イギリス政府は、劇場、ギャラリーや博物館の将来を守る一助となるよう15億7千万ポンド(約2,100億円)の緊急助成金を支払うことを発表した。オリバー・ダウデン文化大臣によれば、助成金や融資は芸術界の「至宝」や多くの地方の芸術を維持することを目的としている。映画館や文化遺産、音楽のホールなども対象。
これには、「至宝」であるロイヤル・アルバート・ホールや国立の美術館の維持、もう1つはイギリス全土の地元の施設を助けるこという二つの大きな目的がある。それぞれの施設は業界団体を通じて申請し、広い意味での経済発展に貢献してきたと証明することを求められる。
政府は今回の緊急助成金により文化関係の大部分の職を守ることができると確信しているが、すべての職ではない。ダウデン文化大臣は、「悲しいことですが、すべての人が業界で生き残り、すべての職が守られるというわけにはいかないでしょう。悲しいですが正直に言わねばなりません。今後も解雇は続くでしょう」と語っている。
劇場は新型コロナウイルスのパンデミックのせいで閉鎖され、ここ数週間内にいくつかの劇場で人員削減の計画が発表された。
プリマスのシアター・ロイヤル最高経営責任者であるエイドリアン・ヴィンケンは、今回の助成金により最大100人の解雇をせずにすむかどうかは、もっと詳細が知らされるまで「判断するのは不可能だ」と述べた。
イギリスにおける無観客での公演や稽古など段階的な舞台芸術の再開に向けての指標は、間もなく政府から発表される予定である。