『えんとつ町のプペル』THE STAGE 東京公演レポート!萩谷慧悟、須賀健太らが人気絵本の世界で大冒険

当ページには広告が含まれています

神戸で開幕した『えんとつ町のプペル』THE STAGEの東京公演が、2020年1月30日(木)に東京・天王洲 銀河劇場にてスタートした。東京初日前には囲み会見と公開ゲネプロが行われ、萩谷慧悟、須賀健太、なだぎ武、演出・児玉明子が登壇した。

「えんとつ町のプペル」とは、キングコング西野亮廣が脚本・監督をつとめ、参加イラストレーター・クリエイター総勢33名の完全分業制で作り上げ、2016年に発刊以来累計発行部数42万部を記録している人気絵本作品。その舞台版である本作は、西野自らが脚本を手掛けるオリジナルストーリーで、絵本には描かれていない物語の全貌が明らかになる。

014050_8.jpg

キャストは、ゴミ人間のプペル役を「7ORDER project」メンバーの萩谷、ルビッチ役を須賀、ルビッチの父ブルーノ役をなだぎが務めるほか、宮下雄也、尾関陸、北乃颯希、谷津翼、皇希、佐久本歩夢、町田マリーと個性豊かな10名が集結した。

演出は舞台『7ORDER』やライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~など“美しい”ステージングに定評がある児玉が担当。振付にはダンスカンパニー「コンドルズ」を率いる主宰・近藤良平、衣裳には日本を代表するコスチュームアーティスト・ひびのこづえを迎え、他に類を見ない“プペルワールド”を展開する。

014050_2.jpg

【あらすじ】
4,000メートルの岸壁に囲まれた町。煙突だらけの町。朝から晩までそこかしこから煙があがり、頭の上はモックモク。黒い煙でモックモク。この町に住む人たちは、青い空を知りやしない。輝く星を知りやしない。そんな『えんとつ町』に住む、お父さんを亡くした少年ルビッチ。彼はハロウィンの夜に“ゴミ”人間のプペルと出逢った。

この煙の上には“空”がある。この煙の上には“星”がある。この町の“秘密”に隠された“ひとつ”の真実。嘘つき呼ばわりされたって、自分の目で見たものが真実。奇跡の夜、ルビッチとプペルの目に映る“本当の真実”とは?

014050_3.jpg

会見では、まず萩谷が「今回、ゴミ人間という役ですが、西野さんから『正解がないから大変だよ』と言われて、毎日考えてきました。衣裳もとても素晴らしくてかわいらしいので、これを扱いながらいろんなことを作って、それが皆さんにプペルとして生きているゴミ人間が映ればと思っています」とコメント。

014050_4.jpg

須賀は「原作が絵本なだけあって、客層がお子さんから男性の方といろんな方々がいて、それだけでも今回の公演が良かったと思いました」と神戸公演を振り、「それだけ原作がどの層にも響いているということなので、僕たちは嘘をつかずに1公演ずつ新鮮にやらなければと毎回思っています。役柄的には少年なんですが、僕自身は25歳となっておっさんに片足が入りかけているので(笑)、若々しい心を忘れずにやっていきます」と意気込んだ。

なだぎは「ルビッチのお父さんは原作には出てこない人物なんですが、舞台化ということで、その姿が露わになりました。その姿が私、なだぎ武でございます(笑)」と挨拶し、「西野がこの絵本を書いた時に、いじってやろうかな読んだんです。そうしたら、うかつにもに泣いてしまいまして(笑)。いじることができませんでした。それが時を経て、舞台化で携わる機会をいただいたので、これも何かの縁だなと張り切っています」と語った。

