藤井流星&神山智洋主演舞台『正しいロックバンドの作り方 夏』開幕!公開ゲネプロ&取材会レポート

当ページには広告が含まれています

2020年8月9日に東京・グローブ座で、日本テレビで放送されていた藤井流星&神山智洋主演ドラマの舞台版となる『正しいロックバンドの作り方 夏』が開幕した。開幕直前に公開ゲネプロと取材会が行われ、藤井、神山の他、栗原類、吉田健悟、中村梅雀らが登壇し、公演に向けての意気込みや舞台版の見どころなどを語った。また、本作の公演映像が配信されることが決まり、配信に向けてのメッセージも送られた。

本作は、今年4月から6月に日本テレビ深夜ドラマ『シンドラ』で放送された『正しいロックバンドの作り方』を、シンドラ×東京グローブ座のコラボ第二弾として舞台化したもの。作・演出は、ドラマの企画・脚本監修を務めた西田征史が担当し、西田監修のもと、ドラマの脚本を手掛けるおかざきさとこが舞台版の脚本も務めている。

ドラマでは、4人組ロックバンド“悲しみの向こう側”のメンバー、シズマ(藤井)、テツ(神山)、オギノ(栗原)、コバ(吉田)が憧れの電撃ロックフェスへの出場を目指して走り続けるも、最終審査で落選してしまう・・・という物語が描かれた。舞台版では、それから2カ月後、目標を失い、つまらない日々を過ごしていた彼らのもとに、あるライブへの出演依頼が届き、本番に向けて盛り上がっていくも、次々と明らかになるとある事実に出演が危ぶまれていく・・・という、これまた悲しみの向こう側の絆が試される話となっている。

そんな今作でも、シズマはバンドメンバーを愛し、心配性な一面や少し抜けた部分を惜しみなく見せ観客の心を掴んでくるし、シズマの弟であるテツも冷静でクールかと思いきやシズマの部屋で見つけた元カノ・アトちゃんへのラブレターらしきものを見つけ“胸キュンフェチ”を発揮してきゃぴきゃぴしてはそのギャップで心をかき乱してくる。オギノは前のバンドメンバーとの再会で新たな闇を垣間見せて深まるミステリアスさで翻弄してくるし、コバはバンド愛を発揮しつつメンバーを盛り上げようとがんばって観客の心も明るくしてくれる。ドラマでの、ちょっとダメダメだけど愛くるしさ満点で思わず応援したいと思うようなメンバーたちの姿を見せてくれた。

そして、舞台版は他にも新たに魅力的なキャラクターが登場する。悲しみの向こう側の楽屋にいた謎の少女・睦美(野田美桜)は学生らしい強さと可愛さで目を惹きつけられ、ライブハウスのオーナー・輪島(かわのをとや)はただならぬオーラで悲しみの向こう側だけでなく観客を圧倒。また、ライブハウスで久々に再会することになる、オギノが前に所属していたロックバンド「デッドオアラブ」のリーダー・孝哉(中谷竜)は挑発的な言動でオギノやコバを翻弄するとともに観客にもさざ波を起こしてく。個人的にはこのリーダーが登場するたびに期待が高まり、ワクワクした。ムカつくやつ・・・!と思いきや、急にどうした・・・と思うような一面、“時を戻しそう”なキャラクター性を見せ、動向が気になって目が離せなくなった。

さらに、舞台版でのキーパーソンとなる戸部を演じる中村梅雀の多面性もとても魅力的だ。渋い大人の男の姿はもちろん、随所で見せる愛くるしい表情や動き、ナチュラルかつ華麗にベースをつま弾くカッコよさ、そして問題に立ち向かうメンバーたちへのさりげない助言。こんな大人が側にいてくれたら・・・と思うような重厚なキャラクターとして、物語に深みとコクを与えている。

そんな魅力的な登場人物1人1人の物語を感じながら、悲しみの向こう側は新たに舞い込んできたライブ出演を無事に成功させることが出来るのかが気になって仕方がない本作。公演映像が配信されることも決定したので、惜しくもチケットが取れなかった方々にもメンバーたちの活躍をぜひ見届けてほしい。

