2011年に『鎌塚氏、放り投げる』で始まった「鎌塚氏シリーズ」の最新作が、2019年11月に上演されることが決定した。「鎌塚氏シリーズ」とは、三宅弘城が演じる生真面目で融通のきかない“完璧なる執事”が、問題解決に奮闘する姿を倉持裕が書き下ろす人気コメディ。前作「腹におさめる」から約2年、シリーズ5作目となる今回のタイトルは、『鎌塚氏、舞い散る』。
今回の出演者には、三宅のほか、シリーズでおなじみのともさかりえ、片桐仁、広岡由里子、玉置孝匡に加え、小柳友、岡本あずさ、大空ゆうひが初参加。
いつもは夏に上演されることが多い本シリーズだったが、今回は、初めてクリスマスシーズン迫る冬の上演。そのため、物語の舞台も雪山。いつもの賑やかなコメディ要素に、女主人(大空)に仕えるアカシ(三宅)と、パートナーであるケシキ(ともさか)の恋の行方というロマンティックな展開も交え、鎌塚氏の新たな活躍が描かれる。
発表にあたり、作・演出を手掛ける倉持と、主演の三宅より以下のコメントが届いた。
◆倉持裕(作・演出)
地道に続けて来て、気付けば『鎌塚シリーズ』も5作目です。これは節目と言えるでしょう。そんなわけで、1作目から続く鎌塚アカシと上見ケシキの、相思相愛ながら一向に発展しない恋も、一つの節目を迎えそうです。
ほかに特筆すべきは、シリーズ中初の「冬公演」だということです。そこで、深く考えず、雪山を舞台に選びました。アカシにスキー板を履かせて、ゲレンデを滑走してもらおうと思います。なんだかちょっと007シリーズみたいになってきました。
◆三宅弘城(主演)
2011年に鎌塚シリーズが始まり、今回でついに5作目を迎えることになりました。前作「腹におさめる」から2年、完璧なる執事鎌塚アカシが帰って参ります。そしてシリーズ始まって以来、初めて舞台は冬。相変わらずアカシは頑固な堅物なのか、それとも少しは柔らかくなったのか。僕自身、アカシを演じられることをすごく楽しみにしています。今までご覧になったことのある方もない方もお楽しみいただけると思います。劇場でお会いましょう。
【あらすじ】
貴族制度が続いている世界の現代の日本。
「完璧なる執事」として名高い鎌塚アカシ(三宅)は今、名家・北三条伯爵家の女主人マヤコ(大空)の従者として雪山の別荘に来ていた。
昨年夫を亡くしたばかりのマヤコはこの別荘で毎晩のようにパーティーを開いていた。アカシの下には、若い女中・円子ミア(岡本)がいたが、この女中がまるで働かず、注意すればパワハラだと騒ぎ立て、アカシも困っていた。そんな中、アカシは買出しに出かけた街中で偶然、上見ケシキ(ともさか)に再会、ケシキは急遽、北三条家に雇われることに。優秀なケシキの働きぶりで、落ち着きを取り戻す北三条家。
そこへリゾート開発のためにマヤコの土地と別荘を手に入れようとする堂田男爵夫妻(片桐・広岡)が訪れる。そして、彼らは佐双ヨウセイ(小柳)という若い執事を伴っていた。ヨウセイは、どうやらケシキに好意を持っている様子。スーパールーキーの登場に内心焦りを覚えるアカシ。不安を抱えたアカシはゲレンデをさまよい、そこで元々堂田家に仕えていた宇佐スミキチ(玉置)に再会する。スミキチは、どうやら自分をクビにした堂田夫妻に恨みを持っているようだ。
折も折、別荘を猛吹雪が襲い、マヤコが行方不明となる。アカシ、ケシキ、ミアが捜索に出発、堂田夫妻とヨウセイも捜索隊を編成するが・・・。マヤコの隠された過去の事情が明らかになる一方で、ケシキはアカシとヨウセイの間で揺れる。その時、一行の耳に聞いたこともない地鳴りが・・・。
アカシ「ご覧なさい!雪崩でございます・・・!」
『鎌塚氏、舞い散る』は、11月22日(金)から12月11日(水)東京・本多劇場にて上演される。ほか、大阪・島根・石川・宮城・愛知公演の予定あり。