2020年9月20日(日)神奈川・KAAT神奈川芸術劇場にて音楽劇『銀河鉄道の夜 2020』が開幕した。本作は、宮沢賢治の代表作「銀河鉄道の夜」を題材に、1995年青山劇場開館10周年記念事業として上演された「イーハトーボの音楽劇『銀河鉄道の夜』」を新たなプロダクションとして再生するもの。
KAAT 神奈川芸術劇場の芸術監督である白井晃が、演出家として再び向き合いたいと願い続けてきたこの作品に取り組み、それに応えるように初演当時のクリエイティブスタッフが再集結。さらに新たなクリエイティブスタッフを加え、2020年にふさわしい「音楽劇『銀河鉄道の夜 2020」が幕を開けた。
孤独な少年ジョバンニ役を木村達成、ジョバンニと一緒に銀河鉄道の旅をするジョバンニの幼馴染カムパネルラ役を劇団EXILEの佐藤寛太、ジョバンニの学友ザネリ・青年を宮崎秋人、男(ケンジ)役を岡田義徳が演じる。アメユキ役は初演・再演でも同役を演じたさねよしが作曲・作曲と兼ねる。
◆白井晃(演出)
自粛解除後、KAAT の再スタートの初日が無事に開くことができてホッとしています。そして、劇場が再開できたことを本当に嬉しく思っています。25年前に作った作品が、木村君、佐藤君、宮崎君たち、今の若者たちと再創造できたことも大きな喜びの一つです。よくがんばってくれました。
宮沢賢治が作品に込めた思いが私たちの心に響き、現代を生きる道標となれるよう、千秋楽まで作品を磨き上げていきたいと思います。たくさんの方々にこの作品をご覧いただきたいと切に願っています。
【あらすじ】
「お父さんからラッコの上着がくるよ」、少年ジョバンニは今日もクラスメートのザネリにからかわれていた。遠い外国の海に漁に出たまま戻ってこない父に、ラッコの密猟をして逮捕されたという悪い噂が立っていたのだ。今日は星祭りの夜、耐えられなくなったジョバンニは町外れの丘に登り、一人星空を見つめる。すると汽車の音が聞こえ、気がつけば客車の中、目の前には親友のカムパネルラもいて。
銀河のほとりを走るその汽車は、実は死者の魂を天上へと運ぶ汽車であった。途中で乗り降りする奇妙な人々。二人は「ほんとうの幸い」を探して、どこまでも どこまでも一緒に進んで行こうと決意するのだが・・・。
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース 音楽劇『銀河鉄道の夜 2020』は、9月20日(日)から10月4日(日)までKAAT神奈川芸術劇場にて上演。
【公式サイト】https://www.kaat.jp/d/gingatetsudo2020
(撮影/中村彰)