ミュージカル『October Sky-遠い空の向こうに-』インタビュー!甲斐翔真×阿部顕嵐×井澤巧麻×福崎那由他の心を動かす“原動力”


2021年10月6日(水)より、東京・シアターコクーンにて『October Sky-遠い空の向こうに-』が上演される。本作は、全米でベストセラーとなった元NASAの技術者ホーマー・H・ヒッカム・Jr.による感動の自伝小説「ロケットボーイズ」を原作とした青春映画をミュージカル化したもの。

アメリカでの2度のトライアウト公演を経て、日本で初演を迎える本作で、「ロケットを打ち上げたい」と夢を抱く4人の少年を、甲斐翔真、阿部顕嵐(7ORDER)、井澤巧麻、福崎那由他の4人の若き俳優たちが演じる。そんな彼らに、原作となる映画から受けた印象や、子どもの頃の“夢”・・・彼らを突き動かす原動力などについて、話を聞いた。

「素晴らしい映画」をミュージカルで伝えるということ

――まず、本作のお話を聞いて、どんなところに魅力を感じましたか?

甲斐:この作品は、自伝小説をもとにした青春映画をミュージカル化したものなんですよね。僕はまず、映画を拝見したのですが・・・とにかく、感動してしまって。仕事という枠を取っ払って、一つの素晴らしい映画に出会えた!と感じました。だからこそ、ミュージカルとして表現する時に、夢の持つことの意味、若い高校生たちが持つパワー、この作品が持つ魅力を壊さないようにがんばらなければと思いました。

阿部:僕も、お仕事の話を忘れて映画にのめり込んでしまいました。宇宙って、男性も女性も絶対一度は憧れるロマンを秘めたものだと思うんですよね。夢を描くキラキラも、逆境や挫折もちゃんと描かれている。もともと映画を観ることがとても好きなのですが、単純に「こんな素敵な映画あったんだ」と、出会えたことに感謝です。

井澤:今みたいにロケットが空を飛ぶことが当たり前じゃなかった時代、多感な高校生たちが見上げた宙(そら)って、すごくキラキラして見えたと思うんですよね。そして、父と息子、家族の愛や絆も、物語の大事なテーマとして描かれています。当時を感じられるもの、時を経ても変わらないもの、その両方を、ミュージカルを通してお客様にも感じてもらえたら嬉しいなと思いました。そこをみんなで大切に描いていきたいです。

福崎:希望や勇気をいただける作品ですよね。今回が日本初演ということで、この物語の登場人物たちみたいに、前例がないものに向かってしっかりと勇気を持って歩んでいって、僕たち自身からも勇気を与えられるような作品にしたいなって、すごく思いました。

――それぞれ、ご自身の演じる役と共通点はありますか?

甲斐:車とか、戦車とか、警察とか、少年心を燃やすようなものが昔から好きで。あの頃の気持ちを活かしたいです。「かっこいい」って、単純だけど強い憧れだと思うんです。僕が演じるホーマーは、大人に何を言われようと「ロケットを作りたい」という夢に突き進んでいきます。意思の強さは、共通点だと思っています。違うのは、父親との関係かな。僕の父は、ホーマーのお父さんほど厳格な父親ではなかったので、意外とやりたいことやらせてもらっていました。

阿部:僕は、昔からプラモデルを作ることがすごく好きで、熱中していた時期がありました。だから、規模は違えど、ロイがもの作りに夢中になる気持ちには、すごくよく分かります。そして、今の僕にもたくさんの夢がありますから、夢に突き動かされる気持ちにはかなり共感できますね。

井澤:僕が演じるオデルは、明るくてユーモア溢れる少年です。僕自身、今は割と落ち着いている方だと思うんですが、学生時代はどちらかというとやんちゃでした。でも、あんまりムードメーカー的な感じではなかったので、そこはしっかり役作りで作っていきたいなと思っています。

福崎:僕が一番クエンティンに共感したのは、探求心です。何かにのめり込んで、理性がきかないぐらい夢中になっちゃう、みたいなあの感じ。僕の中にも局所的にそういうところがあるので、それをクエンティンとして出していけたらなって思います。

子どもの頃、何を夢見てた?

――作品の中で、少年たちを突き動かす“夢”の力が描かれますが、皆さんは子どもの頃、どんな夢を持っていましたか?

甲斐:夢は、「仮面ライダーになること」でした。叶えました(笑)!

阿部:すごい、ちゃんと夢叶えたんだ。

甲斐:七夕の短冊に、「仮面ライダーになりたい」って書いてた。でも、その時は「絶対なる」みたいな意味じゃなくて、子どもの憧れみたいなものだった。でも、叶えられてすごく嬉しかった。

井澤:僕は・・・一番最初になりたかったものは、警察官かなあ。父親が警察官だったもので。

甲斐:へぇ~!芸能界に憧れたことはなかったの?

井澤:最初はなかったなぁ。兄弟が演劇をやっていて、その影響で興味を持ち始めたんだ。

――阿部さんと福崎さんは、幼い頃から芸能の世界にいらっしゃいますが、なりたかったものはありました?

阿部:なりたかったもの・・・、スターですね。ちっちゃい頃って、そういうものじゃないですか(笑)。単純に、有名になりたいなって思ってましたね。

井澤:流石、かっこいいな~。

福崎:僕は子ども服のモデルをやらせていただいていたことがきっかけで、芸能のお仕事をするようになりまして。物心ついた時にはこういうことをやっていたので・・・。

甲斐:なりたいものとか、なかった?

