劇団「温泉ドラゴン」(代表:シライケイタ)が、温泉ドラゴン10周年記念公演 日韓三部作第3弾『SCRAP』の公演中止に伴い発生した損害金支援のため、クラウドファンディングを4月15日(水)より開始した。
本作は1950年代に、大阪砲兵工廠跡地に埋められた鉄屑を掘り起こし、それを売ることで生計を立てる「アパッチ族」を描いた作品。すでに忘れられてしまった人々に演劇を通じて光を当てることで、歴史を「点」ではなく「線」で捉え、その線の先端である「現代社会」と「現代に生きる我々」を問い直す試みである。
◆温泉ドラゴン
この公演を企画した2019年は日韓関係が冷え切っていました。外国人実習生の劣悪な労働環境の問題も根は同じですが、彼らのことを「知らない他人」として「見えないことにしてしまう」ことから問題が発生すると我々は考えています。
演劇を通じて、自分とは異なる価値観や文化を実感することは、現代の我々が人間的に生きるために極めて重要な行為です。日韓関係が冷え切っている時代だからこそ、在日コリアンにフォーカスをあて「なぜ彼らが日本に来て現在も住んでいるのか」という本質論を語る作品を上演することは、両国の建設的な未来のためのきっかけになると強く信じ、この上演に向き合ってきました。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大、それに伴う東京都の外出自粛要請から、本公演は上演中止となりましたが、DVD収録用の上演のみをかろうじて行うことができたため、映像という形ではみなさまにお届けができることになりました。
しかしながら、たくさんのお客様にご来場いただくいただく予定が、無観客となったため、発生した経済的損失に対しREADY FORが実施している「新型コロナウイルスによる中止イベント支援プログラム」に参加することにいたしました。
この我々の挑戦を通じ、コロナウイルスによる中止や延期で壊滅的な経済的打撃を受けた劇団、ひいては舞台芸術に関わる多くの方々へ「手を尽くせば生き残る道はある」というメッセージを届けたいと思っています。
1口1,000円からご支援いただける応援プランから、公演当日お客さまにお配りする予定だった当日パンフレットがついてくる3,000円コース、『SCRAP』DVD付きの5,000円コース、劇団員のビデオメッセージ付きの10,000円コース、10周年記念冊子がついてくる30,000円コース、次回公演のご招待がついてくる50,000円と100,000円のコースなど、さまざまなコースがございます。
中止を決定した日からその後の詳細についてはシライケイタが論座に寄稿しております。
◆新型コロナで公演中止、その決断に至るまで
小劇団のリアル、その後【上】/論座:
https://webronza.asahi.com/culture/articles/2020040700003.html
◆公演中止の先のあるもの、コロナ禍の演劇界で
小劇団のリアル、その後【下】/論座:
https://webronza.asahi.com/culture/articles/2020040700005.html
◆温泉ドラゴン『SCRAP』公演中止に伴う損害金支援のお願い
【内容】温泉ドラゴン10周年記念公演 日韓三部作第3弾『SCRAP』の公演中止に伴い発生した損害金支援のためのクラウドファンディング。
【期間】5月18日(月)23:00まで
【目標金額】3,000,000円 リターン:1,000円~100,000円
【劇団ウェブサイト】https://www.onsendragon.com/
【プロジェクトページ】https://readyfor.jp/projects/onsendragon
(撮影/宿谷誠)