2020年9月より上演されるPARCO劇場オープニング・シリーズ パルコ・プロデュース2020『ゲルニカ』の追加キャストとして、中山優馬、勝地涼、早霧せいな、キムラ緑子らの出演が発表された。
演出家の栗山民也と、劇作家の長田育恵の初顔合わせによる新作。栗山が、スペイン内戦時のゲルニカ無差別爆撃を描いた画家パブロ・ピカソの「ゲルニカ」と出会って以来、20年以上あたためてきた構想をもとに、長田がゲルニカに生きる人々の人間ドラマにフォーカスを当て、物語を紡ぐ。これまで、ヒロイン役として、栗山演出作品初参加となる上白石萌歌の出演が明かされていた。
中山が演じるのは、上白石が演じるヒロイン・サラが想いを寄せる相手であり、ドイツ軍のスパイとして暗躍する人民戦線軍の兵士、勝地はゲルニカで生きる人々を取材するカメラマン、早霧はカメラマンと同行する女性特派員記者、キムラはヒロイン・サラの母を演じる。
さらに人民戦線軍には玉置玲央、林田一高、後藤剛範、ヒロインの婚約者役に松島庄汰、ゲルニカの人々が集う食堂の主人に谷川昭一朗、ヒロインの母とともに国家を守ろうとするファシズムの役人に谷田歩、死者の語り部として石村みかの出演が決定した。
以下、中山、勝地、早霧、キムラのコメントを紹介。
◆中山優馬
栗山さんの作品にお声がけいただけたこと、大変嬉しく思います。
舞台は一期一会なので栗山さんのディレクションのもと、たくさん稽古をし、精一杯努めたいと思います。
PARCO劇場のオープニングシリーズ公演ということもあり、さらにグッと気が引き締まる思いです。
どんな作品になるのか、どんなイグナシオになるのか、非常に楽しみです。
たくさんの方にゲルニカの世界を見ていただけたら光栄です。
劇場でお待ちしております。
◆勝地涼
僕にとって、パルコ劇場は観客としても大好きな劇場でした。その新しくなったパルコ劇場に立てることに、今からワクワクしています。
そして、栗山さんとご一緒できること、長田さんが書き下ろす戯曲に挑戦できること、役者として、とても嬉しく思います。ピカソの「ゲルニカ」を題材した作品になりますが、絵に込められたメッセージは、今の日本に伝えるべき大切なことなので、真摯に向き合っていきたいです。よろしくお願いします。
◆早霧せいな
栗山さんとご一緒することを願っていた私にとって、とてもメッセージ性の強い作品に立ち向かうことができる喜びと共に、身の引き締まる思いでいっぱいです。
誰もが一度見ると忘れられない衝撃の絵画「ゲルニカ」。
内戦の実情を伝える記者の役として、今の時代に生きる皆さんにも、あの時の惨劇とそこに生きた人々の想いを誠実に真っ直ぐに伝えられたらと思います。
◆キムラ緑子
「ある日を境に運命が変わるということ」
例えば故郷の淡路島に基地ができることを想像する。私たちの海に辺野古のように土砂が注ぎ込まれ、年老いた父母が力の限りデモに参加する。とたんに胸が苦しくなる。他人事ではなくなる。
世界のあちこちに広がり続ける苦しみの波を、もう直ぐ自分たちも浴びることになるんだと
思わずにして、どうして生きていけるだろう。本当は他人事ではないのだ。
いつだって。どこでだって。
・・・と、いうようなことを心にうかべながら、挑みます。
PARCO劇場オープニング・シリーズ『ゲルニカ』は、9月にPARCO劇場にて上演される。10月以降、京都・新潟・豊橋・北九州を巡演予定。
【あらすじ】
ゲルニカの元領主の娘で何不自由なく生きてきたサラ(上白石)。しかしスペインでは、台頭してきたファシズムと人民戦線軍が激突し、市民戦争が本格化していた。サラの婚礼が近づいているある日、突然婚約者が戦争に参加したいと静かな決意を語り出し、サラを置いて出て行ってしまった。世界ではいま何が起きているのか。
サラは街の食堂に出入りするようになり、人民戦線軍の兵士たちや海外特派員の戦場カメラマン・クリフ(勝地)、女性記者レイチェル(早霧)たちと触れ合い、各地で激戦が行われている事実を知る。
またそこで、イグナシオ(中山)という一人の兵士と恋仲になってしまう。しかしイグナシオはドイツ軍のスパイで密かに爆撃工作を進めていた。やがて、サラの妊娠が発覚。そしてそれを知ったサラの母であるマリア(キムラ)は激怒し、子供を堕ろすよう説得する。そんな中、ついに運命の日、ゲルニカ空爆がはじまる・・・。