『レ・ミゼラブル』を手掛け、演劇ファンから高い評価を受けた“黄金コンビ”ジョン・ケアードとジョン・キャメロンが作り上げる舞台『十二夜』が2015年3月8日(日)から東京・日生劇場で開催される。元宝塚歌劇団男役トップスターの音月桂、小西遼生、中嶋朋子、橋本さとしら実力派俳優が集まる本公演の稽古開始から1週間を経た2月6日(金)、本公演の製作発表が行われた。
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本作は、シェイクスピア喜劇の中でも最高傑作と呼ばれるロマンティック・コメディ。船の遭難で離ればなれとなった双子ヴァイオラとセバスチャンの兄妹を軸に、彼らを取り巻く人々との間で起きる“勘違い”と“片思い”を描く。
ヴァイオラとセバスチャンの2役を演じるのは、元宝塚歌劇団男役トップスターの音月桂。セバスチャン役は音月にとって、退団後初の男役ということもあり、高い注目を集めている。また、彼女が思いを寄せるオーシーノ公爵を小西遼生、オーシーノが恋いこがれる伯爵令嬢オリヴィアを中嶋朋子、オリヴィアに仕える執事マルヴォーリオを橋本さとしが熱演する。
音月は、「稽古が始まってまだ1週間しか経っていないと聞いてびっくりしています。濃厚で充実しているので、もっと月日が経っている気がしていました」と稽古を振り返る。シェイクスピアの舞台というと、演じる側も見る側もどことなく身構えてしまうものがあるが、実際に音月も「普段なかなか使わない言葉や言い回しがあって(せりふが)入りづらい」と苦笑い。とはいえ、「それを楽しみながらできたらいいなと思っています。(シェイクスピアは)偉大なイメージがあるけれど、もっと近くに感じたいと思いながら稽古をしています」と意気込んでみせた。さらに、久しぶりの男役に対しては「稽古で蘇ってきているんです」とするも、「今は女性を演じるのが好きです」と笑顔で話した。
ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーのアソシエイト・ディレクターも務め、本作の演出も手掛けるジョン・ケアードは、この日の会見で本作を「シェイクスピアの中期の喜劇がなぜこんなに面白いかを説明できると思う」とアピール。そして、「物語はロマンティック。でも、面白い作品となるのは、人間の弱い部分から笑いが生まれるから。普通の人物たちが登場するが、こういう人知っているって共感できる作品」と説明した。また、音月の男役について、「(音月は)男を演じると『宝塚』が出てくる。これは西洋にはないものなので、すばらしい」と絶賛した。
舞台『十二夜』は、2015年3月8日(日)~3月30日(月)に日生劇場にて上演される。