ思いましたし、岸谷さんが演出するということでさらに興味が湧きました。台本があがってきた時、岸谷さんの言葉のセンスと作品の扇子が一致していて、こあれは「日本版のプロムになるな」と感じました。参加できてとてもよかったです。たが、楽曲はブロードウェイのスターが歌う歌なのでハードルは高いのですが、それにプロとして取り組むことで、見てくださる方にもエネルギーとして伝わればと思っています。最大限やることをやって舞台に挑みたいです。

――もしも過去にプロムがあったら?
自分が18の頃を考えても、バレエ一筋でしたし、誰か寄ってきても見向きもしなかったので・・・。行かなかったかもしれませんね。毎日、わき目も振らずに稽古する自分も好きだったので。

◆保坂知寿(D.D.アレン役)
――出演を決めた際の心境
何年も前なのですが、とあるミュージカルをやるときに、ブロードウェイに振り付けを習いに行った時があって。その舞台を稽古の後に見て勉強する機会がありました。そのとき見ていたレスリー・ウェルさんという女優さんが、オリジナルでD.D.アレン役を演じていらっしゃったそうなんです。その方の経歴を見ていたら、たまたまなのですが、私とやってきた作品や役が同じことが多く・・・役に対してのご縁のようなものも感じて、ぜひとお願いしました。

――もしも過去にプロムがあったら?
自主性がないので、「皆、どうする?」って聞いて、周りが行きそうなら行くと思います。後で「なんで来なかったの?」って言われるのが嫌なので(笑)。

◆霧矢大夢(アンジー・ディクソン役)
地球ゴージャスは初参加でとてもワクワクしています。パフォーマンスを終えましたが、稽古場ではマスクをしたままだったのでその解放感たるや。すごく楽しんで歌わせていただきました。

――稽古場の雰囲気
岸谷さん、寺脇さんが稽古場でぐいぐい引っ張ってくださるので、全員、お2人の背中を見つつ、毎日毎日吸収していっています。

――もしも過去にプロムがあったら?
草刈さんと同じで、自分の高校時代を思い浮かべると芸事に勤しんでいたので・・・。誘っていただければ行ったかもですが、そちらよりも自分の道を突き進む方にエネルギーを注いでいましたね。

◆佐賀龍彦(ホーキンス校長役)
僕も地球ゴージャスは初参加。気合を入れて、魂を入れて演じさせていただきます。この作品は、めちゃくちゃ心が震える作品になると思います。Wキャストなので、シーンを拝見することが何回かあるのですが、何度見ても心が解放されるんです。もやもやするものが、観劇後にパンッとはじけるような作品ですので、たくさんの方に観に来ていただければ幸いです。

――もしも過去にプロムがあったら?
プロムって、独特の文化だと思うんですよね・・・。僕がカンパニー内で誰かを選ぶなら、寺脇さんかなって(笑)。分かりやすくお芝居を教えてくだいますし、ご一緒していて楽しいですからね。

◆TAKE(ホーキンス校長役)
本当に素敵なキャスト、スタッフです。一丸となって熱い思いを届けられるようにがんばりたいと思います。本作は歌、踊りが素晴らしいのはもちろん、エマとアリッサのピュア&フレッシュな愛、D・Dとホーキンスの大人の愛がすばらしいものになっています。すべての年代の方に共感していただける、皆がエネルギーをもらって元気になれること間違いなしです。

――もしも過去にプロムがあったら?
若い頃は行かなかったと思いますね。この中で誘うなら、大黒さんですかね。稽古場で、自分の思うようにできないことに対して悔し涙を流した時があったんです。ミュージシャン仲間としては仲良くしてきましたが、その女優の顔を見て、その時に一瞬「かわいいな」と思いました。

作品情報

Broadway Musical『The PROM』 Produced by 地球ゴージャス
【東京公演】2021年3月10日(水)~4月13日(火)TBS 赤坂ACTシアター
【大阪公演】2021年5月9日(日)~5月16日(日) フェスティバルホール

<東京公演チケット一般発売日>
2021年3月10日(水)~3月31日(水)公演分:2021年1月23日(土)10:00~
2021年4月1日(木)~4月13日(火)公演分:2021年2月20日(土)10:00~

【脚本】ボブ・マーティン チャド・ベゲリン
【音楽】マシュー・スクラー
【作詞】チャド・ベゲリン
【日本版脚本・訳詞・演出】岸谷五朗
【演出補】寺脇康文 寺﨑秀臣

【出演】
葵わかな 三吉彩花
大黒摩季/草刈民代/保坂知寿(※保坂は東京公演のみ)<トリプルキャスト>
霧矢大夢
佐賀龍彦(LE VELVETS)/TAKE(Skoop On Somebody)<ダブルキャスト>
藤林美沙 小浦一優(芋洗坂係長)
青柳塁斗 島ゆいか MARIA-E 百名ヒロキ
加藤潤一 仙名立宗 田口恵那 砂塚健斗 杉山真梨佳 鈴木百花
飯田一徳 織 里織 山田 元 酒井比那 酒井翔子 内木克洋 髙城徹
岸谷五朗・寺脇康文

【公式サイト】https://www.chikyu-gorgeous.jp/the-prom/

(取材・文/エンタステージ編集部 2号、写真/NAITO)

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