2019年5月10日(金)東京・シアターGロッソにてミュージカル『忍たま乱太郎』第10弾 これぞ忍者の大運動会だ! が開幕した。初日前にはゲネプロと囲み会見が行われ、4年生、5年生、6年生のキャストが登壇した。
本作は、尼子騒兵衛によるマンガ「落第忍者乱太郎」およびアニメ「忍たま乱太郎」をミュージカル化した“忍ミュ”シリーズの記念すべき10作目。脚本・作詞・演出に新たに竹本敏彰を迎え、これまでのパワーをさらに上回るような舞台が繰り広げられた。
【あらすじ】
物語りの始まりは、学園長の突然の思いつき。「みんなー!春の大運動会をやるぞー!」。その一声で忍術学園大運動会が開催されることになった。運動会は委員会対抗とのことだが、委員会の人数はバラバラ、任務に出ている生徒もいれば、バイトを断れなかったきり丸に・・・とてんやわんや。
そこになぜかドクタケ乱入。さらには、学園長の命を奪うべく最強の暗殺者、万寿烏・土寿烏の不気味な影が近づき、ドクタケ忍者隊と学園勢の三つ巴の戦いが幕を開ける。
初日に向けて、4年生、5年生、6年生のキャストがそれぞれ意気込みを語った。以下、各キャストのコメントを紹介。
◆湯本健一(立花仙蔵役)
10年目ということで、節目の公演ではあるのですが、今まで稽古してきたことを出しきれるようにしていきたいです。公演数がこんなに多い舞台は、僕は初めてなので、どんどん公演を重ねてブラッシュアップしていけるようにがんばります。初参加ですが、優しい先輩ばかりで、最高です!
◆渡辺和貴(潮江文次郎役)
ダンスや殺陣もあり体を動かすことが多いので、全員で無事に千秋楽のカーテンコールを迎えられるようにがんばっていきたいです。忍ミュファミリーはキャストが違ってもとても温かく、毎日学校に通っている気持ちでした。本番も楽しんでできると思うので、それがお客様に伝われば嬉しいです。
◆新井雄也(中在家長次役)
10弾はキャストの出演数が多く競技も多いので、怪我無く、そして楽しく演じられたらいいなと思っています。流れを大事に、最後のシーンに持っていきたいです。先輩方の思いを受け取りつつ、新キャストとしてできることをしていきたいと思います。
◆木村優良(七松小平太役)
最後まで誰一人欠けることのないよう、忍たまファミリー全員で”楽しむ”をモットーにやっていけたらと思います。稽古が毎日とても楽しく、刺激的な日々でした。新キャストとして新しいスパイスを与えられたらな、と思います。
◆秋沢健太朗(食満留三郎役)
ダンスや音楽など何もかもが新しいものばかりですので、ファンの方にも、初めて忍ミュを見る方にも「また観に行きたいな」と思ってもらえるものにしていきたいです。出演キャストが一番多いですし、初登場のキャラクターなどもいるので、何度も足を運んでくださっても楽しめるものになっています。
◆反橋宗一郎(善法寺伊作役)
節目の作品に、6年生がメインで、僕がその6年生をさせていただけるということで、必ず成功させなければならないという責任を感じています。成功させて、必ず11弾につなげていきたいと思います。今まで応援してくだった人も「おお」と驚くようなものがたくさんありますし、応援してくださるファンの皆さんに喜んでいただけるよう命を懸けて演じます。新しい門出の忍ミュをぜひ観に来てください。
◆山木透(久々知兵助役)
僕たち5年生は、今年で3年目の出演になるのですが、初心を忘れず、お客様に笑顔と勇気とパワーを与えられるように千秋楽までがんばります。
◆佐藤智広(尾浜勘右衛門役)
観に来てくださるお客様一人一人に「最高の舞台だった」と言っていただけるよう、僕らも舞台上でがんばりたいと思います。
◆栗原大河(竹谷八左ヱ門役)
6年生を精一杯支えていける、そんな5年生でいれたらな、と思っています。よろしくお願いいたします!