014050_7.jpg

神戸公演を終え、須賀は共演の萩谷に対して「萩ちゃんは、今作は曲で進めていくシーンがすごく多いんです。そういう時、先陣を切って作り上げてくれる。頼もしくて華があるなと思いました」とその印象を明かす。また、客席には子どもも多く訪れていたそうで「ちっちゃい子たちのリアクションって、素直なんです。怖いところとか暗くなると泣いちゃうし、ある日の公演で『星がないんだよ!』みたいな台詞に客席から大きな声で『ある!』とか答えたりしました(笑)」と新鮮なリアクションに驚きを露わにしていた。

014050_5.jpg

冒頭で自転車を押して登場するなだぎは「自転車と私・・・。これは足を上げなきゃあかんのかなとか、乗って出てこなあかんのかなとか、ちょっとしたプレッシャーは感じました(笑)。でも、終演後にお客様の何人かに聞いたら“ディラン”をやるのかな?と思ったそうです(笑)」と持ちネタを絡めて笑いを誘った。

014050_10.jpg

原作者である西野が神戸公演の初日を観劇したことに関して、萩谷は「すごく喜んでくださいました。また観に来てくださるとおっしゃっていたので、その時にはまた成長した姿を原作者に届けられたらと思います」と力強く語り、須賀は「10歳ぐらいの時にバラエティで西野さんとご一緒したことがありまして。当時、僕が大事にしていたカードをあげたら、西野さんがかぶっていた帽子をその場でくれたんです。西野さんも覚えていてくださっていたんですけど、今作ではルビッチのトレードマークが帽子なので、運命的なものを感じています」と打ち明けた。

本作の見どころについて、舞台版の脚本も西野が手がけたことを挙げた児玉は「絵本にはないストーリーに、絵本には出てこないキャラクターと、そのストーリーが原作者にしか書けないと思うので、そこがまず魅力です」と解説。

さらに、絵本で描かれた無数の煙突が立ち並び、空が煙で覆われる少しダークでファンタジックな世界を、映像や照明だけでなく、キャストたち自らが舞台上のセットを組み合わせながら転換を行いステージ上に実現しており、児玉は「映像や照明だけでなく、人間の役者さんの力も組み合わせて舞台ならではの表現を用いて絵本の世界を舞台に表現しています。老若男女の皆さんが楽しんでいただける舞台になっていると思うので、観劇デビューは本作、というぐらいな感じで見てほしいです」とアピールした。

014050_9.jpg

そんな幻想的なステージ上で、萩谷は心に響く歌声と共にゴミでできているゴミ人間のプペルを純粋無垢に演じきり、須賀は亡き父の言葉を胸に健気に生きるルビッチを天真爛漫な笑顔などの印象的な表情で魅せ、様々なナンバーと共に本当の真実を求める2人による心躍る大冒険が繰り広げられる。

会見の最後には、萩谷が「この作品は夢が重要なテーマになっていますので、この作品を観ていただいた方に夢を追い続ける勇気や、新しく夢を持つきっかけなど、そういう背中を押せるような作品にして、老若男女、皆さんが楽しめる作品にしていきたいです」と締めた。

公演では、観客が「えんとつ町の星空リングライト」と呼ばれるライトを用いて舞台後半で客席にも星空を作ることに参加できるという。ぜひ参加しながら、プペルとルビッチたちと絵本の世界から劇場に飛び出した「えんとつ町のプペル」を一緒に楽しんでほしい。

014050_6.jpg

『えんとつ町のプペル』 THE STAGE 東京公演は、2月5日(水)まで天王洲 銀河劇場で上演。上演時間は約1時間30分(休憩なし)を予定。

【公式サイト】https://www.nelke.co.jp/stage/poupelle/
【公式Twitter】@poupelle_stage

(C)POUPELLE THE STAGE PROJECT 2020

(取材・文・撮影/櫻井宏充)

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

演劇、海外ドラマ、映画、音楽などをマルチに扱うエンタメライター。エンタステージ立ち上げからライターとして参加し、小劇場から大劇場のストレートプレイにミュージカル、2.5次元、海外戯曲など幅広いジャンルにおいて演劇作品の魅力を日々お伝えしています!

目次