森山直太朗がデビュー15周年の節目に開催した劇場公演『あの城』が、10月22日(日)夜8:00よりWOWOWにて独占放送される。森山が生み出した名曲の数々から新曲で彩られ、音楽と芝居を融合させた公演の模様を、一部レポートでお届けする。
移り変わりの激しい音楽シーンの中で独自のポジションを築き、卓越した歌唱力と心を震わせるソングライティングで変わらぬ魅力を放っている森山。本公演は、会場となった東京・本多劇場ではチケットが完売し、連日当日券待ちが出るほどの大盛況だった。
WOWOWでは、9月26日(火)に行われた、3時間に及ぶ熱演と熱唱のステージを放送する。合わせて「森山直太朗 15thアニバーサリー WOWOWスペシャル」と題し、以前WOWOWで放送し、大好評だった主演ドラマ『絶対、大丈夫』、最新ツアー「森山直太朗 15thアニバーサリーツアー『絶対、大丈夫』」も併せてオンエア。
劇場公演は、森山が音楽ライブだけでは表現しきれないテーマに取り組む演劇と音楽を融合させたステージで、『あの城』は『森の人』(2005年)、『とある物語』(2012年)に続く3度目の上演となる。過去2作と同じく、森山の共同制作者である御徒町凧が作・演出を手がけ、劇中で歌われる楽曲も森山と御徒町によって作られた。
出演者は森山のほか、皆本麻帆、富岡晃一郎、町田マリー、黒田大輔といった個性的な俳優陣に加え、全国ツアー「絶対、大丈夫」のバンドメンバーを務めた河野圭(Piano)、西海孝(Guitar)、朝倉真司(Percussion)、須原杏(Violin)、林田順平(Cello)も参加。演劇としても音楽ライブとしても独創性の高い舞台を彩った。
『あの城』というタイトルどおり、舞台にはヨーロッパ中世風の城をのぞむ森の中の野営地が作られ、そこにやはり中世風の衣装をまとった森山をはじめとする10人の男女が登場する。そして、敵国に侵略され「あの城」から逃げてきた乳飲み子の王子とその取り巻きたちの物語が展開。森山演じるナオタリオは王族のひとりではあるが、敵国に反撃することも、さらに遠くに逃げるという決断もできない。一行は食べ物が底を突きそうな状況の中で居場所を無くし、それぞれ葛藤を抱えながらも、来るべき変化の時を待っているのだ。
童話のような創作劇ではあるが、森山と御徒町が作り出したその世界は、現代社会のメタファーにもなっているかのよう。歌唱シーンでは、森山がナオタリオではなく彼自身としてマイクを持ったり、ステージから降りて客席の間に立って独唱するなど、現実と舞台とが交錯しつづける時間が繰り広げられ、観客たちはそんな趣向に翻弄されながらも楽しんでいた。
舞台中に披露された新曲「糧(かて)」のテーマは自分探し。現在41歳になった森山は「この年齢になって未だに自分を探しているという抜き差しならない状況だと思いますが」と前置きしてから披露した。その歌詞が森山だけでなく、思い悩むナオタリオにもリンクする。そして、「レスター」「Que sera sera」「雨だけど雨だから」「生きる(って言い切る)」などの名曲も、物語にシンクロしながら歌われていく。そんな芝居と歌の相乗効果によってナオタリオの内面が見えてくるかと思えば、森山が激しいビートに乗せてEDM風の曲を歌う場面もあり、抱腹絶倒ものだ。
「この年になって」と自嘲した森山だが、歌手としてはもちろん、役者としても劇場内を圧倒し空気を自在に操ってしまうほどの力量を発揮。決して善良な人間ではなく心に闇を抱えたナオタリオを、変幻も緩急も自在に演じてみせた。彼がこの15年間に積み重ねてきた表現がみごとに結実した独特でありながらも感動の涙なしには見ることの出来ないこの注目のステージ。言葉でどう説明しても、このステージの本質や素晴らしさはなかなか伝えることが難しい。だからこそ、10月22日(日)夜8:00からの放送でじっくりと、その感動を味わってほしい。
以下、森山から届いたコメントを紹介する。
Q.劇場公演『あの城』の見どころを教えてください。
その場でしか感じられない空気や雰囲気です。
映像でもきっと撮れていると思います。
Q.今回は劇場公演ということですが、WOWOWではライブ番組はもちろんステージ関連の番組も多く放送しています。そこで、ステージ好きの方に向けて『あの城』の魅力やステージ好きの方にこそ見て欲しいポイントなどを教えてください。
この舞台の魅力であり最大の不思議は、物語が進むにつれお芝居や音楽、客席と舞台上との境界線がなくなっていくその瞬間瞬間にあると思います。ボーダーレスな感覚をテレビからも感じてもらえたら本望です。
Q.『あの城』が映像化されることに当たって、期待することや映像を見る視聴者の方に伝えたいことなどがあれば教えてください。
コーヒーとか飲みながら観てね♪
Q.WOWOWで「あの城」をご覧頂く視聴者の方へ、一言メッセージをお願いします。
今年はドラマ、ライブ、劇場公演とたくさんお世話になりました。これに懲りずこれからもよろしくお願いします。感謝してまーす。
【番組情報】
「森山直太朗 15thアニバーサリー WOWOWスペシャル」
・劇場公演『あの城』 10月22日(日)夜8:00 WOWOWライブ
・ドラマ『絶対、大丈夫』 10月20日(金)夜9:00 WOWOWライブ
・森山直太朗 15thアニバーサリーツアー『絶対、大丈夫』 10月20日(金)夜10:00 WOWOWライブ
【WOWOW番組サイト】http://www.wowow.co.jp/music/naotaro/
<森山直太朗情報>
Blu-ray&DVD『絶対、大丈夫 ~15thアニバーサリーツアーとドラマ~』
【発売日】10月25日(水)
【通常盤】Blu-ray:5,500円+税、DVD:5,000円(税別)
※ファンクラブ盤(完全生産限定盤)の販売は終了
【収録内容】
●15thアニバーサリーツアー『絶対、大丈夫』ツアーファイナル@NHKホール(2017.7.29)
01. 嗚呼
02. 魂、それはあいつからの贈り物
03. 夕暮れの代弁者
04. 太陽
05. 風花
06. フォークは僕に優しく語りかけてくる友達
07. 夏の終わり
08. うんこ
09. どうしてそのシャツ選んだの
10. 生きてることが辛いなら
11. とは
12. 金色の空
13. 星屑のセレナーデ
14. よく虫が死んでいる
15. 坂の途中の病院
16. 今が人生
17. 君は五番目の季節
18. どこもかしこも駐車場
19. さくら(独唱)
20. 12月(2016 ver.)
21. 絶対、大丈夫
22. 花
●ドラマ『絶対、大丈夫』
森山直太朗、御徒町凧、土屋隆俊監督によるオーディオコメンタリー収録
【オフィシャルHT】http://naotaro.com/
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(撮影/杉能信介)