◆樋口裕太(平滝夜叉丸役)
5年ぶりに滝夜叉丸として本編に出演ということで、この舞台のいいスパイスになれればと思っています。
◆大谷誠(綾部喜八郎役)
初参加ということで、綾部らしく「大成功~」となるような舞台にしたいと思います。
◆三井淳平(田村三木ヱ門役)
舞台自体が初めてなので、素敵な忍たまファミリーの足を引っ張ることがないよう、がんばっていきたいです。
◆高畑岬(浜守一郎役)
守一郎は第10弾で初めて出てくるキャラクターということで、僕は僕らしく、守一郎を大事にして、千秋楽まで笑い飛ばしてやろうと思います。
物語の軸となる運動会は、委員会ごとのチーム分け。そのため、これまでと変わらぬ同室、同学年間の友情だけでなく、学年を超えた信頼関係が描かれていく。
久々に全員集合となったメインの6年生は、見せ場が盛り沢山。ゲネプロにも関わらず殺陣や武器の扱いなど、すべてが見事に完成されており、キャスト陣の忍ミュにかける本気がそこにうかがえた。
立花仙蔵はその髪をなびかせながら、い組にふさわしい、しなやかな立ち振る舞いで応戦。潮江文次郎は、自身にも周りにも厳しく、チームを優勝へ導くべく奮闘。
中在家長次は、後輩への思いやりは誰よりも強く、自分よりも他者を優先させる優しい性格を覗かせた。「いけいけどんどん」の七松小平太は、まっすぐなそのキャラクターでチームを引っ張り、周りがその強さに勇気づけられることも。
食満留三郎はチームを第一に考え、常にサポートを続けていく。時に声を荒げることもあるが、それは自分のためでなく、チームを守るため。不運の保健委員会 委員長の善法寺伊作は、変わらず不運に見舞われながらも、その強い意思と責任感で運動会をやり遂げた。
今回は五年生5人のうちの二人である不破雷蔵、鉢屋三郎が登場しないが、久々知兵助、尾浜勘右衛門、竹谷八左ヱ門が彼ら二人のことを語るシーンもあり、ほっこりした気持ちに。離れていても繋がっている絆に、改めて五年生の仲の良さを感じた。
個性が強い四年生は、後輩を導く学年である傍ら、先輩に振り回される難しい立ち位置。しかし、そんな壁はものともせず、チーム内でもそのキャラクターや能力を最大限に見せつけてくれた。
また、先生が生徒の成長を温かく、時には厳しく見守る姿に、思わず涙腺が緩んでしまう場面もあった。学園長先生の生徒全員を大事に思う気持ち、土井先生の苦労人でありながらも最後まで生徒に寄り添う姿勢、山田先生の生徒の危機に素早く駆け付け、彼らを身を挺して守る責任感など、忍術学園を語るうえで欠かせない要素が盛り込まれている。
学園長の命を狙う海松万寿烏(当銀大輔)、土寿烏(翁長卓)の存在は、笑いの多い忍ミュの中で、ピリッとした空気を漂わせる大きなスパイスとなっている。この二人による”ある行動”をきっかけに、物語は急展開を見せていく。
このほかにも、映像による斬新な演出や、原作者の尼子騒兵衛による忍術学園 学園歌など、第10弾に相応しい見どころが多く、目がいくつあっても足りないほどだ。時間が許すならばリピートで観劇し、同室ごと、学年ごと、委員会ごとなど、注目ポイントを変えて舞台を楽しんでほしい。
ミュージカル『忍たま乱太郎』第10弾 これぞ忍者の大運動会だ! の公演詳細は以下のとおり。
【東京公演】5月10日(土)~ 5月26日(日) シアターGロッソ
【大阪公演】5月31日(金)~6月2日(日) 森ノ宮ピロティホール
【愛知公演】6月8日(土)・6月9日(日) 春日井市民会館
【公式HP】http://www.musical-nintama.jp/
【Twitter】@myu_tama
(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)