生田斗真の座長っぷりが光る!?ゲキ×シネ『偽義経冥界歌』舞台あいさつに中山優馬、藤原さくらと登壇


2020年10月21日(水)に東京の丸の内ピカデリー・ドルビーシネマで、10月24日(土)より全国公開されるゲキ×シネ『偽義経冥界歌(にせよしつねめいかいにうたう)』の舞台挨拶&ドルビーシネマ特別先行上映会が行われ、生田斗真、中山優馬、藤原さくらが登壇。公演中の思い出やゲキ×シネで本作を見る際の楽しみ方などを語った。

『偽義経冥界歌』は、“奥州三代”と“義経黄金伝説”をモチーフに、源義経が実際に奥州に匿われていたという史実をベースにしたファンタジーも散りばめた中島かずきの脚本を、いのうえひでのりがキャストの魅力を最大限に活かしつつ極上のエンターテインメントに昇華。2019年に大阪、金沢、松本公演を行い、2020年に東京、福岡公演を予定していたものの、コロナ禍により東京は一部中止、福岡は全公演中止となっていたが、今回、ゲキ×シネとして帰ってきた。

舞台挨拶に登壇した生田は第一声で「皆さん、こんにちは。本日は偽義経、鬼滅の刃に・・・」とボケ、中山から「違うよ、違うよ!間違えてる!」と突っ込まれながら「キッズたちが間違えて観に来てくれないかなと思って(笑)・・・向こうはアニメのキャラクターがバンバン戦ってますが、こっちは人間がバンバン戦ってます。アニメも面白いけど、演劇はもっと面白いぞ!」と社会現象にもなっている人気作と比べつつアピールした。

一方、先輩・生田にキレのいいツッコミを決めた中山は「こうやってたくさんの皆さまに見ていただける日が来るのを楽しみにしておりました」と笑顔で語り、藤原は「私も前もってゲキ×シネを予習してこの場に立っているのでゲキ×シネの魅力を伝えていろんな方に観てもらえたらなと思っています」とあいさつした。

生田は本作で劇団☆新感線の舞台に出演するのは4回目の“準劇団員”。本作を振り返り、「2019年と2020年バージョンで、2年間に渡って上演した作品です。2020年は博多公演が一度も出来ずに東京へ帰ってくるという・・・僕たちはすごく悔しい思いをしたんですけど、奇跡的に2020年3月19日にライブビューイングを行うことができまして、その時に録った映像をゲキ×シネという形で全国の皆さんにお届けできることになりました」とうれしそうに語り、「約3万人近くの方が観られずに悔しい思いをしたと伺ったので・・・今回、世界初上映なので皆さん宣伝部ですから、お願いしますよ!」と会場に集まったファンへ呼びかけた。

今回、初めて劇団☆新感線作品への出演となった中山は「すごく優しくして頂きました。毎日笑いながら稽古が進んだ記憶が鮮明に残っていて、今考えても幸せな時間だったなと思います」と振り返り、同じく初参加の藤原も「舞台に出ることが初めてで、元々劇団☆新感線の舞台をお客さんとして毎回観ていたので、自分が出るという想像が全然出来てなかったんですけど、今までずっと見ていた劇団員さんやスタッフさんの皆さん、共演者の方が本当に優しくて『舞台ってこういうものなんだよ』って初歩の初歩から教えていただいてありがたかったです」としみじみ。

そんな2人に対しMCから「それは生田さんの力も強かったんじゃないでしょうか」と投げかけられると、なぜか生田が「まぁそうでしょうね!」と即時に答え、「俺らが答えるから!危なかった、アクリル板飛び出るところやった」とまたもや中山のテンポのいいツッコミが入り見事なコンビネーションを見せた。そして、中山は「本当に心強くて、座長でありムードメーカーであり、斗真くんの後ろで勉強させていただけて良かったなと思います。稽古でも斗真くんは手を抜くことがなくて、いつも全力でやられている姿を見て自分ももっと頑張らなきゃなという思いに駆られてました」と尊敬する生田に影響を受けたという。

藤原も生田から色々学んだようで「逃げまどいながらちょっとしたアクションをするんですけど、私にはすごく難しくて斗真さんの方が先に私のアクションを覚えて『こうやるんだよ』って教えてくれたので、本当に助かりました」と稽古の時を振り返り感謝。

