ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」〝飛翔〞が、2019年11月1日(金)にいよいよ開幕する。10月17日(木)には、シリーズ初となる稽古場公開取材が行われた。「週刊少年ジャンプ」(集英社)にて連載中の古舘春一による大人気バレーボール漫画を原作に、2015年11月の初演からシリーズ8作目となる本作。今回から、主人公・日向翔陽役の醍醐虎汰朗をはじめとする烏野高校メンバーが全員新キャストとなり、「新生烏野」が始動する。
稽古場に入ってまず目を引いたのは、新しい舞台セット。これまでの演劇「ハイキュー!!」で印象的であった“盆”も無くなっており、これまでとはイメージがガラリと変わっている。そこで早速披露されたのはオープニングシーン。烏野メンバーから登場人物全員でのダンスに移っていく華やかなシーンだ。その稽古前、演出のウォーリー木下が烏野メンバーと変更点について打ち合わせる。
例えば烏野のメンバーが登場する場面では、誰がどう動いていくのかを、よりキャラクターらしく表現するために詳細まで話し合う。「あそこの振付はもっとキャラ出した方がよくない?」とウォーリーが言うと、キャストが「何なら声出したほうがいいですよね」と応えるなど、それぞれが積極的にアイデアを出し合っていた。そしてオープニングシーンが始まると「繋がなくてはならない、託さなくてはならない」という台詞から、和田俊輔の音楽に乗せた激しいダンスへ移っていった。そのダンスもこれまでとは印象の違うもの。ぜひ劇場で確認してほしい。
次に披露されたのは伊達工業高校との練習試合のシーン。演劇「ハイキュー!!」らしいアクロバティックな振付で、試合の展開が表現されていく。すでに一人一人のキャラクターが立ちつつあるといった印象で、ここからさらに深まっていくのが楽しみになる稽古場公開だった。
稽古後の囲み取材には、主人公の日向翔陽役・醍醐のほか、影山飛雄役の赤名竜之輔、脚本・演出のウォーリー木下が出席。稽古が進んだ今を醍醐は「今まで体験したことのない世界や動き、これまで自分がやってこなかった身体の使い方をイチからやっている状態。ワクワクしているのと同時に『時間がないな』という焦りもあります」と明かす。一方で、赤名がこれからの課題として「日向と影山の関係性ももっと深めないといけない」と話すと、すかさず醍醐は「そこは余裕だろ!」とツッコミをみせる一幕も。体力を使う舞台だが、 醍醐は「(前作まで主演を務めた)須賀健太くんが『いつも、きつい方を選んでた』と言っていたので、しんどいという理由で『できない』とはまだ言っていません」と話した。
ウォーリーは、今作について「今までやっていなかったメソッドを取り入れている」と話し、新たなセット、新たなダンスについて「同じ演劇『ハイキュー!!』ですが、違う視点で描きたいなと思いました。 意図はたくさんあるのですが、大きくは、今回、烏野高校が全国大会出場が決まって、ある意味できあがったチーム・・・井の中の蛙が外に出て、いろんな人たちに出会っていく話なので。そこを大事に描こうという思いから、振付や美術も新たに考えて作っています」と解説。 そして「これまでに観てくれた方にも、初めての方にも、間口は広く作っているつもりです」とアピールした。
ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」〝飛翔〞は、以下の日程で上演される。
【東京公演】2019年11月1日(金)~11月4日(月・休) TOKYO DOME CITY HALL
【大阪公演】2019年11月9日(土)~11月16日(土) 大阪メルパルクホール
【宮城公演】2019年11月22日(金)~11月24日(日) 多賀城市民会館 大ホール
【東京凱旋公演】2019年12月6日(金)~12月15日(日) 日本青年館ホール
【公式サイト】http://www.engeki-haikyu.com/
【公式Twitter】@engeki_haikyu
(C)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会
(取材・文/中川實穗、撮影:GEKKO)