ノックノックス『おぉーい。』


あらすじ

—— ねぇ、知ってる? 届かない声なんてないんだよ。

ものがたりをはじめるまえに

夏休み、ぼくはおじいちゃんの家へとつれてこられた。つれてこられたって言い方をしているのは、お父さんにむりやりこさせられたようなものだから。お父さんはおじいちゃんの家にぼくを残してすぐに行ってしまった。たぶんきっと、お仕事なんだと思う。

おじいちゃんもおばあちゃんもきらいじゃない。おじいちゃんはトラックの荷台で遊ばせてくれるし、おばあちゃんのつくるごはんもおいしい。でもおちゃわんやおはしが古いのがちょっとやだな。おはしの先っちょになんだかわからない黒いのがついている。

今日は昼すぎまでごろごろとねたりおきたりしてた。そしたら、むかーしお父さんが使っていたものだって言って、おじいちゃんがほこりだらけの虫かごとあみを出してきた。ちょっとひまだったのでぼくはうれしかった。そんなぼくを見たおじいちゃんはもっともっとうれしそうだった。ずかんで読んだことがある。虫は〝ヤコウセイ〟だから、夜に動くんだって書いてあった。そりゃ昼に動くのもいるけど、カブトムシとか、クワガタとか、かっこいいのはみんな夜に動く。おじいちゃんとおばあちゃんがねたのをかくにんすると、ぼくはかいちゅう電灯を持って森へ出かけた。

夜の森は、昼とぜんぜんちがって見えた。何ていうかこわい。ふつうにこわいんじゃなくて、めちゃくちゃこわい。かいちゅう電灯のあかりだけじゃ、このまっくらな世界に飲みこまれてしまいそうになる。それでもぼくは前へすすんだ。こわいこわいこわい。でも引きかえすのはいやだ。こわいこわいこわい。帰るもんか。こわいこわいこわい。みぎ、ひだり、みぎ、ひだり。こわいこわいこわい。みぎ、ひだり、みぎ、ひだり、こわいこわいこわい。それでもぼくは足を前へと出しつづけた。だって、ぼくのぼうけんはまだはじまったばかりなんだから。

公演情報

上演スケジュール

2021年8月4日(水)~8月8日(日)
テアトルBONBON

出演

若菜
田野聖子
八代進一(花組芝居)

声の出演:藤谷みき(青年団)

スタッフ

作・演出・作曲:ヤストミフルタ

主催

主催名

公式リンク

公式サイト:https://knock-knocks.jp/
公式Twitter:@knock_knocks0



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