【役者名鑑】第1回:岡本悠紀<後編>「2.5次元舞台で感じた“熱い青春”」

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役者さんの人生や熱意をつまびらかにする新企画「役者名鑑 on Youtube」第1回の後編。今回のゲストスピーカー、岡本悠紀さんの役者人生について、前半では役者という職業への出会いと決意、挫折から喜びまで、赤裸々に語っていただきました。

後半では、岡本さんにとっての大きなターニングポイントや、近年2.5次元ミュージカルに活動の場を広げて感じていることなどをお伺いしました。

 

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目次

楽しかった舞台がさらに楽しくなった

――後半では、岡本さんの現在や未来について掘り下げさせていただきたいと思います。前半では、役者を目指したきっかけや挫折や喜びなどを語っていただきましたが、振り返って「ターニングポイント」になったと思う舞台はありますか?

ミュージカル『グレイト・ギャッツビー』のマイヤー・ウルフシャイム役です。この作品では、初めて最初から最後まで一つの役として生きたんですね。それまではアンサンブルとして舞台に立たせていただいていたので、出る場面によって役作りが違っていたんですよ。例えば、初舞台の『ミー&マイガール』ではコックや紳士と、いろんな役をやらせていただいていました。

同じ舞台に立つという意味ではアンサンブルも役付きも変わらないんですが、(一つの役として生きることで)舞台の景色が変わって見えたんです。全てのシーンに繋がっているし、プリンシパルとのやり取りも増える。それは、役作りの面白さに対する目覚めであり、いろんな役として生きてみたいと思った瞬間でした。もちろん、アンサンブルの時から楽しくてしょうがなかったんですけど、役付きになるとさらに面白いなと思える機会が増えたんですね。あれが舞台に立つ意識が変わったターニングポイントかなと思います。

――最近では、2.5次元作品へのご出演が続いていますが、活躍の場を広げることで改めて感じることはありますか?

まず思ったのは、目の保養(笑)。2.5次元に飛び込んでみたら、顔が整ってる人が多くて「なんじゃこりゃ!」と驚きましたね(笑)。それから、僕が出させていただいている作品は叫ぶことが多くて。2.5次元では絶対に負けられない戦いと熱い青春が繰り広げられまくるんですよ。これはグランドミュージカル作品ではなかなか味わえない感覚で。学生時代の熱いアメフトの試合がすっごく蘇りますね。

イギリス紳士とか、普段とは違う生き方ができるのも面白いんですが、アドレナリンが出るような感じが自分の気質に合っていたんでしょうね。目の保養、アメフトをやっていた頃が蘇る熱さ、原作の素晴らしさ、キャラクター・・・いろんなプラスの要素が重なって、もともと楽しかった舞台がさらに楽しくなりました。2.5次元舞台で生きると、すごく景色がキラキラ輝いて見えるんです。そんな感じで、楽しく舞台に立たせていただいています 。

 

――岡本さんにとって初の2.5次元作品出演となった「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stageのプレゼント・マイク役は一声目からとても印象的でした。演じていて、印象的だったことを教えていただきたいです。

「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stageでは、初めて日替わりコーナーを任せていただいたんですよ。プレゼント・マイクは、ストーリーテラー的役割も持っているんですね。そういうこともあり、イレイザー・ヘッド役の瀬戸祐介くんと僕で一公演5分くらいやっていました。

これ、日替わりなので公演の数だけネタを考えなきゃいけなかったんです(笑)。本編には直接関係ない、でも、ちゃんと作品に沿った内容になっていなければいけない。5分間自分たちだけで話をすること自体がすごく勉強になりましたし、作品を深掘りできる機会でもあるなあと思いました。イレイザー・ヘッドのこともどんどん好きになるし、日替わりネタを考えるのはすごい楽しかったです。日替わりコーナーを持たせていただけたことから、それまでなかった引き出しも増えた気がします(笑)。演出の元吉(庸泰)さんには感謝ですね。

