バツイチ、子持ち、酒豪にして警視庁捜査一課検挙率No.1。「無駄に美人」とささやかれる女刑事・雪平夏見の活躍を描いた、秦建日子によるベストセラー小説『アンフェな月』が、篠田麻里子主演で2018年2月に舞台化される。TVドラマ&映画が大ヒットした作品の舞台化とあって各方面から注目されている中、2017年11月16日(金)に製作発表と囲み会見が行われ、主演の篠田、共演の飯田基祐、原作の秦が登壇した。
「刑事・雪平夏見シリーズ」は、ワーカホリックで一風変わった女性刑事・雪平夏見を主人公としたハードボイルド小説シリーズ。今回、舞台化される『アンフェアな月』は、TVドラマ&映画『アンフェア』シリーズの原作となった『推理小説』の続編に当たる作品となる。
主人公・雪平夏見を篠田が演じるほか、雪平の相棒となる安藤一之刑事を染谷俊之、雪平の上司で捜査一課長の山路徹夫を飯田、雪平のライバル・林堂航を岡田達也が演じる。また、脚本・演出は菅野臣太朗が務め、原作の衝撃を舞台で再現する。
TVドラマ&映画で多くの人に知られ、世界観がすでに出来上がっている作品の舞台化という難しい挑戦に、篠田は「プレッシャーしかないです」と苦笑いで本音を漏らしつつも「自分なりの雪平夏見を探し出せたらいいなと思っています。それが一番の課題です。これはこれとして、新しいものとして、この作品を見てもらえたら嬉しいです」と語った。
原作ではアクションシーンも描かれていることから、篠田はアクションの練習をすでに始めているといい「蹴りや回し蹴りはもちろんやっていますが、今回は銃を使うシーンがあると思うので、どうやったら舞台で見栄えがよくなるかとか、銃を使った練習をしています」とにやり。さらには、酒豪の主人公の役作りとして「普段はあまり飲まないのですが、来年からお酒を飲み始めます」と宣言した。
一方、3年ぶりの舞台出演となる飯田は「板(舞台)に乗る感覚を忘れてしまっているので、よっぽど稽古を真剣にしないと、と思っています。怖いですね」と今から緊張している様子だったが「(舞台の本番直前に)ソデにいると、いつもプレッシャーで逃げ出したくなるんですけど、舞台が(千秋楽を迎え)終わったあとは新たなスタートラインに立てている気がします。今回も終わったあとに、いいスタートラインに立てるようにがんばりたい」と意気込んだ。
また原作者である秦は、今回の舞台化について「小説が連続ドラマになってから10年が経ち、あれだけ映像のキャストのイメージが強い中で、あえて舞台化のプロジェクトを進めたチームの勇気に感謝し、どんな新しい『アンフェア』ができるのかとワクワクしています」と感慨深そうに話した。演出家としても活動する秦だけに、シリーズ化した暁には自身が演出したいかと聞かれると「新しいチームが発足しているので、同じチームでシリーズが続いてくれたら」と自身の演出は否定しつつも、シリーズ化には期待を寄せた。
~刑事・雪平夏見シリーズ~舞台『アンフェアな月』は、2018年2月22日(木)から3月4日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場にて上演される。
(取材・文・撮影/嶋田真己)