ミュージカル『伝説のリトルバスケットボール団』橋本祥平インタビュー「早くまたバスケがしたい!!」


2023年7月27日(木)1日限りのプレビュー公演としてミュージカル『伝説のリトルバスケットボール団』が上演された。本作は韓国の二大ミュージカル賞「イエグリーンミュージカルアワード」にて、主要部門であるミュージカル賞、演出賞、脚本賞候補に選ばれるなど高い評価を得た人気作。2024年2月から3月にかけて東京・大阪で本公演が上演される。それに先駆け、主演のキム・スヒョン役の橋本祥平にプレビュー公演を経ての感想や本公演に向けての思いなどを語ってもらった。

――今作のキム・スヒョン役はオファーだと伺いましたが、オファーを聞いた時の気持ちを教えてください。

オファーをいただいたのは、1年前くらいですかね。まず“韓国ミュージカル”の作品だということで、昨今ドラマなどでも韓国のエンターテインメントがとても人気なので、舞台でも韓国発祥の作品が増えていくんだろうなと感じました。
そして、プロデューサーの深澤さんが韓国で生まれた演劇をわざわざ日本に持ってきてまで上演したいという熱意に惹かれました。「どれだけ心に響いた作品なんだろう!」と純粋に楽しみで仕方なかったですね。

――実際に脚本を読んでみて、どのように感じられましたか?

まず僕が演じるスヒョンはいじめにあっていて自殺とかも考える役で、役に向き合っていく中で辛くなって「結構しんどいな…」と思う瞬間もありました。もちろん心情を理解したつもりでも、もしかしたら全部は理解できてない部分もあると思うんですけどね。台本を読んだ時も重たいシーンとかも結構あって…。でも、それ以上に真っすぐに心に響くな作品だなっていうのが印象です。

物語自体は結構王道だとは思います。読み進めるうちに展開が読めてくるところもあるんですけど、でも感動する作品なんですよね!そこがこの作品の持っている凄い力だなと!

――作品のパワーが本当に凄いですよね!楽曲の力もあると思いますが、音楽も多彩で大変だったのではないですか?

そうなんですよ。いつもは歌はフィールドにしていないのでミュージカルは挑戦で、曲が難しいなって思っていたんです。プレビュー公演の時に、韓国側のプロデューサーさんと作曲家さんが観に来てくださって、作曲家さんに「この曲難しかったですよね」と声をかけられたんです。でも「やっぱり難しい曲ですよね!!」とは言えなかったですね。

あと重たいシーンでも、曲が意外とポップだなと思う曲もあったりするんですよ。実は歌詞を聞くと内容は重いんですけど、強がって明るく振舞っているのが曲調に表わされているようで面白いなと思いましたね。

――橋本さんと言えば“元気で明るくて面白い”という印象が強いのですが、本作のスヒョンなど最近は内面的に繊細な役を演じることも増えていますよね。

以前ならおっしゃる通り“元気で明るい”キャラクターを演じることが多かったですね。テレビのバラエティー番組でもふざけたり、自由にやらせてもらったりして「橋本祥平ってこういう人なんだ」という印象を皆さんに持ってもらえていたかなと。

そんな中でスヒョンのような繊細な役を任せてもらえるというのは、めちゃくちゃ嬉しいです!僕自身も普段とのギャップを見せれるというか、これから年を重ねていくうえで色んな役の幅が広がっていったら嬉しいですね。やっぱり、もう学生役とか出来なくなってくると思うので、役を通して自分に無い色んな感情の引き出しを教えてもらっている気がします。

ミュージカル『伝説のリトルバスケットボール団』橋本祥平インタビュー「早くまたバスケがしたい!!」

――スヒョンという役はどのように作り上げられていきましたか?

スヒョンはいじめを受けて自殺まで考えてしまうのですが、劇中で出てくるいじめのシーンとしてはそこまで酷いものは出てこなくて…。過激ないじめ描写が出てこない分、なぜスヒョンは思い詰めてしまったのだろうかとか、何がきっかけでそうなってしまったのだろうかという過去の部分やスヒョンの気持ちを作る作業を大切にしました。

――本作はキャストが6名のみで作り上げるミュージカルですが、皆さんでどのように作り上げていったのでしょうか?

大変でしたけれど、やりがいのある作品でした。皆、複数の役を兼ねているので暇な時間がないんですよ!僕は基本的にスヒョンの役のみだったので、ずっと役に集中していられたのはありがたかったですね。スヒョンを作り上げていく中でも周りのキャストに影響されることも多かったです。

――バスケットボールの練習などもされたんですか?

