人気RPG「テイルズ オブ」シリーズを原作とした舞台『テイルズ オブ ザ ステージ-ローレライの力を継ぐ者-EMOTIONAL ACT』が2018年8月22日(水)東京・ダイバーシティ東京にて幕を開けた。ここでは同作のオフィシャルレポートをお届けする。
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先だって行われた、神奈川・横浜アリーナでの一夜限りの同名の公演も大盛況の内に幕を閉じたが、歌と踊りのエンターテインメント性あふれるライブから一転、ストーリー性を重視し、主人公のアッシュ(新井雄也)の目線に重きをおいたオリジナル・シナリオが用意され、手に汗握るアクションの応酬、緻密な心理描写で魅せる熱い人間ドラマが展開された。
舞台は、六神将のひとり“鮮血のアッシュ”が、幼い頃にとある事件で、剣の師匠であるヴァン・グランツ(RYOJI)によって引き取られ、自らの出自と対峙しながら、悩み、葛藤し、やがてひとりの勇敢な戦士になる波乱万丈の人生を描いている。
アッシュの新井の存在感は、台詞回しや殺陣で際立ち、絶望・希望・悲しみ・喜びなど、アッシュの気持ちをダイレクトに感じとることができた。それだけではなく「人はなぜ生きているのか?」といった、人間の根底を揺さぶるような問題を、キャストたちの火花散るコミュニケーションで観客に問いかけるスケールの大きなダイナミックなショーでもあった。
さらに、神奈川・横浜アリーナ公演では描かれなかった六神将たちの日常や、登場人物たちの過去を描いた回想シーンが物語に深みを与え、新たに加わったキャストを含め、すべてのキャラクターが丁寧に描かれているので、原作を知らない観客も楽しめるはず。また、観客も参加して、アッシュをモチーフとした赤いペンライトを一斉に振るシーンでは、キャストとファンの心情がシンクロし、思わず感情移入をして涙を流すファンがいるほど感動的な場面を作りあげていた。
そして、そんな表情豊かなキャラクターを影から支えているのは、前作から進化した迫力ある映像演出だろう。可動式のパーテーションを駆使したり、シーンに応じてゲーム画面を投影し、キャストが技を繰り出すエフェクトを映し出すプロジェクションマッピングを使った演出は、とてもドラマティックだった。演出であるTETSUHARUの見事な手腕によって、観客は『テイルズ オブ』の世界が現実に息づいているリアルな手触りを感じるだろう。
感動的なカーテンコールの後には、出演俳優と原作の「テイルズ オブ ジ アビス」の声優によるトークショーが行われた。声優のルーク/アッシュ役の鈴木千尋を司会に、俳優からアッシュ役の新井、ルーク役の岩城滉太、ガイ役の川村玲央、原作の声優としてガイ役を務めた松本保典が登壇。彼らが登場するや、熱狂的な歓声に包まれた。
「初日が一番ドキドキします」と新井は、公演が終わったばかりの頬を紅潮させて興奮気味に話すと、川村は「最後のシーンはウルっとしました。みんなで悩みながら作った自慢の作品です」と述べた。事前にファンから、Twitter上で質問を募り「テイルズの世界で行ってみたい場所は?」との問いに、岩城は「暑いので水上の帝都グランコクマ」と答えて会場から爆笑をさらっていた。
トークショーの後には、当選者を対象にした俳優陣との撮影会があり、舞台が終わっても観客を飽きさせない。ちなみにトークショーや写真撮影会は日替わりで、しかも毎公演行われるので、詳細は公式ホームページをチェック。この夏、最後の思い出として、『テイルズ オブ』の新たな魅力を、そして“鮮血のアッシュ”の熱い男の生き様を、心に焼きつけてほしい。
『テイルズ オブ ザ ステージ -ローレライの力を継ぐ者- EMOTIONAL ACT』は8月22日(水)から8月26日(日)まで東京・Zepp DiverCity(TOKYO)にて、9月8日(土)・9月9日(日)に大阪・Zepp Namba(OSAKA)にて上演。
【公式サイト】https://to-stage.tales-ch.jp/
(文/竹下力、写真/GEKKO)