2018年8月29日(水)より上演されるAcrobat Stage『Infini-T Force』のヒーロースーツ完成披露目イベントが、8月9日(木)に東京・日暮里サニーホールで行われた。『Infini-T Force』とは、2017年に創立55周年を迎えたタツノコプロが、その記念作品として制作したフル3DCGアニメーション。2017年10月にTVシリーズを放送、2018年2月には劇場版が公開され、今回が初の舞台化となる。
描かれているのは、平和のために戦った4人のヒーロー・・・ガッチャマン、テッカマン、ポリマー、キャシャーンが、時空を超えて現代の渋谷に集結し、世界と一人の少女を救うために新たなる戦いに挑む姿。舞台化にあたり、クラウドファンディングでヒーロースーツの制作費用を募ったところ、目標金額を大きく超える支援が集まったという。
お披露目イベントでは、クラウドファウンディングの高額支援者を対象に、完成したヒーロースーツのお披露目と、4人のヒーローを演じるキャストのトークショーが行われた。
舞台版オリジナルキャラクター・ペガス役の佐藤弘樹がMCとして進行する中、『科学忍者隊ガッチャマン』鷲尾健役の井澤勇貴、『宇宙の騎士テッカマン』南城二役の小坂涼太郎、『破裏拳ポリマー』鎧武士役の小波津亜廉、『新造人間キャシャーン』東鉄也役の大崎捺希が、役衣裳の私服バージョンで登壇。
今回のクラウドファンディングについて、MCの佐藤から、452万5,000円という多額の支援が集まったことが告げられると、小坂は「すごい!1万円が452枚ってことでしょ?」ととても具体的な数え方で、その額を実感していた。
現在、開幕に向け稽古の真っ只中だが、顔合わせの後に「4人でカフェに行って、『Infini-T Force』のアニメとか、映画とか、いろんな話をしたんですが、気がついたら6時間くらい経っていたんです」と、のっけから白熱した現場であることを伺わせる裏話が飛び出した。
しかし、そんないい話をしている最中に、大きなハエが飛んできたそうで「それを見た涼太郎が、こんな感じで僕に寄って来て」と、おびえる小坂の様子を井澤が再現すると、「勇貴くんもこんな感じで、僕をチョンチョンつついてくるのがかわいかったです」と小坂も反撃。二人の話に、会場からは笑いが起こったが、当の本人たちはなぜかクールな表情のまま・・・。
その理由を、小坂は「僕ら、某番組の“笑っちゃいけないゲーム”が好きで、楽屋やっていて」と説明する。しかし、MCの佐藤から「待って!それ、ここでもやるの!?」とツッコまれると、井澤も「だとしたら小坂くん、すでに7回ぐらい負けてるから!」と指摘。会場は、再び笑いに包まれたのだった。
続いてトークは、ビジュアル撮影の裏話へ。井澤の「僕と亜廉くんと捺希は衣裳っぽいけど、涼太郎は、ほぼ“休日の大学生”」発言に、一同納得の表情。また、小波津が「鎧武士はオシャレでやっていると思うんですけど、迷彩柄のジャケットに、ボーダーのシャツを腰に巻くコーデは僕にはちょっと理解できない(笑)。そして小物が多くてアクション大変かも」と語ると、「そのバッグには何が入っているの?」という質問が飛び、すかさず「夢と希望が詰まっているんです!」とヒーローらしいコメントで切り返す一幕も。大崎は「僕の衣裳のこだわりポイントは、この“電光パンチ”の文字です」とかわいくアピール。
質問コーナーでは、事前に観客から集めた紙をBOXから引いてそれぞれ回答。「生まれ変わったら、どのヒーローになりたいですか?」という質問に、井澤が「やっぱり鷲尾健(『科学忍者隊ガッチャマン』)。演じてみたいのは、鎧武士(『破裏拳ポリマー』)かな」と答えると、うれしそうな表情の小波津。
ちなみに「キャシャーンに生まれ変わりたい」と答えたのは小波津と小坂。理由について、小波津が「不死身なのがすごい!」と目を輝かせると、「不死身も苦労がいっぱいありますよ」と大崎がつぶやくと、「不死身の何を知ってるんだよ!」と苦笑い。小坂は「キャシャーンの『アボガドの味を知らない』っていう台詞が好きで、その状況がうらやましいんです!」と力説したが、イマイチ賛同を得られていなかった。
そんな小坂は「ぶっちゃけ、ヒーロースーツは誰が一番似合っていると思いますか?」という質問を引き、「ぶっちゃけます!ガッチャマンです!誰もが分かりやすい“THE ヒーロー”ですよね」と即答。
小波津は「皆さんにとってのヒーローは誰?」という質問に「家族です。辛い時に支えてくれるのは、やっぱり沖縄の家族。僕の心は東京に染まっちゃったかもしれないけど(笑)。ずっと変わらず家族が僕の心のヒーローです」と語ると、「いい話だ・・・」「亜廉の話でこのコーナー終わった方がいいんじゃない?」と、大崎へのハードルを上げる井澤と小坂。
そんな大崎が引いた質問は「今回のご自身の役でカッコイイと思うところは?」。プレッシャーに負けず、「キャシャーンは小柄で見た目は少年なんですけど、ヒーローとしての資質をすべて持ち合わせているところがかっこいいなと思います!」と、作品愛を爆発させた。
イベント後半では、いよいよヒーロースーツのお披露目へ。メインビジュアルのメイキング映像が流れた後、ヒーロースーツに着替えたキャストが再び登場・・・となるはずが、突然、軍司令官マーシャル率いる機動兵団が会場に現れイベントをジャック!