――リアルファイティング「はじめの一歩」The Glorious Stage!!では、またガラリと違う岡本さんを観ることができました。

あはは(笑)。僕自身はこんなハッピーな感じなんですけど、「はじめの一歩」では“死神”という異名を持つ間柴 了という強いボクサーを演じさせていただきました。僕、ボクシングはやったことがなかったので、いろんなボクサーの方の映像を見たり、ボクシングジムに通ったりして役作りをしましたね。

あの時期は、ボクシングの魅力に取り憑かれていました。ちなみに、「はじめの一歩」はこれまで経験してきた舞台の中で、一番酸素が足りませんでしたね。舞台上でこれほど燃え尽きることはなかった・・・という感覚に陥りました。

それから、本編とは全然関係ないんですが、「お兄ちゃんっていいな」と思っていました(笑)。僕は兄・姉・兄・僕という四人兄弟の末っ子なのですが、間柴には久美ちゃんという妹がいるんですよ。(日向)未来ちゃん演じる久美ちゃんとの関係性を通して、意外と自分の中にもお兄ちゃん気質があるのかも、って思っていました。

「テニミュの魔法」にかけられて

――昨年末からは、ミュージカル『新テニスの王子様』The First Stageという新しい環境にも身を置かれました。

新テニミュのキャストは初舞台というだけでなく、全身スポンジみたいな人がいっぱいにいるんですよ。今回、「ボーカルキャプテン」としてみんなに歌のアドバイスをする立場にあるので、個々に触れ合う機会が多いんですが、その場ですぐに「こうですか?」って変わっていく姿を目の当たりにしてきました。日々、皆の成長を見て「最高だな、お前ら・・・!」って袖中でも思っています。

初舞台の子たちがものすごい速度で成長していく姿を見ていると、自分も「まだまだ成長していかなきゃ」「アドバイスしてる場合じゃない!」って思いも湧きます。成長を見守る親心みたいな気持ちもあるんですけど、「俺もやってやるからみてろよ」って触発されています。相乗効果ばかりの舞台ですね。新テニミュ、最高!

――新テニミュで早速“お兄ちゃん気質”が発揮されているような雰囲気を感じます(笑)。

尊敬する素晴らしいコーチの方々の他はみんな可愛い弟みたいなんですよね。人懐っこいし、いい奴らしかいなくて。休憩中とか稽古に関係ない時間でも「悠紀さん、聞いてもらえないですか?」って言われると、必然的にお兄ちゃんモードが発動して優しい気持ちになれるんですよ(笑)。ふざけあっていじりあってる時も、ボーカルキャプテンとして携わってる時も、みんな可愛い弟すぎてお兄ちゃん発揮しまくりです(笑)。

――岡本さんは、Twitterなどでよく「テニミュの魔法」とおっしゃっていますよね。

僕がテニミュを初めて観たのは、3rdシーズン最後の立海後編公演だったんですが、熱い試合を繰り広げる姿に、胸がいっぱいになったんですよ。グランドミュージカルにはないような台詞・・・例えば「俺様の美技に酔いな」みたいなキャッチーな台詞や歌が飛び交って。しまいには彼らが客席に降りてきてくれる!男性に対してときめくというか、かっこいい!ってなったのが初めてに近い感覚だったんです。かっこいいキャラクターたちのキラキラを浴びて、熱い試合に胸打たれて、『テニスの王子様』の世界観を同じ空間の中で感じることができる。素晴らしかったんですよね。僕が『エリザベート』を観た時に感じた衝撃に近いものがありました。

観に行った時は、まさか自分が出ることになると思いもしなかったんですけど、こうして今、新テニミュに出演させていただいて思うのが、あのキラキラを作っていく過程もまた、超面白い!素晴らしいカンパニーです。演出家の上島雪夫さんも、プロデューサーさん、みんながテニミュに対して凄まじい愛情を持っている。作品に対してここまで誰もが愛情を注いでいるのを如実に感じられるのは夢のような空間ですし、そういうバトンを僕も引き継いでいかなきゃと、責任感もすごく強くなりました。

キャラクターがかっこいい、歌がキャッチーで超覚えやすくて楽しい、熱いドラマがいっぱいある。ライブエンターテインメントとしてそれがまとまるとネバーランドみたい。永遠に続いてほしいと思ってしまいます。

自分が出ていないシーンでもすごく見たくなっちゃって(笑)。袖中でこれほど楽しかった舞台は少ないんですよ。オンもオフも、舞台が終わった後も楽しい夢みたいな空間=テニミュの魔法かな。説明するのが難しいけど、毎日がこんなに楽しくなってしまったっていう意味では、もう魔法にかけられちゃってます!

