親しみのあるわかりやすい言葉を用いた俳風で名を残した江戸の俳人、小林一茶。彼の生き方を大きく変えたと言われるある事件を軸に井上ひさしが描いた舞台『小林一茶』が、2015年4月6日(月)より、東京・紀伊國屋ホールにて上演される。初日に先駆けて5日(日)公開稽古が行われ、その後囲み会見の場に、和田正人、石井一孝、荘田由紀が登場した。
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井上ひさしが作品の中でつむぐ「言葉」が「難しい」と語る三人。なかでも舞台『夢の裂け目』に続き2度目の出演となる石井は「井上先生の言葉は美しく、よどみがなくて流麗で。だからこそリズムに乗り損ねるとフォローできない。美しいがゆえに危険を伴っているんです。そこに負けないように自分を信じて仲間を信じてやるしかない」と難しさとともにそれに立ち向かう気合いを口にした。石井演じる竹里と宿敵の関係となる一茶を演じる和田も「普通は稽古が終わったあとは身体の疲労を感じるんですが、今回の舞台では(石井と)二人で『脳髄が痛い』と言っていました。頭をすごく使うんです。時代背景や慣れない言葉、セリフの分量もたくさんあって、そして言葉ひとつひとつを大事にしなければならないので、常に頭をフル回転させて集中しないとならなくて」。荘田も「井上先生から挑戦状を叩きつけられているようで。本当に難しいです」と語っていた。
ちなみに和田は本作に取り組むにあたり、「活字に弱いので、もう一歩先に進みたいと思って新聞を取り始めました!」と発言、すかさず石井が「読んでたっけ?」と突っ込むと「稽古が始まったら今度は台本とにらめっこで!稽古が始まる前に新聞を読んでて」と、笑いながら説明していた。
なお、作品のあらすじから見どころまで、和田がよどみなく説明すると会場からは驚きの声が!「僕、今回何度も取材受けてますから!もうこのくだりは50回くらい言ってます!」となかば自慢げ(?)にアピールする和田に、石井・荘田はじめ、記者やスタッフも大笑いの一幕となった。(この模様は後日動画でご紹介します)
こまつ座第108回公演・紀伊國屋書店提携『小林一茶』は、東京・紀伊国屋ホールにて、4月6日(月)から4月29日(水・祝)まで。