世界で活躍するカナダ・ケベック生まれの演出家にして、“映像の魔術師”と呼ばれるロベール・ルパージュ。そんな彼の代表作の一つであり、世界を震撼させた一人芝居の最高峰『Needles and Opium』(1991年初演、1993年来日)が、最新テクノロジーを駆使した二人芝居として甦って、2015年10月9日(金)より世田谷パブリックシアターで上演される。
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今秋、招聘される『Needles and Opium 針とアヘン ~マイルス・デイヴィスとジャン・コクトーの幻影~』(2013年初演)は、「ルパージュ・マジック」と呼ばれる手法を世界的に知らしめた記念碑的作品『Needles and Opium』の22年ぶりとなるリニューアル作品。現在と、1949年に活躍したジャン・コクトーとマイルス・デイヴィスのイメージを召喚させながら、ある男性の内面を多層的に描いている。
物語は、失意のどん底でパリにたどり着いた現代のカナダ人男性の脳内に、コクトーのアヘン依存とデイヴィスのヘロイン中毒(注射針)のイメージが広がり、こだましている。苦しみを忘れようとする男性が、内面を凝視すると、コクトーの言葉やスケッチ、デイヴィスのブルーノートが脳内を駆け巡り、スペクタクルな離脱症状が始まる。現代と、1949年のコクトーとデイヴィスを自由に行き来しながら、めくるめく幻惑の世界へ誘われ、身体性に富んだ作品は、ルパージュ未体験の観客層をも広くひきつけること必至だ。
現在、世界ツアー中の本作には、各国から称賛の声が上がっているが、その劇評の一つを紹介しよう。
「ルパージュの Needles and Opium を観に行くにはたったひとつの理由しかいらない。傑作だからだ」★★★★ - スター紙(米国)
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『Needles and Opium 針とアヘン ~マイルス・デイヴィスとジャン・コクトーの幻影~』(英語上演・日本語字幕付)は2015年10月9日(金)~10月12日(月・祝)、世田谷パブリックシアターで上演。詳細は世田谷パブリックシアターのホームページにてご確認を。
© Nicola Frank Vachon