2021年8月14日(土)に大阪・丸善インテックアリーナ大阪にて『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage -Battle of Pride-が開幕した。本作は、ヒプステ初のライブ公演となっており、ここまでのシリーズ公演に登場した全キャラクターが初めて一堂に会する。本記事ではゲネプロの模様をレポートする。
(以下、一部楽曲名に触れています)
キングレコード EVIL LINE RECORDSが手掛ける音楽原作キャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』(通称:ヒプマイ)を舞台化した本シリーズは、2019年11月に第1弾となる-track.1-を上演後、-track.2-、-track.3-、-track.4-が上演されてきた。
武力による戦争は根絶されたH歴。人の精神に干渉する特殊な「ヒプノシスマイク」によって優劣を決する世界で、男性は「中王区」以外のイケブクロ・ディビジョン、ヨコハマ・ディビジョン、シブヤ・ディビジョン、シンジュク・ディビジョン、オオサカ・ディビジョン、ナゴヤ・ディビジョンなどの区画で生活し、領土獲得のため各ディビジョン代表のMCグループがバトルを繰り広げている。
-track.4-では、イケブクロ・シンジュク・ヨコハマ・シブヤの4つのディビジョンが顔を合わせたが、今回はそこへ-track.3-で登場したオオサカ・ナゴヤが加わるほか、アカバネ・ディビジョン、アサクサ・ディビジョン、道頓堀ダイバーズ、糸の会と、作品世界を広げた舞台のオリジナルキャラクターたちが集結。映像出演を含めて全28名のプライドが、音楽の上でぶつけ合う。
照明が落ちオープニングの幕が開けると、口上と共に山田一郎(高野洸)、碧棺左馬刻(阿部顕嵐)、飴村乱数(世古口凌)、神宮寺寂雷(鮎川太陽)、白膠木簓(荒牧慶彦)、波羅夷空却(廣野凌大)、各ディビジョンのリーダーたちにスポットが当たる。
1曲目「Battle of Pride」で各ディビジョンのメンバーが次々に「Make it bounce!!」と畳み掛け、“存在証明せよ!”と言わんばかりに広い会場を煽っていく。きっとシリーズが始まった当初からヒプステファンが願っていた光景が、ついに実現した。
初っ端から、イケブクロ・ディビジョン“Buster Bros!!!“の「Counterfeit Busters」、イケブクロ・ディビジョン「Trigger Off」「MAD TRIGGER BOX」と-track.1-を代表する楽曲が競い合う。高野が演じる山田一郎と、阿部が演じる碧棺左馬刻の間に横たわる強烈な感情。二人を中心に、2ディビジョンの巧みなライブパフォーマンスが言葉以上に激しさをむき出しにする。
-track.1-を振り返る上で大きいのがアカバネ・ディビジョン“North Bastard”だろう。彼らの佇まいがヒプステの成功を支えたと言っても、きっと過言ではない。堂庵和聖役を演じる岸本勇太のスペックが存分に発揮されるエモーショナルな時間も再び体感することができる。
「Trap Of “Fling”」でシブヤ・ディビジョン“Fling Posse”が登場すると、会場の空気がさっと変わる。飴村乱数役を演じる世古口が本作で卒業することが決まっていたり、夢野幻太郎役の前山剛久は映像出演になっていたりするが、ポッセはやはり3人でポッセ。きっと、観客のFのピース!ハンドサインがすべての距離を埋めてくれることだろう。
毒々しくもポップに染まりきった空気を、「Blast Wolf」で一新するのが、シンジュク・ディビジョン“麻天狼”の持つ大人の魅力。長い髪をダイナミックに捌く神宮寺寂雷役の鮎川を中心に、自分たちのペースへと引き込んでいく。
-track.2-より、鬼灯甚八役の加藤良輔率いるアサクサ・ディビジョン“鬼瓦ボンバーズ”も、ヒプステに欠かせない存在に。「アサクサBounce」の「セイヤッ!ソイヤッ!アサクサッ!!」の掛け声が生む祭りムーヴは、この夏のハイライトになりそうだ。
続いて本拠地・大阪で際立つ、オオサカ・ディビジョン“どついたれ本舗”の曲者感。「オオサカ24金マジック」を、荒牧演じる白膠木簓が軽快な関西のノリを炸裂させると、すぐさまナゴヤ・ディビジョン“Bad Ass Temple”が「B.A.T Strike Back Against」で荒々しい波を起こす。波羅夷空却役の廣野を筆頭に、ナゴヤのパフォーマンスはよりライブ映えする仕上がりになっていた。
