2016年10月19日(水)、東京・赤坂ACTシアターにてミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』が開幕した。本作は、世界中で多数の作品を演出しているガブリエル・バリーが日本で初めて演出を行うほか、ブロードウェイ版をベースに、ワイルドホーンの新曲も加えられたニューバージョン。その初日前日に囲み取材と公開ゲネプロが行われ、石丸幹二、安蘭けい、石井一孝、平方元基、佐藤隆紀(LE VELVETS)が登壇した。
囲み取材には、直前まで稽古を続けていた石丸たちが舞台衣装で登場。まず、パーシー役の石丸から「怒濤のような稽古の日々でしたが、無事にスタートが切れそうです。素晴らしい世界を皆さんにお見せできると思っております」と意気込みが語られた。
きらびやかで豪華な衣装について、マルグリット役の安蘭は「皆がこの素晴らしい衣装をまとって、より世界観が広がっています。宝塚で『スカーレット・ピンパーネル』の初演をやらせていただきましたが、また新しい『スカーレット・ピンパーネル』が出来上がっているので、幕が開くのが楽しみです」とコメント。
ちなみに、石丸と安蘭は今回が初共演。そのことについて安蘭が「本当に信じられないですね。息の合った二人です」と話すと、すかさず石丸も「ありがとうございます!」と答え、コメントどおりに息の合った様子を披露し、会場の笑いを誘った。
2008年の宝塚版『スカーレット・ピンパーネル』でパーシーを演じた安蘭は「あの頃にパーシーを演じていた時は、マルグリットのことをあまり考えていなかったんですよね。だから、もっとマルグリットのことを大切にしてあげれば良かったと思っていました。今は石丸さんから大切にされているので、良かったと思います(笑)」と、振り返った。また、当時、安蘭の舞台を観ていたという石丸は「その時の記憶と、彼女からの色々なアドバイスをこの役作りに生かせたと思っています。一緒に作り上げた感じですね」と役作りへの影響を明かした。
さらに、宝塚版と本作との違いについて、安蘭は「宝塚の時は、演出の小池修一郎先生がお話しの部分を色々と脚色されていました。今回はブロードウェイ版をシンプルに上演するので、お話の進み方が若干違います。ロベスピエールの描き方だけでなく、パーシーとマルグリットとショーヴランの三角関係が、宝塚版よりも大人の関係になっています」と解説。
そのロベスピエールとプリンス・オブ・ウェールズの二役を演じる佐藤は「今回はロベスピエールに新曲を書いていただいたので、その部分や、新しいところを観ていただけると思います。良いスパイスになるように演じたいと思います」と意気込んだ。佐藤とのWキャストとなる平方は「ロベスピエールの新曲について、ワイルドホーンさんにお会いした時に『ただでは歌わせないような難しい曲にした』と言われましたので、なんとか攻略して皆さまのもとにお届けしたいと思います」と気合い十分に語った。
マルグリットを巡ってパーシーと争うショーヴラン役の石井は、「今もフェンシングのシーンを稽古してきたばかりですけど、石丸さんと息もつけないような決闘をして、お客様に息もつかせぬような面白さで、この作品をお届けできたらと思います」とアクションについてもアピール。
最後に石丸から「私たち総勢の力で、皆さまを夢の世界に連れて行きます。期待していて下さい!」とメッセージが贈られ、会見は締めくくられた。
ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』は、2016年10月19日(水)から10月26日(水)まで、東京・赤坂ACTシアターにて上演される。その後、大阪公演、東京凱旋公演が行われる。日程の詳細は、下記のとおり。
2016年10月19日(水)~10月26日(水) 東京・赤坂ACTシアター
2016年10月30日(日)~11月7日(月) 大阪・梅田芸術劇場メインホール
2016年11月24日(木)~11月29日(火) 東京・東京国際フォーラム ホールC
(取材・文・撮影/櫻井宏充)