浦井健治がソニンに“翻弄”される?! 『トロイラスとクレシダ』製作発表レポート!

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2015年7月15日(水)に、東京・世田谷パブリックシアターにて開幕する舞台『トロイラスとクレシダ』。シェイクスピア戯曲の中でも上演回数が極めて少ない“異色の作品”だ。初日を一か月半後に控えた6月2日(火)、都内で製作発表会見が行われ、演出の鵜山仁、翻訳の小田島雄志に加え、キャストの浦井健治、ソニン岡本健一、渡辺徹、今井朋彦、横田栄司吉田栄作江守徹が登壇し、作品に賭ける思いや意気込みを語った。

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まずマイクを握ったのはシェイクスピア作品の翻訳者として名高い小田島。「この戯曲は、今演出家が最も取り組みたい作品。そして観客が最も観たくない舞台」と会場の笑いを誘い、演出を担当する文学座の鵜山は「信義や愛といった“良きもの”が崩壊した後、残された人間はどう生きて行くのかというところがテーマの一つ。それは現代の我々にも通ずると思う」とコメント。会見の二日後から稽古に入る出演者たちも、両者の言葉を真剣に聞き入っていた。

ではここでタイトルロールを演じる二人、浦井とソニンのコメントをご紹介しよう。

浦井健治(トロイラス役)
本日は誠にありがとうございます。トロイラス役をやらせていただきます浦井健治です。今、小田島先生や鵜山さんのお話を伺って「混沌から未来へ」というのがこの作品の一つのテーマなのだと改めて思いました。僕が演じるトロイラスは、戦争中にもかかわらず、開口一番「戦争に行きたくない」と言ってしまうある意味とても人間的なキャラクターです。この作品はハッキリ結論が出ないまま幕を下ろすのですが、そこがとても現代的だな、とも感じています。今の日本の状況にも通ずるところがたくさんあるのではないでしょうか。

浦井健治

この座組みでやれることをとても光栄に、幸せに思っていますし、鵜山さんの演出作品で敵対する役として共演させて頂くのが岡本(健一)さんというのも怖ろしくもあり、面白いなあと(笑)そうそうたる…時代を背負ってきた先輩方の背中をちゃんと見つめながら、「もう何が起きてもいいや!」と覚悟を決めて、信頼するクレシダことソニンさんと、一緒にやっていけたらと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

ソニン(クレシダ役)
今日はお集まりいただきありがとうございます。クレシダ役のソニンです。私は今回お話をいただいた時に二つ返事で出演を決めました。それは信頼する鵜山さんと小田島先生の作品だからです。シェイクスピア劇への出演は『ヘンリー六世』に続いて二回目なのですが、その時に出演なさっていたキャストの方も多くいらっしゃいますし、大好きな文学座の役者さんたちが大勢出演されるいうことで、お断りする理由が一つもなかったんです。それで改めて戯曲を読み「これは…難しいな」と(笑)悲劇なのか、歴史劇なのか、それとも喜劇なのか混乱もしたのですが…人生って時に悲劇だったり、すごく滑稽だったり、美しかったり汚かったりと、いろいろなことが混ざり合っていますよね。そこが作品との共通点なのかと感じました。

ソニン

鵜山さんの演出がどういう風になるのか、出演者のパワーが混ざり合ってどんな化学反応を起こすのか、私自身とても楽しみですし、(この作品に)チャレンジできて幸せです。クレシダという役はとても難しくて、これからどうなっていくのかが自分でも想像できません。『ヘンリー六世』の時はわからないことだらけで、ただ必死だったのですが、あの後アメリカに演技の勉強にも行きまして、前回より進んだところで、シェイクスピア劇の美しさや素晴らしさを少しでもお伝え出来たらと思っております。よろしくお願いいたします。

会見の最後は演劇界の重鎮、江守徹が「新人のつもりで頑張ります!」とお茶目な言葉で締め、報道陣と登壇者から大きな笑いと拍手が起きていた。

江守徹

舞台『トロイラスとクレシダ』は2015年7月15日(水)~8月2日(日)まで東京・世田谷パブリックシアターにて上演。東京公演終了後は石川、兵庫、岐阜、滋賀にてツアー公演が行われる。

浦井健治、ソニン『トロイラスとクレシダ』

※エンタステージでは浦井健治とソニンの対談インタビューを後日掲載予定。お楽しみに!

撮影:上村由紀子

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