逆2.5次元舞台「錆色のアーマ」開幕!増田俊樹、W主演のEXILE佐藤大樹と「歯向かいながら共に歩きたい」

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2017年6月8日(木)より東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて「錆色のアーマ」が開幕した。本作は、舞台発のメディアミックス展開を図る“逆2.5次元プロジェクト”として、戦乱の世を舞台に“アーマ”と呼ばれる武器を携えた男たちの生き様を描くオリジナルストーリー。初日前には、公開ゲネプロと囲み会見が行われ、W主演を務める佐藤大樹と増田俊樹が登壇した。

「錆色のアーマ」舞台写真_2

EXILEの最年少パフォーマー、そしてFANTASTICSのメンバーとしても活動する佐藤は、本作が初主演舞台となる。ビジュアル撮影時にはまだ緊張の面持ちを見せていたが、初日を前にした佐藤は実に晴れやかな表情で「早くこの日になってほしいという気持ちが強かったです。最高のキャストの皆さんとスタッフさんと、ゼロから作り上げてきたので、早くお客様に観てもらいたいという気持ちでいっぱいです」と挨拶。

「錆色のアーマ」舞台写真_3

そして、声優として活躍し、再び舞台に戻ってきた増田は「舞台の上には魔物が住んでいるとよく言われますけれども、いいことがたくさん起こることを望みたいです」と言いながらも「頼れる仲間たちと1ヶ月間稽古に励んできて、すごく素晴らしい舞台ができているという自負があります。もう一人の座長が、しっかり前を向いているので、僕もその背中を追うように、歯向かいながら、共に歩いていきたいと思います」と、しっかりと言葉にした。

「錆色のアーマ」舞台写真_6

佐藤は雑賀衆を率いる孫一役、そして、増田は天に選ばれし覇道を征く織田信長役を演じる。佐藤は、孫一が登場する作品ごとに異なった描かれ方をしていることに触れ「演出の元吉(庸泰)さんに『(孫一を)自分に置き換えて演じていい』と言っていただいたので“自分が孫一としてこの場にいたら”ということを常に意識して、喋り方や表情なども喜怒哀楽を強く意識しています」と、役作りについて明かす。

増田は、実在の人物である織田信長を踏まえながら「信長自身の思いを『錆色のアーマ』の信長として、オリジナルで考えるとどこまで行けるんだろう、ということを考えながら作ってきました。明智光秀や一向宗との関係といった史実をなぞりながらも、『錆色のアーマ』という物語故の信長の“弱さ”を意識してきました」と、繊細な作り込みを感じさせた。

「錆色のアーマ」舞台写真_7

すべての始まりとなる“オリジナル”を生み出す上で、様々な試行錯誤が続けられてきたというこの舞台。殺陣はもちろん、歌やダンスも表現の中に取り入れられているのだが、その入り乱れ具合は「今まで経験したことがないぐらい」と増田。「これから(公演を重ねながら)もっともっと変わっていくかもしれません。それだけ挑戦的な舞台を作っていると思っています」と見どころに挙げていた。

また、佐藤は本作で初めて歌に挑んでいるという。「最初はすごく不安だったんですが、キャストの皆さんがすごく頼もしく力を貸してくださいまして、たくさん練習したので、もう不安要素は消えました」と自信を見せた。さらに「信長と顕如(輝馬)が二人で歌うシーンがすごく好きです。声もいいし、歌もいいし、存在感も花もあって、これは負けていられない!という思いになります」と絶賛すると、「褒められちゃった(笑)」と増田は笑顔を向け、仲の良い様子を見せていた。

そして本作のキーとなるのは、やはりタイトルにもある“アーマ”だ。佐藤は「男の子の本能として憧れがあり、持つとテンションが上がります(笑)。雑賀衆にはテーマカラーがあり、武器についている飾りの色や、八咫烏の紋のついている場所など、細かいところまで見てほしいです」とアピール。