015143_02.jpg

公開ゲネプロの後に行われた取材会には藤井、神山、栗原、吉田、梅雀、そして作・演出を務める西田が登壇。ついに舞台開幕を迎え、藤井は「稽古中もずっとマスクをつけてたんです。本番を迎えてマスク外して演技して初めて、こんな表情をしていたのかと分かったんです。だからちゃんと稽古はしたけど、新鮮な気持ちでお芝居できました」と明かす。

また、神山が「観ていただける方への力になるのかなと思いますし、観に来てくださる皆さまにご協力いただきながら感染拡大防止対策をしっかりと行って、大阪千秋楽までの約一か月、誰一人欠けることなく走り切れたらと思います」と語り、藤井も「僕らも気を付けてますし、皆さまも気をつけて来て下さると思うので、一人も出ないように完走したいと思います」と意気込んだ。なお、初日の幕が上がる前にキャスト、スタッフ全員が検査を受けて陰性だったという。会場では非接触型体温計による検温やこまめな清掃・消毒の実施、換気の強化、舞台面から最前列まで2mの距離を確保するなどさまざまな感染予防対策を実施。公式サイトに案内が出ているので要チェックだ。

今作は、ドラマの世界観そのままに舞台化。神山は「ドラマから舞台って今まで中々やったことなくて。メインキャスト4人一緒で、続きが出来るのはうれしいなと思いました」とコメント。また、「梅雀さんをはじめ、舞台から参加してくださるキャストさんみんなすごい良い味が出ているなと思うので、よりパワーアップしてるんじゃないかと思います」と自信を見せる。

舞台版のキーパーソンを演じる中村梅雀は「ドラマ全編観たんですけど、僕も若い頃から・・・12歳くらいからバンドをやっていたのでその時のことを思い出して、すごく共感する部分もあるし、こんなことをこんなに引っ張るのかって笑ってしまたり。そんな中で、今回の役をいただいて『おぉ、来たなぁ!』って」と出演が決まったことに驚きつつ、「実際に会ってみたら4人の個性がぴったりとそれぞれに合っていて、良いキャスティングだなと思いました。普段から同じじゃんか!と思うくらい(笑)」と4人の印象明かした。また、「(舞台版も)特別なストーリーになっていて、皆さまに対して衝撃も感動も与えるので責任重大だなと思います」としみじみ語った。

そんな大先輩・中村梅雀の印象について聞かれると、藤井は「ベースを弾かれるシーンがあるんですけど、上手すぎて笑っちゃったんですよね・・・その時に『梅雀さんってベースどれくらいやられているんですか?』って質問したんですけど、53年らしいんです」と応えるも、梅雀からすぐさま「52年」と訂正が。さらに藤井は「それで13歳から・・・」と続けようとするも梅雀からまた「12歳(笑)」と訂正され、神山から「全部一個ちゃうやん!(笑)」と強烈なツッコミが入った。まさにシズマのような“天然っぷり”を発揮する藤井に梅雀が「今年中にアップするから!(藤井が言った年になる)」とフォローを入れる中、藤井は「本当に上手でビックリしたんですよね」とマイペースに語った。

吉田も梅雀のベースに魅了されたようで、「すごい聞いちゃうんですよね・・・毎回『いいな・・・』って聞き入っちゃいます。それで稽古中にセリフ忘れちゃったりしてました」と明かすと、梅雀も「僕も夢中になりすぎて、大事なセリフを言わなかった(笑)」と裏話を教えてくれた。この共演者たちも魅了した梅雀の演奏は梅雀がこの作品のために紡いだメロディーとのことで、梅雀は「題名は『後悔』です」と明かし、神山らは「初めて聞きました!初出し情報ですよ」と驚いた。

今作はバンドメンバーの絆を描いた作品と言うことで、ジャニーズWESTへと持ち帰る“宝物”が出来たのではないかと聞かれると、神山は「グループがのし上がっていくためにぶつかり合うことも必要なことなのかなと思いました。ジャニーズWESTはぶつかり合いは避けて仲良くやっていきたいという気持ちがあるんですけど、ぶつかってより強くなっていくこともあるのかな・・・という視点が増えた感じがします」と視野が広がった様子。

一方、藤井は「『夢を追う時間は長い方が良い』と言うセリフがあるんですけど、それは結構ジャニーズWESTにはまるなと思うことがあるんですよね。デビューするまでに時間がかかりましたし、初めからそんなに売れていたわけではなかったので、重ねちゃうと言うか・・・だから悲しみの向こう側は売れてないのでハッピーエンドになってほしいという思いがあります」と希望を明かした。