「感動」をお客様に還元したい

――これから先の岡本さんのご活躍も楽しみなのですが、今後挑戦したいと思っていることはありますか?

今は、2.5次元舞台の虜です(笑)。2.5次元舞台は、世界に誇れる日本のエンターテインメントだと思っているんですよ。漫画という日本の文化を背負って自分が社会貢献できる、すごく誇れる仕事。魅力しか感じない世界ですよ。だから、もっといろんな2.5次元舞台に出てみたいなという思いはあります。

それから、2.5次元舞台に携わるようになって、たくさんアニメを見るようになったんですよ。学生の頃は、アニメといえばコアな人が見るものというイメージが強かったんですが、「僕のヒーローアカデミア」を見始めてからはアニメの概念がすごく変わりました。この人いい声だなと声優さんへ興味を抱くようになって、その声優さんが他のアニメではどんな声をしているんだろう?と調べたりするようにもなりました。

例えば、山寺宏一さんは七色の声をお持ちで本当に素敵だと思うんですよね。新テニミュでご一緒させていただいている岸(祐二)さんも声の仕事をされていて。声優さんのお芝居って、舞台でも圧倒的に声に深みがあるんですよね。自分の中にもそそられるものがあるので、いつか声のお仕事もしてみたいなと思っています。

――将来的に演じてみたい作品や役はありますか?

欲張りなので、出たいものはいっぱいあります(笑)。例えば、グランドミュージカルなら『ロミオ&ジュリエット』の楽曲が大好きなのでいつか出てみたいですし・・・。やったことのない役をたくさん演じてみたいです。

鬼十次郎は、自分が過去かっこいいなと思った優しくて強い先輩を自分の中に投影しながら演じているんです。一方、「はじめの一歩」の間柴は自分の引き出しにはあまりない部分からアプローチしました。どちらも役作りの過程は違うんですけど、やったことのないタイプの役だったので、とても面白かったです。現実とはかけ離れたおどろおどろしい役もやってみたいし、女性的な柔らかい役もやってみたいですし、跡部景吾みたいな二枚目の役もやってみたい。普段の自分とはかけ離れたところで生きられるというのも俳優の醍醐味ですよね。

――10年後、どんな自分になっていたいですか?

難しいなあ。10年後だから、42歳ですね。かっこよく歳を重ねられていたらいいな。僕って、かっこよさというよりは、面白さ、スパイスとして求められていると思うんですよ。だから、40歳を超える頃にはもっとその味に深みを出せるようになっていたらいいなって思います。「こういう人、必要だな」と思ってもらえる部分を確立していたいです。

――最後に、岡本さんの“座右の銘”を教えてください。

「初心忘るべからず」です。僕の母が、よく「何事にも感謝しなさい」って言うんですよね。僕が宝塚を初めて観た時の感動や熱さ、出会えたことへの感謝って、この仕事をする上で永遠に忘れちゃいけないと思っているんですよ。あの感覚を、自分が舞台に立った時にもお客様に還元したい。いつも、一番後ろの席でも、一番端の席でも、何かを持って帰っていただけるようにしたいと思いながら、僕は全力で舞台に立っているんですが、それって、舞台に立つことを日々の作業のように感じてしまうと絶対に生まれないと思っています。年齢を重ねて、下からいろんな俳優が出てきて、教える立場になったとしても、学ばなければいけないことはあり続けます。だから、一生学習し続けたいですし、初心を忘れないでいたいと思っています。

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