『新・幕末純情伝』開幕!演出・岡村俊一に「松井玲奈以外でやりたくない」と言わしめた熱演に注目

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劇作家・つかこうへいの七回忌となる今年、特別公演として上演される『新・幕末純情伝』。数々の女優が羽ばたいていった本作の「9代目沖田総司」に抜擢された松井玲奈率いる公演がついに開演した。初日となる6月23日(木)には、公開ゲネプロと囲み取材が行われ、松井のほか、石田明(NON-STYLE)、細貝圭、早乙女友貴、味方良介、荒井敦史、演出の岡村俊一が、意気込みを語った。

『新・幕末純情伝』公開ゲネプロ_3

本作は、幕末の京都を舞台に、新撰組の沖田総司が実は女だったという、ユニークな着想のもと、1989年の初演以降、何度も再演されてきたつかの代表作である。これまで、広末涼子や石原さとみ、鈴木杏、桐谷美玲などの女優たちが「沖田総司」を演じ、名を上げていった作品だ。

『新・幕末純情伝』公開ゲネプロ_8

元AKBといえば、前田敦子や大島優子、川栄李奈が女優として高い評価を得ているが、この日のゲネプロで見せた松井の演技力も圧巻だった。松井は、柔らかな雰囲気と笑顔が印象的なアイドルというイメージが強かったが、本作では一転して険しい顔に男言葉で強い“女”を見せつける。それでいて、時折女性らしさも覗かせるのだ。

『新・幕末純情伝』公開ゲネプロ_10

その松井の演技は、演出の岡村が「傑作です。もう松井玲奈以外で(本作を)やりたくないと感じました。当分、(これ以上の女優は)出てこない」と大絶賛するほどの出来。さらに「松井がここまでやるとは、と感じてもらえる」と岡村は語ったが、まさにその言葉通りで、演劇ファンも見逃す手はない。

岡村の絶賛を受けた松井は、「人生を懸けてステージに立ちたいと思っているので、そう言ってもらえて嬉しい」と顔をほころばせる。本作で松井は、初めての殺陣、そしてラブシーンにも挑戦。ラブシーンについては、「照れはありません。役に入り込むほど、観ている方にも素敵なシーンに映ると思ってやっています」と強い覚悟も示した。

『新・幕末純情伝』公開ゲネプロ_7

また、坂本龍馬役を演じる石田も確かな演技力を披露。笑わせるところはとことん笑わせるとばかりに、芸人らしさ全開で会場を盛り上げるが、その一方で、真面目に日本の未来を語る姿を見せる。その変貌ぶりは、まるでスイッチが切り替わったかのように見事。アドリブで入れられたギャグも、ところどころスベリながらも、観客の心をガッチリ掴むいいエッセンスになっている。

本作の龍馬役は、とにかくセリフ量が多いのも特徴だが、ゲネプロではまくしたてるように早口で話した石田。「ゆっくりと話すのはもったいない気がするんです、つかさんの作品は。ダーッと言う方が気持ちいいし、お客さんにも伝わると思ってた」とその意図を明かすとともに、「一番、ひょうきんものの龍馬を演じられたらと思います」と意気込んだ。

『新・幕末純情伝』公開ゲネプロ_5

さらに、細貝は「歴代の出演者の名に恥じぬように、真っすぐ、千秋楽まで突っ走っていきたいと思います」と力強く話し、早乙女は「絶対に面白いものになっていると思うので、その力を本番ですべて出したい」と自信を覗かせる。

『新・幕末純情伝』公開ゲネプロ_9

『新・幕末純情伝』公開ゲネプロ_4

そして、味方は「今、自分ができることよりちょっと上のことができたらいいなと思います。この公演で大きくなれたら・・・」、荒井は「(自分の役を)演じてきた俳優の中で(自分が)最年少だと思います。若いからこそ表現できるものもあると思う」と、作品にかける思いを語った。

『新・幕末純情伝』公開ゲネプロ_6

つかこうへい七回忌特別公演『新・幕末純情伝』は、6月23日(木)から7月3日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場にて上演。その後、東京・紀伊国屋ホール、大阪・梅田芸術劇場メインホールで公演が行われる。日程は下記のとおり。なお、つかこうへいの命日である7月10日(日)17:00には、紀伊国屋ホールでスペシャル公演が行われることも決定した。

『新・幕末純情伝』公開ゲネプロ_2

◇公演情報◇
6月23日(木)~7月3日(日) 東京・天王洲 銀河劇場
7月6日(水)~7月17日(日) 東京・紀伊國屋ホール
7月22日(金)~7月24日(日) 大阪・梅田芸術劇場 メインホール

(取材・撮影:嶋田真己)

※無断転載禁止※

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