悲しみの向こう側のチームワークの良さに「メンバーがヤキモチ妬いてまうのではないか・・・?」という言葉もかけられたが、藤井は驚き、神山は「妬かせましょうよ!」とやる気満々。藤井は「(メンバーは舞台を)絶対に観に来てくれると思うんですけど、うちらはヤキモチを妬くというより・・・あ、こないだメンバーの重岡大毅が『24時間テレビ』のドラマで主演が決まったんですけど、グループのメッセージでみんな『すげー!』『よくやったな』って声を掛けてたんですよね。だからそういう時って『よかったな』ってなるんですよね・・・」とグループの関係性を語った。神山も「基本的にメンバー同士のがんばっている姿を観るのが好きなメンバーばかりなので・・・」と明かし、「ヤキモチ妬かせるとしたらめちゃめちゃ仲良いところを見せて、ジャニーズWESTの時の2人じゃないって思わせることですかね。それが出来たら作品としても成功かなと思います」と笑顔で語った。

8月から9月にかけて東京、大阪で上演される今作だが、公演映像が配信されることが決定し、神山は「配信という形で皆さんの元に届けられる日が来るというのはすごい僕たちもうれしいです」とコメント。栗原は「劇場で観るのとはまた違った楽しみ方があって、特殊な感覚になると思うので観に来れない方もぜひ配信で楽しんでほしい」と語り、藤井も「舞台とはまた違うと思うので楽しみですね。配信決まったのはめちゃくちゃうれしいです」と笑顔で語った。なお、ライブ配信になるのか、収録したものを配信するのかはまだ決まっておらず、詳細は後日公式サイトにて案内されるという。

最後に、キャスト陣5人と演出・西田から公演への意気込みが語られた。吉田は「本番だからと言って、特に何かを変えることなくいつも通りみんなと楽しくできたら良いなと思います!」と語り、栗原は「このような状況なのでも娯楽は決して倒れるものではないと思いますし、観に来て下さるお客様がいることによって完成する。一個一個の公演がお客様にとっても僕らにとっても貴重な時間になるので、きちんと皆さまに届けられるように、何事もないように務めていけたらと思います」としみじみ。

梅雀も「この中で舞台が出来る、お客様を呼べるというのはなんとすごいことなんだろうなと思いますし、元々舞台は一期一会で何度観ても変わるし、日々発見して成長していくもの。それはお客様がいないと感じられないんですよね。大切な瞬間として大切に演じていきたいなと思います」と意気込む。

藤井は「この状況で出来るということがうれしいですし、感染予防対策をしっかりして感染リスクを出来るだけ下げて完走できるように頑張りたいです」と改め語り、神山は「コロナの感染拡防止に努めながら、観る人、出る人全員が気持ちよく最後まで走り切れるように気を引き締めてがんばりたいと思います。今年は自粛期間があって春を楽しめなかった人も多いと思うので、舞台を観ていただける方には今年の夏を存分に楽しんでいただるように、いっぱい笑える濃い夏にしたいなと思います」とコメント。

そして、西田は「この状況の中足を運んでくださる皆さまに本当に感謝してますし、演じてくださる皆さまにも感謝しています。本来だったら舞台をやっていたら『飲みに行きましょう!』ってみんなで和気あいあいと行くところ今回は一回も行けませんが、舞台では“心の濃厚接触”をしてもらって良い本番にしていけたらと思います」と期待を込めたコメントで会見を締めくくった。

舞台『正しいロックバンドの作り方 夏』は、8月9日から8月30日(日)まで東京グローブ座で、9月2日(水)から9月8日(火)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで上演。上演時間は約1時間35分。公演映像の配信も決まっており、詳細は後日公式サイトにて案内されるという。

(取材・文:エンタステージ編集部 3号/撮影:阿久津知宏)

【公演情報】https://db.enterstage.jp/archives/3481

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

エンタステージは、演劇初心者からツウまで、演劇に関する情報、ニュースを提供するサイトです。サイトを訪れたユーザーの皆さんが、情報をさらに周囲に広めたり、気になる作品や人物などを調べたり・・・と、演劇をもっと楽しんでいただける情報を発信していきたいと思います。

目次