2020年の公演では残念ながら福岡公演が中止となってしまったが、博多座での稽古は進んでいたという。その時のことを生田は「舞台の上で稽古してる途中だったんですけど、『福岡公演は全部中止になりました』とアナウンスされたんですが、演出のいのうえさんが『このまま何もせずに東京に帰るのは悔しいし浮かばれないので、最後に無観客で通し稽古をしましょう』と言ってくれて。物販の方や劇場のスタッフの方々に座っていただいて最後の通し稽古をさせていただきました」と振り返り、「切なかったな、あれな」と中山に向けてポツリ。中山も「切なかったです。でもやれるとやれないとでは違いましたし、博多座にこの作品で僕たちが居たんだというのを刻み付けようと思ってました」と語った。

生田はさらに「全てのお芝居が終わってカーテンコールをやってる時に、2階席、3階席のところにのぼりが上がったんです。本当は劇場の周りに立てる予定だったのぼりを博多座のスタッフの方が劇場の中にいれてくれて。それもあって忘れられない公演になりました。だから必ずリベンジしたいなと思っています」と強い思いを明かす。

一方、福岡が地元である藤原は「みんな楽しみにしてくれていたのでやれなくて悔しいなって思っていたら、いのうえさんが『家族を呼んでいいよ』って仰ってくれて。一番楽しみにしてたばあちゃんを呼んだら一番前の席に座っていて、ずっとばあちゃんが視界にいて見つけやすかったです(笑)」とうれしそうに語った。

今作の見どころのひとつとして生田、中山、藤原の歌唱シーンがあげられるが、藤原は「最後に斗真さん(九郎)と一緒に歌うシーンがあるんですけど、(2019年は2人だったけど)2020年は(中山が演じる)次郎も一緒に歌うシーンに変更になって、より兄上・九郎を『弔うぞ!』という感じで、よりいいエンドになったなと感じました」と2019年からの変化について明かした。

一方、生田は「中山優馬の歌を聞いたのは“NYC”時代以来で・・・好きなんだよ、『ゆめたまご』が」と中山をいじりつつ、「お芝居を中心にやっている後輩なので、歌とかもきちんとレッスンしてるんだろうなと感じられて頼もしかったです」と褒めていた。そんな生田に対し中山は「斗真くんの歌を聞けること自体がレアなことだと思うので毎公演楽しかったです。斗真くんは心でずっと歌われているので毎回同じ歌っていうのはなかったと思います」と印象を語った。

また生田は「藤原さくらの歌声にみんな魅了されると思うんですよね」と褒め始めたかと思いきや、「でもどうだろう、藤原さくらの歌聞きたいなって思ってもさ、CDとか出てないと・・・どうしたらいいんだろう」と藤原に振り、藤原が「え、良いんですか・・・?10月21日にアルバムがリリースされました」と戸惑いながらもアピール。さらに生田は「タイトルは?」と投げかけ、藤原が「『スーパーマーケット』という・・・」と答えるとすかさず「ぜひお願いします!」と丁度舞台あいさつの日に発売された藤原のアルバムを宣伝。見事な“座長”っぷりを発揮し藤原から感謝されていた。

今回、ゲキ×シネで上演されることについて改めて生田は「人の前に立ってお芝居をすること、そして受け取ってもらうことをすごく当たり前の事のように思ってたけど、やっぱりそうじゃないと思ったし、沢山の皆さんにお届けできてうれしいです」と語り、「もちろん生の舞台で観ていただくのが良いと思うんですけど、今のゲキ×シネのシステムって本当にすごくて。生の舞台では観られないような汗とか涙とか呼吸、空気みたいなものが臨場感として伝わってくると思うので、生で観てくださった方も初めてみてくださる方も楽しめると思います」とコメント。

最後には3人から上映を楽しみにしているファンへのメッセージが。藤原は「本当にゲキ×シネ、私も初めて劇団☆新感線の舞台を映画で観させていただいたんですけど、音の迫力などがすごくて素晴らしいものを観たという気になれると思うので見てください」とコメントし、中山も「この作品をやってる時に、体力的にしんどい日もあったんですけどすごい元気になる作品なんですよね。本当に元気をもらえると思いますし、それだけの迫力と煌びやかな照明と細部までこだわった衣装などいろんなものが合わさって素晴らしい作品になっていると思うので映画館で楽しんでいただければと思います」とアピール。

そして、生田が「昨今、舞台の中継をテレビやDVDで観られることが増えてきてるとは思うんですけど、ゲキ×シネはレベルが違います!とんでもないクオリティで演劇をお届けできる新しい体験が映画館で出来ると思うので、ぜひ沢山の方に観ていただきたいなと思います」とメッセージを送り舞台あいさつを締めくくった。

ゲキ×シネ『偽義経冥界歌』は2020年10月24日(土)から全国で公開される。上映時間は約3時間13分(15分休憩含む)。

(取材・文=エンタステージ編集部3号/撮影=阿久津知宏)

【公式サイト】http://www.geki-cine.jp/sp/niseyoshitsune/

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