エンタテインメントを通じた、東日本大震災の復興支援活動を続ける「一般社団法人チームスマイル」(東京都渋谷区、代表理事:矢内廣)が7月24日、福島県いわき市に新シアター『チームスマイル・いわき PIT』をオープンし、女優・歌手の倍賞千恵子、チェリストの溝口肇らが出演し、200名の招待者を前に落成披露式とコンサートを行った。
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チームスマイルは、被災地にエンタテインメントを通した「こころの復興」と、支援活動の「継続性」を確保することを目的とし、昨年10月、東京に『Power Into Tohoku!』の略称「PIT」を冠した『チームスマイル・豊洲 PIT』をオープン。このホールで生み出される収益金をエンタテインメントを通じた復興支援のために活用し、今回の福島県いわき市に続き、来春までに宮城県仙台市、岩手県釜石市の東北3地区に『チームスマイル・PIT』の設置を予定している。
落成披露式に出席した福島県の内堀知事は、「復興の光は着実に見えている。地域活用の場に」、いわき市の清水市長は「心の復興のための夢の広場。絆を繋ぐ教育の現場に」と祝辞を述べた。
続いて行われたコンサートでは、福島県いわき市立豊間中学校で唯一津波に流されずに残っていたものを解体し、再生させた「奇跡のピアノ」で、ピアニストの熊本マリ、チェリストの溝口肇、女優・歌手の倍賞千恵子と作曲家の小六禮次郎らが演奏した。
また、ビデオコメントでは作詞家の秋元康が「ここから何かを生み出し、発信できるか。それを形にするのが僕の役目。文化、思いの交流から熱が生まれる」、サッカー選手の香川真司は「中高時代を仙台で過ごした。今、海外で活躍できるのも仙台での土台があったから。夢や希望を与える存在になれるように、サッカーで支援を続けたい」とエールを送った。
また、翌日25日にこけら落とし公演を行う岸谷香と渡辺敦子がサプライズで登場。岸谷は、「東京ドームでの再結成で、心をこめて誰かのために音楽をすることで今までと違う感覚を得た。この奇跡のピアノで、惜しみなく、その人のために歌いたいと思います」と、プリンセスプリンセスの『ジュリアン』をピアノの弾き語りで披露した。
さらには、山形県出身の音楽プロデューサー、小林武史もお祝いに駆けつけ、シンガーのSalyuとBank Bandの『to U』 をピアノと力強いボーカルで聴かせた。
東北初の『いわきPIT』は収容客数202人(着席)のホールで、コンサートや演劇、ライブビューイング等のイベントの他、特に地元の子供たちや若者たちによる創作活動へのチャレンジをサポートし、その表現や発表の場を提供することを主な目的とし、エンタテインメントを通じて、若い世代の夢や才能を養い、彼らが夢を持って元気に立ち上がれるような企画を実現することにより、被災地の人々自らによる復興を後押しすることを目的に運営される。
尚、7月25日(土)にはオープニングイベントとして、「岸谷香&渡辺敦子コンサート」(チケットは完売)、26(日)にはアイくるガールズ(いわき市公認ご当地アイドル)など地元のミュージシャンや子どもたちが出演する「オープニングアクト」(入場無料)が行われる。
■『チームスマイル・いわきPIT』概要
(名称) チームスマイル・いわきPIT
(所在地) 〒970-8052 福島県いわき市平祢宜町5丁目13
(開業) 2015年7月24日(金)
(収容人数)202名(着席)
(アクセス) JR常磐線いわき駅より徒歩8分
(協定) 2015年1月に、いわき市、いわき商工会議所と、三者間で連携協定を締結。
(スタッフ)福島統括マネージャー・支配人・箱崎友清/劇場監督・高木達/顧問・村岡寛/制作委員・加藤功
■落成披露宴・コンサート出演者
主賓挨拶:矢内廣(チームスマイル代表・ぴあ㈱代表取締役社長)、内堀雅雄(福島県知事)、清水敏男(いわき市長)、小野栄重(いわき商工会所会頭)
ライブ出演者:熊本マリ(ピアノ)、今藤長十郎(長唄)、溝口肇(チェロ)、倍賞千恵子(女優・歌手)&小六禮次郎(作曲家)(出演順)