観客にアメ玉を配って媚を売り、機動兵団をアピールしようとするが「今日はヒーロースーツのお披露目会なので、機動兵団はお呼びでない」と知ると、マーシャルは「こんなイベント、メチャクチャしてやる~!」とお怒りモードに。
マーシャルを止めるため、音楽に乗ってスーツアクター4名が登場し「ヒーロースーツを着ていなくても、貴様らなど一瞬で片付けてみせる!」と挑んでいくが、あっけなく瞬殺。しかし、MC佐藤が「クラウドファンディングでご支援いただいたイベントを潰させるわけにはいきません!」と果敢に立ち向かい、観客の声援をパワーに変えて敵を圧倒。機動兵団を撤退させることに成功したのだった。
その後、改めてヒーロースーツに着替えたキャストがステージに登場。マントを翻しカッコよくポーズを決める『科学忍者隊ガッチャマン』鷲尾健役の井澤、身長よりも長い諸刃の槍“テックランサー”を手にした『宇宙の騎士テッカマン』南城二役の小坂、メタリックな輝きを放つ印象的な深紅のヒーロースーツに身を包んだ『破裏拳ポリマー』鎧武士役の小波津、素早くステージに走りこんできた『新造人間キャシャーン』東鉄也役の大崎。原作をリスペクトしつつ、さらなる改良を加えたオリジナルのヒーロースーツに、観客から大きな拍手が起こった。
公演では、スーツアクターがこの衣裳に身を包み、ヒーローの姿を体現する。スーツアクターを務める伊与田良彦(ガッチャマン)、小笠原祐太(テッカマン)、中西奨(ポリマー)、大塚晋也(キャシャーン)は、キャスト4人と並び立ち、舞台成功に向けて気持ちを一つにした。
イベントの最後には、公演に向けて4人からそれぞれ挨拶が行われた。小坂は、「僕らがヒーロースーツを着るのは、このイベントが最初で最後になりますが、皆様の力で完成したこのスーツを着ることが出来て本当に嬉しいです。スーツアクターさんが着て、かっこいいアクションを見せてくれるので本番を楽しみにしていてください」、大崎は「僕は小さい頃からヒーローが大好きだったので、こうやってヒーロースーツを着ることができてとても感慨深いものがありました。スーツを着せてくださった皆様に感謝いたします。絶対にいい舞台にしてみせますので、楽しみにしていてください!」、小波津は「“ヒーローになる”ことは、とても感慨深いです。プレッシャーもいっぱいありますが、きっとこの4人だったらどんな悪にも立ち向かっていけると思いますので、引き続き応援をよろしくお願いいたします」とコメント。
井澤は「僕たちは男の子なので、子どもの頃からヒーローになりたかったとか、そういったロマンが非常に強くて・・・。幅広い世代に知られている『ガッチャマン』『テッカマン』『ポリマー』『キャシャーン』になれたこと、そして皆さんのお力で素敵なヒーロースーツが作れたこと。これまでいろんな舞台に出演してきましたが、今回、初めての感覚を味わっています。通常、舞台は劇場でお客様の反応をいただいて完成するものですが、今回はその一歩手前、衣裳制作から皆さんに関わっていただいて、本当の意味で“皆さんと作り上げる舞台”だなと強く感じています。必ずかっこいい作品にしてみせますので、楽しみにしていてください」と締めくくった。
Acrobat Stage『Infini-T Force』は、8月29日(水)~9月2日(日)まで東京・IMAホールにて上演される。
【公式HP】https://www.infini-tforce-stage.com/
【公式Twitter】@Infini_T_stage
(C)タツノコプロ/Infini-T Force製作委員会
(取材・文・撮影/オフィシャル提供、編集/エンタステージ編集部)