ミュージカル『刀剣乱舞』~葵咲本紀~レポート――刀ミュの挑戦が広げる物語の行方

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2019年8月3日(土)よりミュージカル『刀剣乱舞』~葵咲本紀~が上演されている。千子村正役の太田基裕、蜻蛉切役のspiに加え、明石国行役の仲田博喜、鶴丸国永役の岡宮来夢、御手杵役の田中涼星、篭手切江役の田村升吾が初登場を果たす刀ミュ本公演の新作は、「三百年の子守唄」と対となる物語。舞台写真と共に、その公開ゲネプロの模様をレポートする。

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髭切(三浦宏規)と膝丸(高野洸)の二振りによるミュージカル『刀剣乱舞』髭切膝丸 双騎出陣2019~SOGA~で、新たな“挑戦”を見せた刀ミュ。この「葵咲本紀」では、刀ミュの物語として描こうとしているもの、“ミュージカル”作品として目指す方向性、それぞれの輪郭がよりはっきりと見えてきたように感じた。

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まずは、出演発表時にも大反響があった新刀剣男士4振りについて。4振りを演じる役者陣は、太田やspiよりも早く稽古に入り、約2ヶ月みっちりと鍛錬を積んできたという。役を得るということは、憧れであると同時に担う責任を持つということ。開幕前、それぞれの顔には、緊張と期待と覚悟が入り混じったようないい表情が浮かんでいた。

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それぞれの魅力については、開幕にあたり演出の茅野イサムが寄せたコメントに凝縮されている。仲田の演じる明石国行は一筋縄ではいかない雰囲気にセクシーさをまぶして煙に巻くし、発表時に「股下97cm」というスペックがTwitterのトレンド入りを果たしていた田中の演じる御手杵はどこまでも健やかだし、田村の演じる篭手切江がキラキラと夢を追いかける姿はふれっしゅで大変良い。

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そして、鶴丸国永役の岡宮は、まだ出演作が少なく幕が開くまで未知数だったが、ファーストインパクトですべてを納得させるだろう。全74公演を通じて4振りがどうベストを更新していくのかも、長丁場の公演における楽しみである。

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そして「三百年の子守唄」(初演、再演)に続いての出陣となった、千子村正役の太田と蜻蛉切役のspiが見せた背中の大きさ。再演版で物語として一層役を深めてきた彼らに、2次元コンテンツを演劇作品にする可能性を改めて感じたが、今回はさらに“ミュージカル”という表現を選択していることの意味を強く考えさせられた。歌に託すからこそ、表現できること。二人の歌声は、互いを照らし合いながら雄弁に、密やかにそれを伝えてくる。

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(以下、かんたんなあらすじを紹介しています)

慶長五年七月、下野国小山。
徳川家康は家臣を伴い、会津征伐のためこの地に在った。
服部半蔵、酒井忠次はすでに没し、それぞれの役割を終えたが、井伊直政と本多忠勝・・・つまり、千子村正と蜻蛉切の任務は続いていた。
一方、本丸では審神者の命により刀剣男士たちが集められ、鶴丸国永を隊長とし、明石国行、御手杵、篭手切江の部隊が編成される。
敵の狙いは、徳川家康の次男である結城秀康。
そして、下野国小山で合流した刀剣男士たちの前に現れたのは・・・。

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本作には徳川家康(鷲尾昇)、松平信康(大野瑞生)のほか、徳川家康の次男・結城秀康(二葉要)、秀康に見間違えるほどよく似た見た目の永見貞愛(二葉勇)、徳川家康の三男・徳川秀忠(原嶋元久)らが登場する。最後に、劇中の台詞を一つだけ紹介。
信康は、家康にこう告げる。
「同じ葵の花びらでも、一つとして同じ形のものはございません」

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演出の茅野は、本作について「今後の刀ミュの様々な可能性を提示したという意味で、岐路に立つ作品といえるかもしれません」と評している。年末年始に開催を予定している「歌合 乱舞狂乱」についても、クリエイター陣の口からすでに新たな挑戦の姿勢が示されているが、シリーズものという大きな流れの中に、うねりが生まれようとしている。

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本作もきっと、シリーズを通じて観続けている方、「三百年の子守唄」を観てから観劇された方、初めて刀ミュを観る方と、受け取るものが異なってくるだろう。描かれる一振り一振り、そして一人一人の物語が、観る側にも生む物語を大切に、このうねりの行方を見届けたいと思った。

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ミュージカル『刀剣乱舞』~葵咲本紀~は、以下の日程で上演。上演時間は、第1部(ミュージカル)約2時間15分、休憩20分、2部(ライブ)40分の計3時間15分を予定。

なお、Blu-ray&DVDが発売されるほか、大千秋楽となる10月27日(日)18:30公演では、ライブビューイングとDMM.comでのLIVE配信が決定している。

【東京公演】8月3日(土)~18日(日) 天王洲 銀河劇場
【大阪公演】8月30日(金)~9月8日(日) サンケイホールブリーゼ
【兵庫公演】9月14日(土)~9月28日(土) AiiA 2.5 Theater Kobe
【福岡公演】10月4日(金)~6日(日) アルモニーサンク北九州ソレイユホール
【東京凱旋】10月19日(土)~10月27日(日) TOKYO DOME CITY HALL

◆ライブビューイング
【開催日時】10月27日(日)18:30開演
※開場時間は劇場により異なる
【上映館】全国各地の映画館(公式HPにてご確認を)
※大阪府では条例により16歳未満で保護者同伴でない場合、終映が19:00を過ぎる上映回には入場不可
【料金】3,600円(税込/全席指定)

【公式サイト】https://musical-toukenranbu.jp/
【公式Twitter】@musical_touken

(C)ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)

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この記事を書いた人

ひょんなことから演劇にハマり、いろんな方の芝居・演出を見たくてただだた客席に座り続けて〇年。年間250本ペースで観劇を続けていた結果、気がついたら「エンタステージ」に拾われていた成り上がり系編集部員です。舞台を作るすべての方にリスペクトを持って、いつまでも究極の観客であり続けたい。

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