稽古が始まる前にバスケの事前練習とかもありました。(糸川)耀士郎や(吉高)志音がバスケ経験者で、稽古中もわからないこととか丁寧に教えてくれましたね!稽古終わった後も「シュート勝負しようぜ!」といって、遊び感覚も含めつつ技術向上させていった良い稽古場でした。稽古があんだけ大変だったのにプレビュー公演終わったのにもうボール触りたいです!もう本当に部活みたいでしたね!

――橋本さんはバスケの経験はなかったんですよね?

なかったですね。中学はハンドボール部で高校では部活には入ってなかったのでバスケは休み時間に皆で遊ぶくらいでした。なんか今回本作に参加して皆でやるからバスケって面白いな!って知りましたね。スヒョンも最初は運動が苦手でしたけど、だんだんバスケの魅力に気がついていって、それも「皆で一緒にプレーして試合に勝てた!」って喜びから、多分はまっていったんだと思います。

――今も時間があればバスケットボールに触りたいですか?

バスケしたいですね!ボール触りたいです!!シュート打ちたい!

――今作はプレビュー公演が2023年7月27日1日限りで、本公演は2024年2月、3月と結構間が開きますよね。

僕自身プレビュー公演自体が初めてだったので、本公演のつもりで挑みました。でも本公演は半年くらい先なんですよね。なんだか不思議な感覚です。
プレビュー公演は終わりましたが、今もスヒョンの気持ちや作品への思いは途切れていないです。気が付いたら楽曲を口ずさんだりもしちゃうんですよ。セリフもまだ言えますし、この感覚をずっと留めておきたいです。また作品に戻った時に、また違う風景やプレビュー公演の時とは違う受け取り方が出るんじゃないかなって思っています。良いバランスで半年間向き合っていきたいですね!

――プレビュー公演の時にファンの皆様からの感想などは届きましたか?

はい!ありがたいことに皆さんの心に刺さったという感想を本当に多くいただきまして嬉しかったですね。本公演前にこの作品の魅力を伝えるためにプレビュー公演を行ったと思うので大成功だったのではないかと思います。僕たちだけではなく公演を観に来てくださった皆さんで本公演を盛り上げていきたいですね。

――本公演も楽しみにしております。

プレビュー公演後に「プレビュー公演なのにこんなにクオリティ高いの!?」という感想も多くいただいたんです。すごくありがたいです。僕たちは1か月稽古をして本公演のつもりで挑みました。でも、そう思っている方たちには本公演へのハードルを上げてしまったのではと少しびくびくしてます…。でもこの作品の持っている力は凄くて、既に物語を知っていても感動すると思っています。1度見た方でも突き刺さる作品を作っていきたいです。

また本公演で初めて観る方は、出来る限り情報入れすぎずに純粋な状態で劇場に来ていただきたいです。ミュージカルなので歌はもちろんですが、演出のTETSUHARUさんはダンスにも力を入れています!歌って踊って、楽しくて叫んでしまうエンタ―ティメント作品になっております。ぜひ本公演を楽しみにしていてください。

文:一本柳歌織
スタイリスト:小林洋治郎(Yolken)
ヘアメイク:佐々木渚香

ミュージカル『伝説のリトルバスケットボール団』橋本祥平インタビュー「早くまたバスケがしたい!!」

ミュージカル『伝説のリトルバスケットボール団』公演情報

上演スケジュール

【東京公演】2024年2月15日(木)~2月25日(日) 草月ホール
【大阪公演】2024年3月2日(土)・3月3日(日) 松下IMPホール

スタッフ・キャスト

【作】パク・ヘリム
【作曲】ファン・イェスル
【オリジナル・プロダクション】アンサン文化財団、IM Culture

【演出・振付】TETSUHARU
【日本語上演台本・訳詞】私オム

【出演】
スヒョン役:橋本祥平、ダイン役:梅津瑞樹、スンウ役:糸川耀士郎、ジフン役:吉高志音
サンテ役:太田将熙・ジョンウ役:平野良

<バンドメンバー>
キーボードコンダクター:田中葵、ギター:朝田英之、ベース:澤田将弘、ドラム:足立浩

公式サイト

【公演サイト】 http://littlebasketball.jp/
【公式X(Twitter)】@_littlebasket

(C)リトルバスケットボール団 製作委員会

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