2020年9月25日(金)にWBB第17回公演『川崎ガリバー once again』が、東京・こくみん共済coopホール(全労済ホール)/スペース・ゼロにて開幕した。本作は、佐野瑞樹と佐野大樹による兄弟ユニット・WBBが2013年に初演したタイムトラベル“ノンストップ”コメディ。今回は、山本亮太(宇宙Six/ジャニーズJr.)を主演に迎え、アクション満載で上演する。
以下、初日前に行われた公開ゲネプロについて、オフィシャルレポートを紹介。
同ユニット第14回公演『Secretcode~幻のゲームオーバー~』でも主演を果たした山本が、主人公・川崎明を演じる。ほか、神里優希、松井勇歩(劇団Patch)、水野ライアンビンセント、初演から続投の根本正勝、川本成(時速246億)、佐野大樹らが脇を固めた。
資産をつぎ込みタイムマシンを完成させた若社長と天才科学者が、さらなる資金調達のために徳川の埋蔵金を狙って江戸時代にタイムスリップ!軽い気持ちで幕府転覆に手を貸したことから、歴史の歯車を狂わせてしまう・・・。
明るくピュアな役の多かった山本が、強引・強欲でお調子者のボンボン社長・川崎明を演じる姿が、まず新鮮だ。相棒となる天才科学者や、江戸時代の浪人たちをも振り回し、序盤は観客をハラハラさせる。だが自分本位な行動によって失った大切なものを取り戻すため、必死にタイムスリップを繰り返す。
後半になると、山本の持っているヒーロー気質が徐々に開花していく。セリフ量が膨大な上、アクションや早替えシーンも多数。息つく間もなく走り続ける山本と主人公の姿が自然と重なり、舞台から伝わる熱気がクライマックスの興奮を増幅させた。
向井公平役の神里は、わがままな明に振り回されつつ、一方でその状況を楽しんでいるようにも見えるという大らかな魅力を好演。山本と神里の軽快な掛け合いやコンビダンスも見所の一つだ。チュウヤ役・松井は、見事な槍殺陣と気迫あふれる演技で歴史劇としてのリアリティーをもたらし、ライチ役・水野ライアンビンセントは優しさの中に秘めた強さを感じさせてくれた。
根本は静かな佇まいのトキムラ役を、川本はテンポよく動き回るジュウゴ役を、初演から続投。ふたりの絶妙なバランス感が舞台を支えた。初演では向井を演じた佐野大樹はハンゾウ役で出演。主人公に立ちはだかるラスボス的存在でありながらコメディ要素もたっぷりという敵役で、WBBらしさを色付けた。
現代人が江戸時代で巻き起こすズレた行動で笑わせながら、“幕府転覆計画”という史実をうまく生かしたアッと驚く展開もあり、最後の最後までワクワクが詰め込まれたエンターテイメント作品。ぜひ劇場に足を運び、彼らと共に、閉じこもっていた日常からタイムスリップしてほしい。
WBB vol.17『川崎ガリバー once again』は、9月25日(金)から10月4日(日)まで東京・こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロにて上演。上映時間は1時間40分(休憩なし)。当日引換券発売中(https://l-tike.com/wbb17/)。
なお、本作ではWBB初のライブ配信も行われる。対象公演は、10月4日(日)16:00公演。チケット価格は3,500円(税込)。アーカイブは10月6日(火)23:59まで。
配信チケットはこちら:https://l-tike.com/wbb17streaming/
あらすじ
とある研究室。今まさにタイムマシン装置が完成しようとしている。
父の逝去により大企業のトップに就任した川崎明は、「簡単に金儲けが出来る!」と有頂天!
開発者、向井公平の制止もお構いなしに早速タイムスリップを試みると無事に成功!・・・と、安堵したのも束の間。
二人が辿り着いたのは、なんと江戸時代だった――!
一儲けを企む若社長。その暴走を監視する科学者。幕府転覆を目論む浪人。徳川に忠誠を誓う忍。
様々な思惑が絡み合い、二人は刻まれた歴史と対峙することに・・・。
時の奔流に飲み込まれた未来からの珍客を待ち受ける運命とは!?
コメント紹介
◆山本亮太(宇宙Six/ジャニーズJr.)
とにかく初日を迎えることを楽しみすぎてる僕、山本亮太です!!!
とにかく物語、お芝居、殺陣、ダンス、盛りだくさんな『川崎ガリバー』の良さを届けられるようにみんなで楽しくがんばっていきます!
そしてとにかくパンフレットが良すぎて・・・。
ほんとにとにかく尽くしなのでみんな無事で笑顔で千秋楽まで突っ走っていきます!
◆佐野瑞樹(演出)
いよいよ初日となりました。この稽古のしづらい状況下で僕の想像していた以上の出来栄えになりました!
一体なぜだろうと振り返ってみると答えは簡単でした。
キャストの持ってる能力が高い!!
よくこのメンバーが集まったものだと我ながら感動してしまいます。
すべてのストレスをぶった斬るガリバー無双を存分にお楽しみください!!
◆佐野大樹(脚本)
リモート稽古からはじまった『川崎ガリバー once again』もついに初日を迎えます!
チームワークや仲の良さを超えて
「面白いモノを作る!」
それだけを集約した作品になったと思います。
山本亮太くんをはじめとする役者10名がフルスロットルで舞台を駆け回っているWBBエンタメをぜひ!
そしてWBB初のライブ配信もお楽しみください!
【公式サイト】http://www.w-b-bros.jp
【公式Twitter】@wbbrothers
(文/瀬尾水穂、写真/宮坂浩見)