中川晃教の美声が新たな一歩を踏み出した明治座に響き渡る!ミュージカル『チェーザレ』コンサート公演レポート

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2020年7月11日7月12日に東京・明治座で「中川晃教コンサート2020 feat.ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』」が上演された。中川のオリジナル曲やミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』のナンバー、名作ミュージカルの楽曲が披露され、横山だいすけらがゲスト出演し盛り上がった本公演の模様を伝えていく。

当公演は、新型コロナウイルス感染拡大防止のためやむなく全公演中止となった惣領冬実による大ヒット歴史漫画を舞台化したミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』の主演・中川晃教によるコンサートで、明治座が新たにスタートする第一弾の作品に。公演前に行ったインタビューで中川は「明治座さんの再開にふさわしいコンサートにしたいと強く思っています」と語っていたが、まさに明治座の新たな一歩を飾るにふさわしいステージとなった。

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まず初めに披露されたのは、中川の弾き語りによる「I WILL GET YOUR KISS」。デビュー曲である歌を、優しいピアノのメロディーと力強い歌声で届ける姿に観客の心が掴まれ、引き込まれていくのが分かった。熱のこもった楽曲をしっとりと歌い上げた中川は、大きな拍手に包まれ笑顔で「おまたせしました!」と感極まったような表情に。そして「このステージにこうして立つことができて夢のような気持ちです。ここ明治座さんが新しくスタートを切る、そんな機会にこのコンサートを企画してくださって本当にうれしく思います」としみじみ語った。

その後も中川のオリジナルナンバーが美しい歌声で紡がれ、さらに2004年に上演された劇団☆新感線・初の本格的ロックミュージカルとなる『SHIROH』やミュージカル『モーツァルト!』、舞台『銀河鉄道999』などの楽曲も披露された。『SHIROH』では「人のツバサ」が歌われたが、曲中で展開される登場人物の掛け合いを中川が1人で再現する一幕も。自身が演じていた天草のシローだけでなく、お蜜、ゼンザなどのセリフを楽しそうに再現する姿は、中川の遊び心と“エンターテインメント性”が垣間見れて、観客もついつい笑顔に。

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さらにミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』の楽曲をゲストともに横山だいすけと共に披露することになるが、その前に同作の共演者である山崎大輝、井澤勇貴(11日のみ出演、12日は近藤頌利が出演した)をゲストに迎えたトークコーナーが展開された。中川演じるチェーザレと近い関係となるアンジェロ役の山崎と凛としたスマートないで立ちで登場したドラギニャッツォ役の井澤。中川は3か月ぶりの再会に思わず英語であいさつするほどテンションが上がった様子を見せた。

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トークコーナーでは、やむなく全公演中止になってしまったミュージカル『チェーザレ』への熱い想いや稽古場での裏話などがそれぞれが語られることに。「“水と油”の関係(笑)」だという中川と山崎のいじりいじられな仲の良い先輩後輩感や、中川の事を尊敬し、舞台袖で中川の歌声を聞き感動していた井澤と井澤のおしゃれさを評価し「本当にかっこいいよね」とべた褒めする中川という関係性が印象的だった。

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井澤の中川への尊敬は思いのほか強かったようで、公演前に楽屋で「僕、あっきーさんの『僕こそミュージック』ものまねできるんです」と言っていたことから、中川の無茶ぶりによって井澤が急遽ものまねをすることに。井澤は「こんなことってある!?」と困惑しつつ、「ものまね番組とか観ていると誇張してやるのが面白いので・・・大分誇張してやります!」と前振りして2019年に放送された『FNS歌謡祭』で「僕こそミュージック」を歌った時の中川のものまねを披露。宣言通り、誇張しつつも中川の歌い方のポイントを抑えたものまねに、観客から大きな拍手が送られた。

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そしてついに、ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』のコーナーへ。2分ほどの映像が流れた後に、全51曲あるという楽曲の中から、「チェーザレ」「民衆の処し方」「ダンテの理想」「皇帝」「祈り」「プリマヴェッラ」という、本作の世界観を垣間見ることが出来るナンバーが歌われた。「民衆の処し方」では山崎も参加し、チェーザレとアンジェロの緊迫感のある掛け合いも展開された。

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また、「皇帝」ではチェーザレに多大な影響を与えることになるハインリッヒ7世役の横山だいすけが登場し、壮大な世界観を低音で勢いのある歌声で表現し会場に響かせる。この楽曲では藤岡正明が演じるダンテのパートを中川が務めていたが、MCタイムで中川は、藤岡と次の作品でも共演することもあり稽古で一緒になった際に藤岡から直々にダンテについて教わってからこの公演に臨んでいたことを明かした。

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MCでは他にも中川と横山が自粛期間中に料理に目覚めた話で盛り上がったり、初めて稽古場に入った時のことを振り返ったり、より『チェーザレ』の世界観を知るために当時の“教皇”と“皇帝”の関係性を解説するなど、充実したトークを展開。4月から上演を予定していた本公演は新型コロナウイルスの影響でやむなく全公演中止してしまったが、中川をはじめとしたチェーザレカンパニーのチームワークの良さと壮大な世界観の片鱗を感じられ、「いつかぜひ本公演も観たい!」とさらに強く思うような公演となった。

◆公演情報
中川晃教コンサート2020 feat.ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』
2020年7月11日(土)・7月12日(日) 明治座

【出演】
中川晃教
横山だいすけ
山崎大輝(トーク出演) 井澤勇貴(トーク出演・11日のみ) 近藤頌利(トーク出演・12日のみ)

【公演詳細】https://db.enterstage.jp/archives/3620

(取材・文/エンタステージ編集部 3号)
(撮影:岩村美佳)

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