-track.3-に登場した男子高校生ユニット・道頓堀ダイバーズの登場は、ほっとする瞬間。かわいらしくも、個々の能力がいかんなく発揮されている。最後に登場する、新興宗教“糸の会”の教祖・大蜘蛛弾襄役の植野堀誠が見せる、あまりの掌握力に思わず入信してしまいそう。いや、してた。すべては蜘蛛の糸の導きのままに・・・。
後半も、これまでのヒプステの歩みを振り返りながら、さらにショーアップされたステージが続く。見逃せないのが、時に大工になり、時にホストになり、時に高校生にもなるディビジョン・ダンス・バトル“D.D.B”の面々の七変化ぶり。彼らの存在が、ヒプステの持つパワー出力を無限に引き上げていく。後半のリズムを上げていく怒涛のダンスパフォーマンスは圧巻だ。
そして、ライブ限定の新衣裳<Battle of Pride Special Styling>で繰り広げられる「Gimme The Mic」「Don’t Pass The Mic」「Crush Your Mic」「Fight 4 your Pride」・・・。全員、黒を基調としながらも「個」を強調したスタイリングが、キャラクターの魅力と積み重ねてきたドラマを際立たせる。そこに加わる、聞くだけで脳が沸騰しそうなぐらい気持ちをブチ上げてくれる楽曲の力。-track.1-から-track.4-まで、ヒプステというコンテンツの力がすべて結集した瞬間がそこにあった。
高野曰く「全員が主役」。まさにその言葉どおり、総力戦のパフォーマンス。ヒプステの魅力がこれでもかと詰まった全35曲。約2時間で、ヒプステの一つの集大成と未来を繋ぐ一歩がクロスオーバーしていった。
『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage -Battle of Pride-は、8月14日(土)・8月15日(日)に大阪・丸善インテックアリーナ大阪、8月24日(火)・8月25日(水)に横浜・ぴあアリーナ MMにて開催。
なお、全公演ABEMAとシアターコンプレックスで配信されるほか、千秋楽公演がCS日テレで生中継されるほか、<Blu-ray&DVD、ビジュアルブックも2022年1月5日(水)に発売決定。さらに、本公演テーマソング「Battle of Pride」が各種音楽配信サービスで8月24日(火)24:00より配信スタートとなる。
(取材・文/エンタステージ編集部 1号、写真/オフィシャル提供)
コメント紹介
◆高野 洸(山田 一郎役)
場当たりにて、ドでかい会場でのド派手な演出に興奮しました。全員が主役です。
役だけではなく、普段から”カッコいい”を追究しているキャストがそんな演出を纏う姿は、エンタメ好きの方にはぜひ観ていただきたいライブになっています。気が抜けない日々が続いていますが、観てくださる方にとって全て忘れられるような時間になればいいなと思います。応援よろしくお願いします!
◆阿部顕嵐(碧棺 左馬刻 役)
こんな時だからこそ顔を上げて、エンターテイメントの力を信じて、未来へ繋いでいきましょう。
◆世古口 凌(飴村 乱数 役)
いよいよ決戦の日です。個人的には舞台ヒプノシスマイクの集大成であり第1章の完結なのかなとも思います。
今この瞬間を大切に、カンパニー全員でお客様一人一人にヒプステ魂を届けます。
シブヤの応援よろしくね〜!
◆鮎川太陽(神宮寺 寂雷 役)
いよいよ、本日開幕です!track.4の千秋楽で発表されてからこの日をものすごく楽しみにしていました。ヒプステに登場した全キャラクターが勢揃い、圧倒、圧巻、圧勝です。たくさん、楽しんで最高の夏にしてください!
全力でパフォーマンスをしますので、シンジュクが出てきたら狼のハンドサイン掲げて、応援してくださいね!
※「いま見られたかも?」は錯覚ではないですよ〜ちゃんと見てますよ☆
◆荒牧慶彦(白膠木 簓 役)
いよいよヒプステ全ディビジョンが集うライブが始まります。僕自身、生では初めて観るディビジョンの曲を稽古場で目の前で感じた時、とても興奮しました。どのディビジョンもカッコ良く、盛り上がれる曲ばかりです。
その中に佇むオオサカのくせ球っぷりも目立っております(笑)。
声を出すことはこのご時世柄難しいですが、心の中で共に大はしゃぎしましょう!