福崎:ちっちゃい頃、こっそり忍者になりたいって思ってた(笑)。

井澤:かわいい(笑)!叶えた?

福崎:まだ叶えてない(笑)。

甲斐:もしかしたら、この先で叶うかもしれないよ(笑)!何にでもなれるのが俳優だから。

初共演、第一印象の行方はどうなる?

――皆さん、初共演ですが良いチームワークですね。

井澤:みんな人見知りだったんですけど、年齢が近いので仲良くなれそうだなと思いました。第一印象は・・・。

甲斐:(井澤さんと目が合った甲斐さん)「デカい」でしょ・・・(笑)。

井澤:(笑)。王子様感があるよね。ハニカミ笑顔が、ディズニー映画の王子様みたいだった。

阿部:確かに、身長と顔にギャップがある(笑)。あと、甲斐くんはすごくフランク。

福崎:僕は、事務所が同じなんですが、去年の『ハンサムライブ』で、一緒のユニットに参加させてもらったんですね。その時は、すごく兄上感がありました。頼りがいがあって、引っ張ってくれるんです。

甲斐:大丈夫かな、急に心拍数が上がってきた(笑)。

――せっかくなので、皆さんはお互いに最初どんな印象を抱いていたのか聞かせていただけますか?

井澤:福崎くんはすごく礼儀正しくて、すごく真面目そうだなと思っていました。ミステリアスだなって。

阿部:僕も、静かな子だなって思いました。

甲斐:おとなしいけど、テンション高い時もあるよね。たまにワー!って盛り上がっている気がする。でも、比率で言う99対1な感じ。

阿部:明るい時がレア(笑)。

井澤:僕、みんなと初めて会ったのがビジュアル撮影の時で、阿部くんのあとだったんだよ。だからずっと見ていたんだけど、めちゃくちゃかっこよかった!

福崎:僕も、その撮影しているところを見させていただいていたんですが、佇まいだけで雰囲気すごく出ていて、めちゃめちゃ映えてました(笑)。めちゃくちゃかっこよかった。

阿部:嬉しい、男性にそう言ってもらえるのはめちゃくちゃ嬉しい。

甲斐:役のまんまって感じ。学校にいたら、絶対イケイケだよ。

阿部:悪友になる(笑)?

甲斐:なろう(笑)。

阿部:井澤くんは、話すの好きなんだろうなって思った。会話にもどんどん入ってきてくれるし、きっと掘れば、まだまだたくさん面白い面が出てきそう。

甲斐:その笑顔の奥に何かが・・・!

井澤:いやいや、ないよ!たまに「すごい腹黒そう」って言われるんだけど、そんなことはまったくないし、何にもないので安心してください(笑)。

福崎:井澤くんはすごく話しかけやすいし、場が明るくなるから、いてくれると嬉しい。

井澤:がんばって那由他くんを笑わせます(笑)!テンション高い1割を引き出すよ(笑)。

この瞬間のために、この仕事をしているんだって思える“原動力”

――では、最後に皆さんの“原動力”を教えてください。

井澤:僕は、一つは憧れだと思っていて。例えば、僕は音楽が好きなんですが、きっかけはミスチル(Mr.Children)さんのライブに行って衝撃を受けたことでした。憧れの人がいる、そこに近づきたい、というのが自分を突き動かす最初の原動力だった気がします。そして、背中を押してくれるのが応援の声です。稽古中とかつらいと思うこともあるんですけど、お客様が喜んでくれている姿を見ると、がんばってよかったって、いつも思えるから。「憧れ」と「応援」に常に助けられていると思います。

阿部:僕の場合は、何事もゴールが見えていることかな。この作品もそうですが、お客さんの前で「披露する」というゴールがあるから、走り続けられる。あとはやっぱり、好きだから。単純な理由ですけど。

福崎:僕はまだ、あまり舞台経験はないんですけど、映像の場合でもオンエアされた後にファンの方から手紙をいただいた時に、ものすごく充実感を得られました。自分が誰かの心を動かせたという嬉しさと、「感動したよ」と伝えてくださる方々の声がまた、自分のエネルギーになるんだなって思いました。

甲斐:僕も、やっぱりお客様が喜んでくださることが一番。心が動いているって感じる瞬間・・・例えば、拍手だとか、笑顔とか、涙とか。そういうお客様の顔を見ると、僕は、この瞬間のために、この仕事をしているんだって思えます。もちろん、自分が演じるの「好き」ということも大きいんですけど、それ以上にいただくエネルギーも大きくて。与えて、与えてもらって、そういう循環が、何よりの原動力です。この作品でも、そういう循環が生まれる瞬間に立ち会えるといいなと思います。

『October Sky-遠い空の向こうに-』公演情報

上演スケジュール

【東京公演】2021年10月6日(水)~10月24日(日) Bunkamuraシアターコクーン
【大阪公演】2021年11月11日(木)~11月14日(日) 森ノ宮ピロティホール

スタッフ・キャスト

【上演台本・訳詞・演出】板垣恭一
【脚本】ブライアン・ヒル&アーロン・ティーレン
【作詞作曲】マイケル・マーラー

【出演】
甲斐翔真 阿部顕嵐(7ORDER)/夢咲ねね/栗原英雄 朴璐美
中村麗乃(乃木坂46) 井澤巧麻 福崎那由他
畠中洋 青柳塁斗 筒井俊作 礒部花凜
中本雅俊 角川裕明 大嶺巧 秋山エリサ 國末慶宏 砂塚健斗 Sarry

【公式サイト】https://october-sky.jp/



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