中川晃教「人に感動を与える仕事に就けて本当に幸せ」第24回読売演劇大賞 最優秀男優賞受賞記念取材会レポート

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2017年2月4日(土)に第24回読売演劇大賞が発表となり、ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』でフランキー・ヴァリ役を務めた中川晃教が最優秀男優賞を受賞。また、同作は長い歴史を持つ読売演劇大賞において、ミュージカル作品として初となる最優秀作品賞も受賞した。これを記念し、中川を招いた取材会が2月15日(水)に都内にて開催された。

花束を贈呈された中川は「本作は、特にメディアの皆さまに盛り上げていただいたことを実感しました。その結果としていただいた評価と賞だと思っております」と挨拶。続いて、最優秀作品賞と最優秀男優賞のW受賞について、「まずノミネートされた時に、真っ先に関係者の皆さんと喜びをメールで分かち合いました。受賞については、実は発表前に報告をいただいていたんですが、周りには言えなくて。母から“(三浦)春馬君が受賞するのかな”と言われても、そのことは話せませでした(笑)最初にお祝いの言葉をいただいたのは、事務所のスタッフ、マネージャー、仲間たちという15年間支えてくれた方たちからでした」と受賞当時を振り返った。

読売演劇大賞最優秀男優賞 中川晃教_2

そして、2002年のミュージカル『モーツァルト!』からミュージカルの世界に飛び込んだ中川は「ただ無我夢中でミュージカルにぶつかってきました。ミュージカルというものは総合的なエンターテインメントだと思うんです。そこにいるのは自分なんだけど、自分ではなく、その作品の中で生きているということで、シンガーソングライターとしてだけでなく本物のエンターテイナーになっていきたいんです。この賞をいただいたことで、自分がやってきたことが正しかったんだなと思いました」と受賞の喜びを露わにした。

読売演劇大賞最優秀男優賞 中川晃教_3

同賞審査員に、音楽的、身体的に複雑で強烈な人物に肉薄した。正に彼にしかできない奇跡のアプローチと評された中川。その役作りや努力について「最初は、ボブ・ゴーディオ(フォー・シーズンズのメンバー/ブロードウェイ版音楽担当)さんの許可が必要だと知りませんでした。それから、トワング、ファルセット、そして地声がコントロールできているかという本国の求めをクリアしようとレッスンを行いました。そして、許可を貰うために3曲のデモテープを送ったら今度はそれが6曲に増えて、試されているなと思い、さらに火が付きました(笑)稽古中に本国からスカイプでレッスンを受けることが条件だったんですけど、公演前のプロモーションビデオのクオリティーを見て下さって、スカイプのレッスンは不要との判断があり、認めていただきました」と当時の苦労を交えて明かした。

読売演劇大賞最優秀男優賞 中川晃教_4

本作を30代の代表作と公言する中川は「僕は歌を通して、お客さんの心を掴み、感動を届けることについて、なんて素晴らしい仕事なんだろうと感じています。音楽が無ければ自分はいないと思います。こんなに人に感動を与える仕事に就けて、本当に幸せだなと思える自分がいます」と感慨深げに語った。

時期は未定ながら、すでに『ジャージー・ボーイズ』の再演が決定していることについて聞かれると「千秋楽で再演を発表したのですが、客席の盛り上がりというか、雄叫びみたいなものを覚えています。初演では初めて使う声だったので、再演ではその精度をより高めていけると思います。さらにもっと多くの方に観ていただけるように頑張りたいと思います」と意気込んだ。

芸歴16周年を迎え、4月にはブロードウェイミュージカル『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』でスヌーピー役を演じる中川。最後に、今後の展望について「音楽からデビューした僕にとって、ミュージカルは新しい世界でした。でも、音楽という意味では、どちらも同じなんです。音楽を作ることが自分の一番の表現だから、その次に見える先として、ミュージカルを作りたいと思っています」と語った。

読売演劇大賞最優秀男優賞 中川晃教_5

取材会終了後も、中川は集まった取材陣一人ひとりに対して丁寧に見送りを実施。「ミュージカルをもっと盛り上げていきましょう!」と言葉を掛けながら見送るその姿には、彼の真摯な人柄があふれていた。今後も、日本ミュージカル界をけん引して行く彼の活躍に注目したい。

(取材・文・撮影/櫻井宏充)

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この記事を書いた人

演劇、海外ドラマ、映画、音楽などをマルチに扱うエンタメライター。エンタステージ立ち上げからライターとして参加し、小劇場から大劇場のストレートプレイにミュージカル、2.5次元、海外戯曲など幅広いジャンルにおいて演劇作品の魅力を日々お伝えしています!

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