世界で愛され続けられる海外戯曲を舞台上演するユニット「SHY BOYプロデュース」の第2弾となる『ザ・フォーリナー』の稽古場公開が10月2日(水)に東京都内で行われ、江田剛(宇宙Six/ジャニーズJr.)、高田翔(ジャニーズJr.)、徳山秀典、小島梨里杏、武藤晃子、我善導、清水順二、演出の野坂実が取材に応じ、作品への思いを語った。
本作は、ラリー・シューが書いた生涯で書いた2本の戯曲のうちの1作で、傑作として知られるコメディー。アメリカ、ジョージア州のとある田舎町にある古い農家を改造した釣り宿を舞台に、チャーリーが「フォーリナー 外国人」として過ごすことになった3日間の騒動を描く。
この日の稽古では、江田演じるチャーリーと徳山が演じるフロギーが、宿に到着し「フォーリナー」として過ごす羽目になった顛末を描いた、物語冒頭から40分ほどが公開された。
稽古は、江田と徳山による軽快な会話のやり取りから始まった。ここで目を引くのはチャーリーのキュートさだ。チャーリーは人一倍の恥ずかしがり屋で臆病、さらにはお人好しというキャラクターであるが、それを江田が演じることによって、どこか守ってあげたくなるような可愛らしさのある男性に見えた。
途中、野坂からはセリフの言い回しやテンションの変更、感情のつけ方について細かな指示も飛ぶ。武藤からは自身の動きについての提案も上がり、その提案に基づいて、再度そのシーンが演じられることも。話し合いの中で、シーンが一つひとつ作り上げられていく。
また、コメディーというだけあり、間の取り方には特にこだわりを持って演出していることがうかがえた。野坂は稽古前に「役者たちの動きは、ほぼ動きは全編決まっています。演者さんが達者なので、その位置になんとなくいるように思えますが、セリフのタイミングも立ち位置も決まっています。本稽古2日目で、これくらいのクオリティで持ってこられる役者たちです」と絶賛していたが、その言葉通り、キャストたちの違和感のない動きは稽古2日目とはとても思えないほどだった。
稽古後に行われた囲み会見では、本作が単独初主演となる江田がその思いを「宇宙Sixを背負って初めて主演を張るということで、楽しみでもあり挑戦でもあり、今後に繋がっていけばと思います。頼れる方がいっぱいいて、すごく楽しく稽古をしています」と語った。江田にとっては、コメディーも初挑戦となるが「(稽古場では)ずっと笑っています。人のお芝居を見ながらニコニコしてしまうので、飽きることなく、1日が終わるのが早い」と楽しそうな様子を見せた。
また、事務所の後輩でもある高田について、江田は「勉強熱心で、(高田演じるデビットの婚約者役である小島と)自由時間にも話し合っているほどです」と明かす。一方で高田は、本作が初共演となる江田について「これからの稽古で先輩後輩としても、デビットとチャーリーとしてもコミュニケーションを取れたらいいなと思います」とコメントを寄せた。
また、小島は「婚約者という(間柄の)役なので、本編では描かれていない、どうやって出会ったのかなどの背景を、二人で想像して作りました」と振り返り「ぜひスピンオフを!」と訴えて笑いを誘った。
この日が本稽古2日目ということだったが、見事な完成度を誇っているのは、実はそれ以前から稽古自体はあったからだそう。野坂は「最初の稽古は2カ月以上前からしています。それから2カ月以上かけて、(キャストたちが)役に向き合う時間ができて、だから豊かな時間の持ち方ができている。自主稽古をしながら、(それぞれが)役を深めていっているので頼もしいです」と語った。
とはいえ、徳山は「僕は全然仕上がっていない」と不安げな様子も見せる。そして、「(江田は)セリフを覚える変態。すぐに覚えてきて、僕にプレッシャーかけまくる」と江田に恨み節をぶつけ、会場を笑わせた。
我が演じるのは、小島演じるキャサリンの弟という役どころ。我は「38歳にして子役に挑戦させていただきます。たまに(野坂から)『おっさんが出たよ』ってダメだしもらっていて…ずっと子どもでいるのは難しいなって思います」と苦戦中。我が本番までにどれほど子役になりきるのかも注目だ。
そして、おばちゃんキャラが全開のベティーを演じる武藤は「(ベティーの独特の喋りが)お客さんの耳につくように喋って『チャーリー』(と呼びかけるセリフを)覚えて帰ってもらいたいと思います」とアピール。
清水も「江田くんをぜひ男にしたいと思っています。高田くんの演技力、そしてほかの皆さんの演技も相まって、江田くんがどんどん成長している。後半は大爆笑すると思います。ぜひ劇場で観て楽しんでいただければ」と呼びかけた。
SHY BOYプロデュース『ザ・フォーリナー』は以下の日程で上演される。
東京公演:10月16日(水)~23日(水) 三越劇場
愛知公演:11月9日(土)~10日(日) 東海市芸術劇場
大阪公演:11月20日(水)〜24日(日) 近鉄アート館
(取材・文・撮影/嶋田真己)