◆廣野凌大(波羅夷 空却 役)
ヒプステ全ディビジョン揃ってのお祭りLIVEということで、非常にテンションが上がっています。
Battle of Prideという名の通り各ディビジョンが積み上げてきた誇りをかけて、しかし同時に一丸となって、このお祭りを大成功させたいなと思っております。でもナゴヤが一番です。よろしくお願いします。
◆植木 豪(演出)
ヒップホップの新しい可能性を世界に生み出してくれたヒプノシスマイク!!!そして舞台化されたヒプステがずっとここまでステージでバトルしてきたパフォーマンスがフルメンバーで集結いたします。
集大成であり新たな1ページとなるこのライブで皆様とヒプノシスマイクの世界に飛び込めたらとても嬉しいです!
◆KEN THE 390(音楽監督)
これまでに登場した全キャラクター集合、圧巻のライブ。
これまでのヒプステの歩みを振り返りながら、同時にこれから先の展開がさらに楽しみになるようなステージです。数々の舞台で磨きをかけてきた俳優陣のラップスキルと、ヒプステ楽曲の魅力をぜひ全身で体感してください!
ライブ配信
【配信スケジュール】
8月14日(土)18:00 オリジナルスイッチング Day/ABEMA
8月15日(日)13:00 サービスモニターDayシアターコンプレックス
8月15日(日)18:00 サービスモニターDay/シアターコンプレックス
8月24日(火)18:00 サービスモニターDay/シアターコンプレックス
8月25日(水)13:00 サービスモニターDay/シアターコンプレックス
8月25日(水)18:00 オリジナルスイッチング Day/ABEMA
※オリジナルスイッチング Dayとは
多方面からのアングル映像をオリジナルスイッチングで構成
※サービスモニターDayとは
会場に設置されているモニターに映し出される映像と同内容で構成
【配信プラットフォーム】
ABEMA:https://abema-ppv-onlinelive.abema.tv/posts/19496666/
シアターコンプレックス:https://theater-complex.jp/movie/series/49
千秋楽テレビ生中継
【放送局】CS日テレプラス
【放送日】2021年8月25日(水)18:00千秋楽公演
https://www.nitteleplus.com/program/hypnosismic-stage_SP2021/
『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage -Battle of Pride-
上演スケジュール
【大阪】2021年8月14日(土)・8月15日(日) 丸善インテックアリーナ大阪
【横浜】2021年8月24日(火)・8月25日(水) ぴあアリーナ MM
スタッフ・キャスト
【原作】EVIL LINE RECORDS
【演出】植木豪
【音楽監督】KEN THE 390
【テーマソング】井手コウジ
【出演】
<イケブクロ・ディビジョン“Buster Bros!!!“>
山田一郎:高野 洸 山田二郎:松田昇大 山田三郎:秋嶋隆斗
<ヨコハマ・ディビジョン“MAD TRIGGER CREW“>
碧棺左馬刻:阿部顕嵐 入間銃兎:水江建太 毒島メイソン理鶯:バーンズ勇気
<シブヤ・ディビジョン“Fling Posse”>
飴村乱数:世古口 凌 夢野幻太郎:前山剛久(映像出演) 有栖川帝統:滝澤 諒
<シンジュク・ディビジョン“麻天狼”>
神宮寺寂雷:鮎川太陽 伊弉冉一二三:荒木宏文 観音坂独歩:宮城紘大
<オオサカ・ディビジョン“どついたれ本舗”>
白膠木 簓:荒牧慶彦 躑躅森盧笙:里中将道 天谷奴 零:東山義久
<ナゴヤ・ディビジョン“Bad Ass Temple”>
波羅夷空却:廣野凌大 四十物十四:加藤大悟 天国 獄:青柳塁斗
<アカバネ・ディビジョン“North Bastard“>
堂庵和聖:岸本勇太 狐久里梁山:南部海人 蛇穴健栄:松浦 司
<アサクサ・ディビジョン“鬼瓦ボンバーズ”>
鬼灯甚八:加藤良輔 駒形正宗:和田泰右 影向道四郎:結城伽寿也
<糸の会>
大蜘蛛弾襄:植野堀 誠
<道頓堀ダイバーズ>
小鳥遊ハル:星乃勇太 綿本裕孝:北乃颯希 茜ヶ久保遼太郎:髙橋祐理
<ディビジョン・ダンス・バトル”D.D.B”>
Toyotaka RYO gash! SHINSUKE HILOMU Dolton KENTA GeN KIMUTAKU
【公式サイト】https://hypnosismic-stage.com/
【公式Twitter】@hm_rtstage
(C)『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage 製作委員会