A.B.C-Zの塚田僚一が単独主演し、劇団柿喰う客の主宰を務める中屋敷法仁が演出を手掛ける舞台『サクラパパオー』。本作は、喜劇の名手である鈴木聡の傑作コメディで、2001年に初演されて以降、再演を重ねる人気作だ。4月より始まる上演に先駆け、製作発表が2017年3月2日(木)に行われ、塚田と中屋敷のほか、中島亜梨沙、黒川智花、片桐仁、作の鈴木聡が登場した。
塚田僚一を乗せたタマモラッシュ号
物語の舞台は、夜の競馬場。田原俊夫(塚田)と婚約者の岡部今日子(黒川)は、競馬場デートを楽しんでいた。今日子は、競馬場に詳しい俊夫に疑念を抱いていたが、そこへ正体不明の女性・ヘレン(中島)が現れたことで、さらなる騒動へと発展。一方、ヘレンは、見るからにエリートで神経質そうな男性・的場博美(片桐)を待ち伏せしていた。外務省勤務の的場は使い込んだ公費800万円を用意すべく、今日の5レースに挑もうとしていたのだ。様々な事情を抱えた人々が競馬場に集まり、その思いが交錯する中、ついにレースが始まる・・・。
物語にちなんで、この日、製作発表が行われた場所は乗馬倶楽部。塚田は馬に乗った姿で登場した。「過去に何回かは(乗馬したことが)あったんですが、こんなに長い時間体験をしたのは初めて」と話した塚田は「馬を感じることができました。馬と距離が縮まりましたね!馬の筋肉もすごくきれい」と乗馬体験を振り返った。
そして、脚本の鈴木は「これは僕が25年ぐらい前、競馬に初めて夢中になっていた頃に書いた作品で、その時の僕の思いが詰まっています。競馬場はいろんな気持ちが溢れているので、キャスト一人一人に力一杯演じてもらいたいです」と期待をかけた。
演出の中屋敷は「これだけ華々しいキャストが出演してくれるので、キャストの生々しい姿やバカバカしい姿をたくさん見せたいです」とプランを明かした。さらに中屋敷は、主演がジャニーズきっての肉体派で、コンサートなどではバック転も披露している塚田であることから「台本上、バク転はないんですが増やそうかな」とニヤリ。すると、塚田は「今から筋トレして仕上げておきます!」と即答していた。
そして、外務省勤務のエリートを演じる片桐は「台本に忠実にやろうと思っています。僕はエキセントリックに見られがちですが、根は保守的なので。成功し続けた人の危うさを出せたらおもしろいと思っています」と語り、黒川は「個性豊かなキャストの方々と新たな『サクラパパオー』を作り上げたいです」、中島は「会った人をメロメロにしてしまう役柄なので、色気を出して皆さんをメロメロにしたいです(笑)」とそれぞれ意気込んだ。
塚田僚一を乗せたタマモラッシュ号
そして、塚田は作品について「最後には、全員でサクラパパオーを応援するという温かいコメディになっています。競馬ファンの方も小ネタが多いので楽しめますし、競馬を知らない方も人間ドラマとして楽しめると思います」とアピール。それを聞いた片桐が「パーフェクト!」と塚田のコメントを絶賛すると、塚田は「よかった~。こういうコメントは、いつもはっしー(A.B.C-Zの橋本良亮)に任せるんです(笑)」と顔をほころばせ、「センターは居心地が悪いんですよね・・・」と初の単独主演への本音も吐露し、会場を笑わせた。
パルコ・プロデュース『サクラパパオー』は埼玉・宮城・愛知・東京・大阪の全国5ヶ所で上演される。日程の詳細は、以下のとおり。チケットは、3月4日(土)より一般発売開始。
【埼玉公演】4月26日(水)~4月30日(日) 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
【東京公演】5月10日(水)~5月14日(日) 東京国際フォーラム ホールC
【宮城公演】5月16日(火) 電力ホール
【愛知公演】5月19日(金) 穂の国とよはし芸術劇場PLAT
【大阪公演】5月25日(木)・5月26日(金) サンケイホールブリーゼ
(取材・文・撮影/嶋田真己)