小栗旬、シリーズ14年ぶりの出演!横田栄司、吉田鋼太郎と名優相打つ『ジョン王』ビジュアルレポート

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2020年6月から埼玉・彩の国さいたま芸術劇場 大ホールにて彩の国シェイクスピア・シリーズ第36弾『ジョン王』が上演される。本記事では、小栗旬、横田栄司、吉田鋼太郎のビジュアル撮影の模様をレポートする。

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1998年のスタート以来、芸術監督・蜷川幸雄のもとでシェイクスピア全37戯曲の完全上演を目指してきた同シリーズ。2017年12月、シリーズ2代目芸術監督に就任した吉田鋼太郎が演出する『アテネのタイモン』で再開され、2019年2月に『ヘンリー五世』を、2020年2月に『ヘンリー八世』を上演。シリーズ完結へ向けて2020年6月に『ジョン王』の上演が予定されており、そして『終わりよければすべてよし』が控えている。

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『ジョン王』は、英国史上最も悪評の高い王であろうジョンの治世を先王リチャード1世の“私生児”の存在を通して描いた歴史劇。イングランド王ジョンとフランス王フィリップ2世の対立を軸に、生命力とユーモアにあふれ世の中をシニカルに見つめる“私生児”の若者フィリップの姿を描く。

最初にスタジオに入ったのは、本シリーズ14年ぶりの出演となり、4作品目にして初の歴史劇への挑戦となる“私生児”フィリップ役の小栗。衣裳は、タイトな黒のノーカラージャケットに鮮やかな赤が映えるベストと白シャツ。歴史劇的な装いをイメージさせながらも、ラフな着こなしに首元のスカーフと左耳に付けた金のイヤリングがアクセントとなって、自由奔放であか抜けた私生児らしさを思わせる。

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撮影に入ると、アンニュイで物憂げな表情とポーズを物静かなたたずまいと共に見せていった。その姿は、イングランドとフランスの対立をあざ笑うかのように振る舞う私生児というキャラクター像を存分にイメージさせる。

撮影後、小栗は「撮影の衣裳がオーソドックスを崩したスタイルだったので、そのままの気分で。“私生児”は皮肉屋なところがあるから、そんな感じが写ればいいなとやってみました」と振り返った。

なんと、身につけていたピアスは私物だという。「衣裳の装飾はきっと金だろうと思ったので金のピアスをしてきたんです。ちょうど合いそうだったので、このまま撮影に臨みました。日本だと僕の年齢でピアスをしている人はあまりいないから、そういうところがあってもいいかなと(笑)」と、すでに“私生児”らしさを垣間見せていた。

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久しぶりのシリーズ出演について、「蜷川さんと喧嘩して、戻ることができないと思っていた場所に戻ってこられたのは本当に良かったです」と笑顔を見せると、「『楽なところに行き過ぎるなよ、小栗』と蜷川さんに言われていた時期があったんですけど、その言葉の意味が今になってよく分かります」としみじみ振り返った。

吉田の演出についても「役者に対するアドバイスが的確だし、役者の気持ちに寄り添いながら組み立てていくという演出をされる方です。とても優れた演出家だと思うので、全幅の信頼を置いています」と信頼を寄せ、「渇望していた環境を、目一杯楽しみたいです。“私生児”のキャラクターはシニカルなキャラクターなので、そういうところも意識して作っていけたらと」と今から意気込み十分。

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続いて、フランス王フィリップ2世を演じる吉田がスタジオに姿を現した。衣裳は、後ろがアシンメトリーとなっているユニークなコートとパンツという黒のモノトーンで統一されたシックな装いに、金の服飾の数々が王侯貴族のようなゴージャスさを演出している。

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撮影では、ダンディな着こなしで大人な魅力を振りまきつつ、フランス軍を率いる王としての貫禄さを見せつけるようなポーズと表情を披露。終盤には、吠え叫ぶような決めポーズでインパクト抜群な撮影を行っていた。

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最後に、タイトルロールのジョン王を演じる本シリーズ常連の横田が撮影に登場。吉田の衣裳と同様に黒をベースとしながらも、対照的に銀ストライプのマントと金のストールという派手派手しさもある出で立ち。

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横田の風貌は王の風格を備えながらも、その派手派手しさのある衣裳と大胆な表情によって、「英国史上最も悪評の高い王」と評されたジョン王らしいふてぶてしさを撮影で存分に発揮していた。こちらも吉田と同じく吠え叫ぶようなポーズを取ると、対立するフランス王の名前ではなく「吉田っーー!」と声を上げるなどお茶目な一面も見せ、スタッフの笑いを誘っていた。

さらに、3人がそろい踏みのショットでは、彩の国シェイクスピア・シリーズで名優相打つ姿が、歴史劇らしく、まるで絵画のような雰囲気を醸し出していた。

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撮影を終えた吉田は、本作の魅力について「歴史劇だけど、問題劇として寓話的にも読み取れる作品。“私生児”はイングランド側だけど、自分の主君を批判するし、あるいはフランス側を褒めたりもする。“私生児”という何にも関与していない人間こそが冷静な批判眼を持てるのではないかということが書かれているんです」と挙げた。

また、撮影中に小栗から「自分だけカッコイイ衣裳を着ちゃって」と声をかけられたことについて、「ウソでも言ってくれるのはちょっと嬉しいよね。ウソじゃないんだけど、小栗くん自身が自分を一番かっこいいと知っているから(笑)」とはにかんだ。

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横田は、撮影について「僕は隣のお二人を感じながら、『ああ、そういう感じね』と真似をしていました(笑)」と笑うと、「このシリーズでやることが一番の喜びです。スケール大きく、中身は小さいジョン王を目指してやっていきたい(笑)」と笑顔で意気込んだ。

そして、「こういう作品こそ、鋼太郎さんのシェイクスピアに対する造詣の深さが発揮されると思います。こんなに面白い作品だったのかと驚くはずと信じていますし、お客様もそれを信じて劇場に足を運んでもらいたいです」とコメントしていた。

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彩の国シェイクスピア・シリーズ第36弾『ジョン王』は、以下の日程で上演される。

【埼玉公演】6月8日(月)~6月28日(日)
【名古屋公演】7月3日(金)~7月6日(月) 御園座
【大阪公演】7月10日(金)~7月20日(月) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

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