一方、抜き身の刀が“アーマ”となる増田は「“鞘に収まらない”というのは、僕が作ってきた織田信長の人物像を照らし合わせ、腑に落ちるものでした。これを持って戦う意味を、改めて考えさせられましたし、衣裳や小道具にも魂がこもっていると思って扱うので、すごく身が引き締まる思いです」と語っていた。

「錆色のアーマ」舞台写真_5

戦国の世。鉄砲の腕前一つで名乗りを上げた孫一(佐藤)と、天を喰らおうとする信長(増田)。その出会いは、それぞれに変化をもたらす。ある因縁から信長に近づきその命を狙うが、どこかその求心力に惹かれていく孫一。

佐藤は、そんな孫一の姿を、はつらつと演じ、得意とするダンスではチームとしての雑賀衆を引っ張る。W主演として中心に立つこと、歌うことなど、初めて経験することが多いとは思えないぐらい、その度胸と勘の良さには目を惹くものがあった。

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雑賀衆の面々も、孫一に負けじと強い個性を持つ者が集う。長尺のアーマを持つ鶴首(荒木健太朗)と特殊な形状をした二丁拳銃のアーマを持つ蛍火(永田崇人)の親子のような関係や、自信の身体にアーマを仕込む黒氷(平田裕一郎)、破戒僧であり怪力で大筒のアーマを操る木偶(章平)、女性のようにしなやかにアーマで人を惑わせるアゲハ(神里優希)、雑賀衆のエリートで妖銃を持つ不如帰(崎山つばさ)と、それぞれのキャラクターにも物語が流れている。今後のプロジェクト展開で、さらに深掘りされることが期待できそうだ。

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また、信長に付き従う明智光秀(栩原楽人)の変化は、この物語に大きなうねりをもたらす。何が、光秀を本能寺の変に向かわせたのか。光秀の野心をギラリと光らせる栩原の目がとてもいい。数珠坊演じる市瀬秀和の、太刀さばきにも注目だ。そして、第三の勢力・顕如演じる輝馬の、歌の上手さはもちろん、得体の知れない佇まいが強く印象に残る。

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そして、なんと言っても信長演じる増田の、圧倒的な存在感。場に現れるだけで、空気を一変させる強さ。“久しぶり”となる舞台出演だが、違うフィールドでも着実に実力とキャリアを重ねてきたことを、全身で証明して見せた。「錆色のアーマ」の“今後”にも、増田の存在は大きな力となるだろう。

音楽が生演奏であることにも驚かされた。風の音や雷鳴の轟などの効果音も生音ならではの臨場感で表現されている。取り入れられている音楽も、ジャズテイストだったりロックテイストだったりと、違う要素が次々と顔を覗かせ、多彩な表情を見せる。デジタルとアナログを多様に組み合わせた演出と合わさり、生み出された舞台ならでは、演出を手掛けた元吉庸泰の懐の深さを感じさせた。

元吉は、舞台発のこのプロジェクトの始動に向け「『よい原作』であるためには、『よい演劇』でなくてはならず。それでいてしっかり2.5次元の作品でなくてはならない。そのために、俳優たちは膨大な量のキャラクター考察と実験と実践を繰り返し、物語を追求し、そして歌・振付・殺陣の難しいバランスを乗り越えてきました。ここに二人の座長が率いる座員が信じる『錆色のアーマ』があります。その美学を、存分に楽しんでいただければと思います」とコメントを寄せている。舞台から羽ばたくこのプロジェクトの今後が、楽しみである。

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「錆色のアーマ」は、6月8日(木)から6月18日(日)まで東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて、6月22日(木)から6月25日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。

なお、本作のDVD(7,500円+税)が12月末に発売されることも決定した。劇場予約をすると、限定舞台写真3枚セットが特典として付く。詳細は、公式HP、Twitterにてご確認を。

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(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)

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