2016年4月にKAAT 神奈川芸術劇場の芸術監督に正式就任した白井晃の演出で、9月に『マハゴニー市の興亡』が上演される。本作は、『三文オペラ』で知られるドイツの劇作家ベルトルト・ブレヒトと作曲家クルト・ヴァイルのコンビが生んだ傑作であり、問題作。1930年に初演されるが、作品の含む社会に対する痛烈な皮肉から1933年にはナチスが上演を禁止、日本でもほとんど上演されていない。
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注目の出演者は、実力派俳優として白井の信頼も厚い山本耕史、圧倒的な歌唱力と力強いパフォーマンスで魅了するマルシアに加え、歌手・女優として第一線で活躍し続ける中尾ミエ、その歌声に多くのファンを持つ上條恒彦、映画・テレビ・舞台で欠かせない存在である古谷一行など、重厚で個性豊かな顔ぶれが揃った。
この他の出演は、細見大輔、櫻井章喜、辰巳智秋、Ruu、伊勢大貴、加藤義宗、岸田研二、木村雅彦、今野晶乃、SALLY、鈴木崇乃、遠山悠介、長友郁真、NAMImonroe、野沢聡、橋本由希子、早瀬マミ、村田慶介、薬丸翔、山﨑将平、吉田哲也、立崇なおと。
また、音楽監督はジャズピアニストのスガダイローが手がけ、振付は出演者でもあるRuuが担当。Ruuは、日本を代表する振付コンテストLEGEND TOKYOで最年少ながら日本代表25名に選ばれ、4年連続受賞している。
『マハゴニー市の興亡』は、9月6日(火)から9月22日(木・祝)までKAAT 神奈川芸術劇場<ホール>にて上演される。チケットは、6月4日(土)よりKame会員先行受付、6月18日(土)より一般発売開始。
◆あらすじ
荒野の真ん中で一台のトラックが故障して動かなくなった。中には売春斡旋と詐欺の容疑で指名手配されている逃亡犯、べグビック(中尾)、ファッティ(古谷)、モーゼ(上條)が乗っていた。3人はトラックがもうこれ以上動かないと分かると、この地に「マハゴニー」という楽園の街を作り、やって来る男たちから金を巻き上げようとした。
アラスカで樵(きこり)をしていたジム(山本)、ジャック、ビル、ジョーの4人の男たちは、貯めたお金を持ってマハゴニーへ行こうと旅支度をする。この先に待っている酒や女やギャンブルといった、素晴らしい世界を思い浮かべながら。
4人の樵たちがマハゴニーの港に着くと、べグビックが売春婦のジェニー(マルシア)と6人の女たちを連れてやってきた。べグビックは早速娘たちを売り込むが、しかし結局はジムがその売春婦ジェニーを買った。そして男たちはべグビックに連れられ、マハゴニーへ向かう・・・。