18団体により劇作家・別役実の20作品が公演される「別役実フェスティバル」の開幕パーティーが、4月11日(土)、東京・文学座の第一稽古場で開かれた。発起人で演出家の鵜山仁をはじめ、フェスティバルの実行委員や各参加団体の代表者、交流プロジェクト出演者らが参加した。
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パーティーでは、参加者が持ち寄ったビールや日本酒などの酒類が用意され、文学座スタッフによる手作りの生春巻きやチャーハンおにぎりなども振舞われた。料理は稽古場中央にセッティングされたテーブルの上に並べられ、参加者全員で一つのテーブルを囲むと、ホームパーティーのようなアットホームな雰囲気に包まれた。
鵜山はパーティー冒頭の挨拶で「高校生の頃から憧れてきた別役作品を、劇団昴の公演で初めててがけることになり、せっかくだから他の団体とつながりを持てればいいと思い声をかけました。一年半近くのフェスティバルの期間の中でいろいろな意味でみなさんと交流ができれば」と語った。
フェスティバルに参加するのは、北九州芸術劇場、新宿サニーサイドシアター、LAVINIA、劇団青年座、劇団俳協、Pカンパニー、劇団俳優座、劇団民藝、劇団キンダースペース、名取事務所、兵庫県立ピッコロ劇団、劇団銅鑼、文学座、テアトル・エコー、山の羊舎、演劇集団円、劇団昴 ザ・サード・ステージ、新国立劇場の計18団体。各団体はそれぞれ異なる場所、期間に公演を行うため、フェスティバル参加者が一同に会する貴重な機会となった。
フェスティバルのキーマンである別役は、昨年7月にパーキンソン病の薬の副作用のために入院。一時は寝たきりにもなったが、退院後にこのフェスティバルの話を聞いたことが励みになり、今年に入ってからめきめきと回復してきているという。この日のパーティーは残念ながら不参加となったが、その理由については司会進行役でPカンパニーの林次樹が「別役さんご本人は『僕は行かなくてもいいの?』と参加したそうにしていましたが、9月に上演する文学座の新作『あの子はだあれ だれでしょね』の執筆中ですので、そちらに専念していただくことにしていただきました」と、大事をとっての欠席であることを説明した。
次に公演を控えているフェスティバル第2作目の坂田俊二演出『ポンコツ車と五人の紳士』『寝られます』は、新宿サニーサイドシアターで2015年5月13日(水)から5月17日(日)まで。その後も2016年夏までフェスティバルは続く。