2017年5月26日(金)から5月28日(日)にかけての3日間、神奈川・横浜アリーナにて「ミュージカル『テニスの王子様』コンサート Dream Live 2017」が開催された。3rdシーズンにとって2回目の“ドリライ”となる本公演では、青学(せいがく)12名をはじめ、山吹8名、氷帝9名、六角7名の総勢36名が集結。このレポートでは、全5公演のうち初日公演の模様をお届けする。
開演前は青学(せいがく)の堀尾聡史(相馬眞太)、加藤勝郎(奥井那我人)、水野カツオ(畠山紫音)ら“一年トリオ”による前説で会場が温められ、ついに「Dream Live 2017」の幕が開けた。大きなスクリーンに各校が映し出され、一人ずつメンバー紹介されると、観客らは声を揃えてキャストの名前を呼びかける。学校のイメージカラーに合わせて観客が持つペンライトの色も一斉に変化。青学(せいがく)、山吹、氷帝、六角と、学校ごとにキャストが登場し、舞台上に総勢36名が揃うと大きな歓声が上がり、オープニングから一体感に包まれた。
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キャスト全員による1曲目のナンバーを披露したあと、越前リョーマ(阿久津仁愛)の「まずは青学(せいがく)!」の掛け声でパフォーマンスがスタート。主人公の越前をはじめ、手塚国光(宇野結也)、大石秀一郎(松村 優)、不二周助(定本楓馬)、菊丸英二(永田聖一朗)、乾 貞治(加藤 将)、河村 隆(鈴木雅也)、桃城 武(吉村駿作)、海堂 薫(牧島 輝)らレギュラー陣と、1年トリオを含む現青学(せいがく)メンバーにとって初のドリームライブとなるが、主役校らしく存在感ばっちり。開幕時のコメントで越前役の阿久津が「ペンライトの景色を見るのが楽しみです」と語った通り、会場中が鮮やかな青に染まる中、全力のパフォーマンスを披露した。
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次に登場したのは六角。葵剣太郎(矢代卓也)の登場に続き、佐伯虎次郎(二葉 要)、黒羽春風(陽向謙斗)、天根ヒカル(坂垣怜次)、樹希彦(高木眞之介)、木更津 亮(佐藤祐吾)、首藤 聡(千葉冴太)らメンバーが姿を見せ、原作のネタを取り入れた小道具で笑いを誘う。しかし楽曲が始まると、和やかな雰囲気から活気に満ちた空気へと変わり、明るいテンポの歌とダンスで会場を盛り上げた。
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続いては、今回の出演校で唯一ドリライ2度目の参加となる山吹。南 健太郎(北川尚弥)、千石清純(森田桐矢)、東方雅美(辻凌志朗)、新渡米稲吉(登野城佑真)、室町十次(仁科祐二)、喜多一馬(蒼木 陣)、壇 太一(佐野真白)らのメンバーに一足遅れて、亜久津 仁(川上将大)が登場。ミュージカル公演でもおなじみのナンバーを披露し、イメージカラーの緑が象徴するようにステージ上を爽やかな風が吹き抜けた。
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そして、氷帝が登場すると会場の空気は一変。跡部景吾(三浦宏規)の周りを取り囲むように、忍足侑士(井阪郁巳)、宍戸 亮(小早川俊輔)、向日岳人(北乃颯希)、芥川慈郎(田村升吾)、滝 萩之介(山崎晶吾)、樺地崇弘(八巻貴紀)、鳳 長太郎(渡辺碧斗)、日吉 若(内海啓貴)らが歌い踊る。“コートに君臨する”氷帝らしく、風格漂うステージで観客を魅了した。
今回のステージ構成は、メインステージの中央から1本の花道が伸び、会場の中心部に設けたセンターステージへと繋がる。さらに、メインステージから見て後方に位置するアリーナ席の目の前に、独立したサブステージを設置。キャストたちは、ポップアップでかっこよく登場したかと思えば、花道を疾走してセンターステージへ向かい、客席の間を通ってサブステージへと辿り着く。広い空間をめいっぱい使って会場を沸かせた。
このほか、キャラクターにスポットを当てたナンバーも披露。原作やミュージカルにおいて大切なシーンを彷彿とさせる台詞や、ドリライならではの衣装と演出、そこにキャストの熱量が加わって、観客もヒートアップしていく。また、キャラクターたちの私生活を覗いているかのような掛け合いも楽しい。何より跡部役の三浦が、開幕時のコメントで「歴代の曲、そして自分たちの曲がMIXされているシーンなど、俺たちにしかできない氷帝をご覧ください」と言っていたように、1stシーズンからの楽曲を大切に歌い継ぎながら、2ndから3rdまでの新鮮さをバランスよく取り入れ、常に進化し続けているのもテニミュの魅力の一つだ。
今回「Dream Live 2017」のMCコーナーでは、青学(せいがく)初代の桃城 武役と、2ndシーズンの越前南次郎役を務めた森山栄治が司会を担当。さらに歴代キャストたちが日替わりでゲスト出演を果たし、初日公演には多和田秀弥、章平、木村達成、稲垣成弥ら青学7代目のメンバーが応援に駆け付けた。MCの途中、7月に公演を控えるミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 青学(せいがく)vs立海の告知映像が流れる場面もあり、観客からは期待感にあふれた歓声が上がる。
そして最後に、初演から見守ってきた森山が「テニミュは来年、15周年を迎えます。これからも変わらず応援してあげてください!」と挨拶し、1st、2nd、3rdシーズンそれぞれのテニミュファンにとって思い出深い楽曲たちを披露。キャストも観客も笑顔いっぱいの時間となり、約2時間45分の公演をノンストップで駆け抜けた。
テニミュの次なる挑戦、ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 青学(せいがく)vs立海は、2017年7月14日(金)に東京・TOKYO DOME CITY HALLにて開幕。日程の詳細は以下の通り。
【東京公演】7月14日(金)~7月23日(日) TOKYO DOME CITY HALL
【大阪公演】8月3日(木)~8月13日(日) 大阪メルパルクホール
【愛知公演】8月26日(土)・8月27日(日) 名古屋国際会議場 センチュリーホール
【福岡公演】9月2日(土)・9月3日(日) 福岡サンパレス ホテル&ホール
【宮城公演】9月9日(土)・9月10日(日) 多賀城市民会館 大ホール
【東京凱旋公演】9月22日(金)~10月1日(日) TOKYO DOME CITY HALL
※山崎晶吾の「崎」は、「大」の部分が「立」が正式表記
※辻 凌志朗の「辻」は、一点しんにょうが正式表記
(C)許斐 剛/集英社・NAS・新テニスの王子様プロジェクト
(C)許斐 剛/集英社・テニミュ製作委員会
(取材・文・オフィシャル写真以外撮影/堀江有希)