2015年10月にトライアル公演の幕を開けたミュージカル『刀剣乱舞』(刀ミュ)が、2020年10月に5周年を迎える。これを記念として、これまで刀ミュを応援してきた方への感謝を込めた公演「壽(ことぶき) 乱舞音曲祭(らんぶおんぎょくさい)」を、2021年1月に東京ガーデンシアターにて開催することを発表した。
刀ミュは、これまで年末年始に「真剣乱舞祭」「歌合 乱舞狂乱」などの形で、刀剣男士たちが一堂に会する大型公演を開催してきた。今年も全国ツアーを行うことを前提に準備を進めてきたが、現在の情勢から当初想定していたような形での上演は難しいと判断。その代わり、今できる最大限の形で何かできないか考えた結果、休むことなく走り続けてきた5年間を振り返る「ガラコンサート」の形で新しい“祭り”を立ち上げることを決めた。
以下、関係者一同を代表して、シリーズの演出を手掛けてきた茅野イサムからのコメントを紹介する。公演の詳細については、詳細を待とう。
ミュージカル『刀剣乱舞』五周年記念 壽 乱舞音曲祭は2021年1月に東京ガーデンシアターにて開催される。
◆茅野イサム
いつもミュージカル『刀剣乱舞』を応援して頂きまして、誠にありがとうございます。
これまでミュージカル『刀剣乱舞』は、年末年始に「真剣乱舞祭」「歌合 乱舞狂乱」などの形で、刀剣男士たちが一堂に会する大型公演を開催してきました。もちろん今年も全国ツアーを行なうものとして準備を進めておりました。しかし、現在の情勢を鑑みると、当初想定していたような形での上演は難しいと判断せざるをえませんでした。長く演劇の世界に身を置いてきましたが、予期せぬ未曽有の事態を前に、これまで抱えたことのない悔しい思い、悲しい思い、虚しい思い、そして何より待ってくださっているお客様への申し訳なさを感じています。
しかし、この事態が過ぎ去るのをただ何もせずにじっと待っていていいのか、とも思うのです。いまできる最大限の形で、公演を楽しみに待ってくださっていた皆さまに何かお届けすることはできないか。そう考えた時に思い浮かんだのが、ガラコンサートという形式でした。ガラコンサートとは、記念、祝賀として行われるコンサートのことです。今年10月、ミュージカル『刀剣乱舞』は5周年を迎えます。これまで我々は目の前の一作一作と向き合うことに必死になってきました。休むことなく走り続けた5年間でした。しかしこのような状況だからこそ、今は歩みを緩めて、過去を振り返ってみることも必要なのではないか、そう考えました。そしてあの未熟だったトライアル公演からここまで、我々を支え応援し育ててくださったお客様、この道のりの途中から我々を知ってくださったお客様へ、あらためて感謝を伝える場を設けたい。そして一緒にこの先の未来を夢見たい。それが今回の企画意図です。
我々の存在価値は、演劇というエンターテインメントを通じて、多くの方々に楽しんでいただくこと、喜んでいただくことにしかありません。ひと時でもいいから、浮世を忘れ、心の底から楽しめるものをお届けしたい。そして自らの全存在をかけて戦に挑んでゆく刀剣男士たちの姿をお見せすることで、日常の生活の中で戦っている皆さまを微力ながら応援することができたら…。そういう願いを込めて新しい祭りを立ち上げたいと思います。
日本各地を周ることが難しいご時世ではありますが、この状況を前向きに捉えたいと思います。会場にお越しになることができない全国の皆さまとも、配信という形でリアルタイムに繋がれるよう準備を進めております。この祝祭の場を、どうか多くの方々と共有できますように、心から、心の底から、祈っております。
(C)ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会