株式会社講談社が、2020年3月19日(木)に東京・池袋に開業する新LIVEエンターテインメント施設「MixaliveTOKYO(ミクサライブ東京)」。そのプロジェクト発表会にて、パートナー企業として参画する6社が明かされた。本プロジェクトに講談社と共に取り組むのは、株式会社テレビ東京、株式会社ネルケプランニング、株式会社ブシロード、株式会社ムービック、UUUM株式会社、キングレコード株式会社の6社。
ビルオーナーは、7月19日開館のグランドシネマサンシャインなども運営する佐々木興業株式会社。講談社は、旧「シネマサンシャイン池袋」を丸ごとリノベーションした当該施設で、マンガ、小説、児童書、実用書、グラビア、ファッションなど様々なコンテンツを「ライブ」という形に変換し、「出版社が作り出すライブ」創出を狙う。
「MixaliveTOKYO」というビル名には、様々なライブコンテンツをMIXして世界に発信していくという意味が込めたという。主役となるのは、作家、歌手、役者、声優、モデルなど、飛躍を求める数多くの若者たちと、その夢を分かち合う観客たち。“国際アート・カルチャー都市構想”を掲げる豊島区の強力も得ながら、夢と才能を世界に発信する拠点作りを目指す。
施設には、4つのホールとグッズショップ、ライブカフェが入る予定。地下1~2階には「Crab Mixa」(キングレコード運営)、「Hall Mixa」(講談社運営)、4~5階には「Studio Mixa」(テレビ東京運営)と「Store Mixa」(ブシロード運営)、6~8階には「Theater Mixa」(ネルケプランニングプロデュース)と人気作品をテーマとした新しいタイプのライブカフェ「Live Cafe Mixa」が設けられる。また、UUUMは所属クリエイターやアーティストによるイベントやライブ展開、ムービックはグッズ制作やアニメイトとの連動やコラボ企画として加わるとのこと。
演劇が上演されるのは、ネルケプランニングがプロデュースする「Theater Mixa」は収容人数300人。本プロジェクトにどのような構想を持っているのか、株式会社ネルケプランニング 代表取締役会長・松田誠氏に聞いた。
大前提として、ネルケプランニングが手掛けるのはプロデュースであり、運営ではない(運営は講談社)。「今回は、弊社がプロデュースして中身を提案していく、というパートナーシップです。ネルケが劇場を持つということではないので、違う興業元が使用することも可能な劇場です」。
また、運営元は講談社だが、“講談社の作品のみを扱う”ということでもないという。「講談社さんは太っ腹で、最初から“講談社の作品にとらわれず、いろんなものを取り扱ってほしい”と言っていただいています」と、幅広い作品を上演することを示唆。
また、300人というキャパシティに関しては、「皆さんもこれを聞いたら、小さいと感じられるかもしれません。無論、このキャパでいつも取り扱っているような2.5次元作品の上演を考えているわけではないです。今、考えているのは1ヶ月のロングラン公演。もっと若い俳優たちがトライできて技量を磨いていける場にしたいと感じていたところに、このお話をいただいたのでぜひと参加させていただきました」とその考えを明かした。
「日頃行っているオーディションでは多くの人材と出会いますが、いつも行っている1,000人規模の公演だと、我々もどうしてもキャスティングに慎重になってしまう。今、新人発掘ができているのはミュージカル『テニスの王子様』ぐらいで、2.5次元作品もスターシステムになってきている。次のスターを生むためにも、新人たちが役者として育つ場を作っていけたらと思っていたんです」。
イメージとしては、同社がサンリオピューロランドで行っている公演に近いようだ。「人も作品も、育ててくださるのはお客様なんですよね。もっと言うと、演出家やスタッフ、クリエイター陣も、人前で経験を積むことで育つ。“育つ”というテーマを持って、大きな劇場ではできないチャレンジをできる場としていきたいです」。
また、2020年のオリンピックイヤー開業だが、インバウンド方面へのアプローチについては「今のところ、優先順位としては高くない」とのこと。「もちろん考えていますが、お話してきたように、新人発掘を念頭に置いているため、すぐにそちらの方面を考えるとブレてしまうかなと・・・。土地柄、いずれできたらいいなとは思っていますけどね」。
最後に、松田氏は「新しい役者たちが育つ場であり、お客様に見つけてもらえる場になっていったらいいなと思っています。タイトルだけで引っ張るのではなく、トライの場と、人を見つける喜びを提供できたら。お子さんや男性も含めて、幅広いお客様に興味を持ってもらえる場にしていけたらいいなと思っています」と語っていた。
劇場は、現在建設中。各社、まだまだ構想段階だが、この取り組みが新しいエンターテインメント創造の拠点となるか。今後の動きにも注目だ。
(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)